ゼミのテーマ

 外国人に日本語を教えるために必要な文法の研究をします。日本語を通じて外国人と交流する機会をもちます。

 演習Ⅰ(2年次)では、現代日本語の文法に関わるさまざまな問題について、日常使う文をもとに考えます。例えば「ロープの右側で泳ぐ」と「ロープの右側を泳ぐ」は、格助詞「で」と「を」が違うだけですが、意味の差はどうなのか、といった問題や、「風呂に入れる」と「風呂に入らせる」は、どう異なるか、といった問題を扱います。テーマは、品詞、格助詞、受身・使役、複合動詞、動詞の自他、待遇表現、「は」と「が」、連体修飾、コ・ソ・アなど。それぞれについて、課題のプリントをもとに、担当者が順次発表していきます。各項目の、日本語教育での扱いについても触れます。

 演習Ⅱ(3年次)では、論文の精読を行います。日本語の文法、意味、表記に関するもののほか、「呼称」「命名のメカニズム」「カタカナ語」「日本語学習支援」「多言語表示」等、社会言語学的なものも含みます。

ゼミの活動

日本語学校との交流
 ゼミでは、日本語学校との交流活動を行っています。神戸市内にあるコミュニカ学院と神戸YMCAへ出かけ、世界各国から来ている学生たちとの間でお互いに自己紹介をしたあと、「日常習慣について」「食べ物について」「成人とは?」「夫は外、妻は家庭」といったテーマで、日本とそれぞれの出身国との違いについてディスカッションを行います。

                         日本語学校での交流活動


台湾実習
ゼミ生の多くが参加するプログラムに「日本語教授法実習」があります。夏休みの10日間、台湾の協定校である東海大学へ出かけ、実際に日本語を教える実習を行います。この実習では、教えるというより、日本語をなかだちとして交流を深めることに重点をおいています。
台湾実習については、日本学生支援機構(JASSO)のウェブマガジン『留学交流』2017年11月号 でより詳しく紹介しています。

台湾の東海大学での実習

甲南日本語教室「あおぞら」
 台湾実習と同様に、これもゼミの枠を越えて参加できる活動です。地域の外国人の日本語学習を支援するボランティア活動です。春と秋のそれぞれ二ヶ月半ほど、木曜日の午後6時から7時半の間、大学の教室を利用して初級と中級のクラスを開設しています。1年次生から4年次生まで、試行錯誤しながら日本語を教える過程で、異文化理解についての関心も深まります。
 2018年度は、春のコースが5月10日(木)~7月12日(木)、秋のコースが10月4日(木)~12月13日(木)です。各コースの初日にはクラス分けのテストと面接を行い、最終日には餃子作りパーティを実施します。

日本語教室「あおぞら」終了パーティー