甲南大学地域連携センター

KONAN INFINITY

2017年度版

時間軸天文学と元素の起源
時間軸天文学と元素の起源


理工学部 物理学科 教授

冨永 望
星が一生の最期に起こす大爆発

太陽のように自ら光り輝く星のことを「恒星」と呼びます。これは昔の人にとって星とは恒久的に空に光り輝いているものであったからです。ところが実際の星は激しく躍動しています。その中で最も激しい現象は、星が一生の最期に起こす超新星爆発と呼ばれる大爆発です。私たちは、超新星爆発がどのように生じ我々にどのように見えるのかに注目し、コンピュータシミュレーションを用いた数値計算や、ハワイにある世界最大級のすばる望遠鏡などを用いた超新星探査観測を行っています。図はすばる望遠鏡を用いて私たちが発見した超新星爆発の一部です。

重力波源からの電磁波放射を捉える

重力波はアインシュタインが一般相対性理論に基づいてその存在を予言した空間の歪みが光速で伝わる波です。2015年9月14日アメリカの重力波望遠鏡Advanced LIGOが遂に人類初の重力波の直接検出に成功しました。さらに、2017年8月17日にはAdvanced LIGOとヨーロッパの重力波望遠鏡Advanced Virgoが中性子星同士の合体による重力波を観測しました。私たちは、重力波検出から約17時間後のすばる望遠鏡による広域追跡観測を皮切りに様々な望遠鏡を用いて、電磁波対応天体からの光を可視光から近赤外線にかけての広い波長域で明瞭に捉え、時間とともに赤くなる様子を捉えました。

元素はどこで作られたか?

宇宙が誕生した時、そこには元素として水素とヘリウムと少量のリチウムしかありませんでした。我々の体を構成する多様な元素のうち、炭素や酸素などを含む鉄族元素より軽い元素は超新星爆発によって、金・プラチナなどを含む鉄族元素より重い元素の約半分は超新星爆発後に残る中性子星の合体によって、宇宙空間に放出されました。それらの元素を取り込み次の世代の星が形成され、さらに超新星爆発・中性子星合体を起こす、というサイクルを繰り返すことで、多様な元素に満ち溢れた宇宙が形成されてきました。私たちは、元素の起源としての超新星爆発と中性子星合体にも注目して研究を行っています。

【研究助成】

○科学研究費助成事業若手研究(A)(平成27年度~平成30年度)

多次元相対論的輻射流体・元素合成計算で探るガンマ線バーストの起源

研究室URL: http://tpweb2.phys.konan-u.ac.jp/