教員免許更新講習

理工系の学部で卒業までに獲得できる研究能力には、大学入学後の教育だけでなく、高校段階での理科の基礎的な実験をどの程度経験しているかが大きく影響しています。しかし、実際には高校での実験や観察は必ずしも十分には行われておりません。そこで甲南大学理工学部では、入学後間もない段階で高等学校の物理・化学・生物・地学の主要な実験を研究者の指導の下に改めて体験するプログラムを、平成20年度より実施しています。
これらの実験プログラムでは、多くの種類の機器・設備等を、学生一人一人が実験できるように他大学はない規模で導入しています。本教員免許更新講習でも、これらの機器を活用して一人一人が取り組める少人数の実験を行います。
科学者が行う教員研修には、自己の専門に基づき先端的な内容を紹介するものが多いようですが、学校で扱う理科の内容からは離れていて、直接役立てにくいという批判もあります。本講習では、いずれも、科学者が学校理科の内容に沿ったテーマに歩み寄って、それらを素材にして科学の考え方や方法を習得していただくことにしています。これにより、科学の本質に迫り、また明日から使える内容の研修になると考えています。
![]()
【12時間】
期間:8月7日(火)~8月8日(水) 定員24名
受講料13,000円(実験費、傷害保険等すべてを含みます。)
高等学校理科教員対象(物・化・生・地は問わない)

甲南大学理工学部物理学科では、新入生の1年前期に高等学校物理の教科書に記載されているが現実には受験や装置不足のため経験していない実験を学生に体験させ、より深く自然を理解させて物理学への興味関心を高めるための動機付けプログラムを実施しています。
本講習では、これらで導入した機器を利用して参加者一人に1台ずつの装置を使っていただき、「重力落下」、「電磁誘導」、「電流と磁場」、「比電荷」の4つのテーマの実験を行なっていただき、実験スキルの向上を目指します。また、授業で役立つ3つのテーマの教員実験についても演示します。
| 8月7日 | 午前: | 本講習会の狙いと科学史の一端(講義)、実験(テーマ1) |
| 午後: | 実験(テーマ2)、実験(テーマ3)、反省会 | |
| 8月8日 | 午前: | 実験(テーマ4) | 午後: | 教師実験:実験工房、霧箱実験、電子の波動性、筆記試験 アンケート、反省会 |
安藤弘明 教授、梅津郁朗 教授、宇都宮弘章 教授、杉村 陽 教授、
梶野文義 教授、山本常夏 准教授、市田正夫 教授、青木珠緒 教授、
秋宗秀俊 教授、小堀裕己 教授
【6時間】
期間:8月3日(金) 定員20名
受講料7,000円(実験費、傷害保険等すべてを含みます。)
高等学校化学担当教員対象

高校の化学担当教員を対象に、チオアセトアミドを用いた系統的分離法による陽イオン定性分析を行います。この溶液系の反応には、中和反応、沈殿反応、錯形成反応、酸化還元反応など高校で学習する内容が多く含まれており、講習後に各高校での教育に活用できると期待されます。講習では、これらの実験を実際に高校で行うために必要となる最後の廃液処理方法までも含めて体験していただきます。
| 8月3日 | 午前: | 基礎講義、実験準備 |
| 午後: | 実験、廃液処理、データ整理、筆記試験 |
池田能幸 教授、渡邉順司 教授、山本雅博 教授、村上良 講師
2011年の教員免許更新の様子
【12時間】
期間:8月23日(木)~8月24日(金) 定員21名
受講料13,000円(バス代、傷害保険等すべてを含みます。)
小学校教諭・中学校および高等学校理科教員対象

河川の流速と河床堆積物の関係は、小・中・高校の理科の重要な内容ですが、実際の河川の流速はほとんど明記されていません。実際に流速を測定してみると、教科書に概念化されたような単純な姿とは全く異なる、驚くべき河川の姿が見えてきます。甲南大学地学研究室では平成20年度から電磁流速計を導入し、全国でも初めての流速の定量的な把握に基づく河川理解の地学教育を行っています。
本講習では、1日目にバスで実際の河川に出かけて車内での簡単な講義の後、上・中・下流の3地点で流速と堆積物を調査し、2日目は室内でデータを解析して流速と堆積物の関係を明らかにすると共に、流水とは異なる運搬メカニズムの土石流とその役割の大きさについても考察していただきます。
| 8月23日 | 午前・午後: | 大学よりバスで出発して,武庫川上・中・下流での観察と調査 |
| 8月24日 | 午前: | 調査データの整理 |
| 午後: | 流水による運搬と土石流による運搬、筆記試験 |
林 慶一 教授
【6時間】
期間:8月17日(金) 定員10名
受講料7,000円(実験費、傷害保険等すべてを含みます。)
高等学校生物担当教員対象

高校生物の教科書に掲載されている細胞の微細構造を、電子顕微鏡を実際に操作して観察し、その構造と機能について理解を深めます。また、細胞小器官などの形態を生物間で比較して、その多様性と連続性から、成り立ちの経緯を含めた進化学的な意味についても考察します。
Trifolium repens シロツメグサ (甲南大学 理工学部生物学科 系統分類学研究室HPより)
| 8月17日 | 午前: | 細胞の電子顕微鏡による観察 |
| 午後: | 電子顕微鏡による観察(続)と、その多様性と進化的な意味の考察、筆記試験 |
本多大輔 教授
【6時間】
期間:8月22日(水) 定員20名
受講料7,000円(実験費、傷害保険等すべてを含みます。)
高等学校生物担当教員対象

まず、「ミツバチの太陽コンパスを用いた定位行動」と「複眼の微細構造」について講義します。その後、青空における散乱と偏光発生モデルの作製や複眼模型の作製、複眼模型を用いた野外観察などの実験実習を行い、昆虫の偏光感覚と太陽コンパスによる定位行動を理解します。
これらの実験実習は、高校生物の授業にすぐに応用できるよう、計画されています。
| 8月22日 | 午前: | 「ミツバチの太陽コンパスを用いた定位行動」と「複眼の微細構造」の講義、モデル製作 |
| 午後: | 複眼模型の作製、複眼模型を用いた野外観察、筆記試験 |
道之前允直 教授

いずれの講習も、甲南大学岡本キャンパス(北校舎・西校舎)で行います。(詳細は、http://www.konan-u.ac.jp/access/index.htmlにPDF版の地図等があります。)
交通の便の良いところにあり、また学内に駐車スペースがありませんので、公共交通機関をご利用ください。最寄り駅は阪急神戸線岡本駅、JR神戸線摂津本山駅で、徒歩17分ほどのところにあります。
免許の有効期間満了日が平成25年および平成26年の3月31日の方
(昭和32-33、42-43、52-53の各年度生まれの方)。
また、各講習ごとに上記の校種、担当教科等の条件が付加されます。
- 当日気象警報が発令された場合
「暴風警報」等の気象警報が発令された場合は、一律中止ではなく、交通機関の運転状況も考慮して午前7時に電子メールで「実施」、「開始時刻の変更」、「中止」等の連絡をします。 - 遅刻・早退の取扱いについて
遅刻・早退は実験・観察に支障や危険をもたらしますので、ないようにお願いいたします。
甲南大学教職教育センターのホームページ
(http://www.konan-kyoshoku.jp/)
から「教員免許更新講習」に入り、(選択)理科の仮申込書(PDF、Excel)をダウンロード(3月中旬にUP予定)して、所定の事項を記入して、受講決定通知用の返信用葉書(宛名のみ記入してください)と共に、郵送で下記の宛先へお送り下さい。(FAX、e-mailでは受け付けておりません。)
宛先:〒658-8501 神戸市東灘区岡本8-9-1 甲南大学 教職教育センター 更新講習係
※封筒の左端に朱書きで「④理科講習申込」と必ず記載してください。
受付期間:平成24年3月20日(火)~6月30日(土)(ただし、定員に達した時点で終了します)
原則として先着順に受け付け、定員に達した時点で募集を終了します。郵送によるタイムラグで定員到達後に届いた方については、可能な限り受け入れるよう努力しますが、実験器具の数の関係でお断りせざるを得ない場合もあることをご承知おきください。到着後1週間以内に電子メールと返信用葉書で受講者としての確定をお知らせします。
受講者として決定された方には、7月3日(火)~7月13日(金)の間に受講料を振り込み、7月13日(金)までに顔写真・受講資格の証明付の正式の受講申込書(様式は電子メールで7月にお送りします)を提出していただきます。
問い合わせについて
問い合わせの前に、必ず上記2のホームページで内容を確認の上、kosin@center.konan-u.ac.jpまたは078-435-2517(地学研究室 林 慶一)まで。
キャンセルについて
万一キャンセルされる場合は、できるだけ早くお知らせください。なお、受講料振込後は返金経費分のキャンセル料が発生します。
