無機化学・ナノ材料研究GROUP

 当研究グループでは電気化学、ナノ材料化学および無機光化学等の学問分野を基礎に、マイクロ・ナノエレクトロニクス材料の構築に関する下記の研究テーマに取り組んでいます。

  • ナノ複合体
  • 多孔性材料
  • 薄膜形成
  • 発光材料

有機・無機複合化によるナノ構造材料の創製と機能制御

 ナノサイズ粒子は、量子サイズ効果によりバルク材料とは異なる電気、光および磁気的性質を示すことが知られており、近年これらのナノ粒子の合成手法の確立や、ナノ粒子を機能性ユニットとしたナノデバイスの開発が進められています。本研究では、金属ナノ粒子が高分子材料に分散した複合体をを対象として、構造を厳密に制御したナノ構造材料を調製し、微細構造制御による複合体の電気、光および磁気特性制御を目指します。ナノ粒子が分散した高分子薄膜およびマイクロスフェアの合成、pH応答性マイクロゲルと金ナノ粒子の複合体の合成、およびそれらの誘電体デバイス、磁気記録材料およびバイオセンサーへの応用について検討を進めています。

J. Phys. Chem. C, 116, 11794 (2012)
Langmuir, 26, 1254 (2010)
Chem. Mater., 20, 3042-3047 (2008)
Phys. Rev. B, 174432,1-6 (2007)
J. Am. Chem. Soc., 127, 7980-7981 (2005)
Phys. Rev. B, 71, 180414(R)1-4 (2005)
J. Phys. Chem. B., 108, 15599-15607 (2004)

無機ナノ結晶・多孔性有機金属錯体の複合化と機能制御

 近年、金属イオンと有機分子リンカーから構築される多孔性有機金属錯体(Metal-OrganicFramewarks;MOF)が注目を集めています。MOFは有機分子にて金属イオンをリンクさせていることから柔軟で規則性活性点を有するナノ空間が実現でき、様々な気体や分子を選択的に細孔内に吸着することが報告されています。本研究では、無機ナノ結晶表面からMOFを成長させることにより、無機ナノ結晶の光学的・磁気的性質と多孔性有機金属錯体の分子ふるい効果を併せ持った材料の構築が可能になると考え、その複合体形成の新規手法の開発ならびに機能制御を行っています。

Science, 339, 193-196 (2013)
Acs Appl.Mater.Interfaces, 3, 3788-3791 (2011)
J. Am. Chem. Soc., 133, 15506-15513 (2011)
Chem.Mater., 22, 4561-4538 (2010))
Angew.Chem.Int.Ed., 48, 4739-4743 (2009)

化学的手法による新しい薄膜形成技術の開発

 近年、エレクトロニクスデバイス製造における要素技術となったポリイミド樹脂上への微細銅配線の形成プロセスにおいては、次世代LSIおよびプリント配線板(PCB)に要求される配線の微細化および製造工程の簡略化に対応した新しい技術の開発が急務となってきています。このような要求のもと、我々はポリイミド樹脂上への新しい金属薄膜形成プロセスとして、樹脂表面の化学的改質およびイオン吸着を利用したダイレクトメタラリゼーション法を提案しており、薄膜形成過程および金属・樹脂界面の構造制御に関する検討を行っています。 また、有毒添加剤を含まない新規無電解めっきプロセスの開発も企業との共同研究として進めています。特に貴金属ナノ粒子を触媒とした新規無電解めっき浴の開発ならびに光触媒を利用した新しいめっきプロセスの開発を行っており、それぞれの技術を組み合わせることにより次世代エレクトロニクスデバイスに対応したプロセス技術の確立を目指しています。

Langmuir, 27, 11761 (2011)
Langmuir, 26, 12448 (2010)
J. Surf. Finish. Soc. of Japan, 60, 61-62 (2009)
J. Mater. Chem., 18, 5058-5082 (2008)
Langmuir, 23, 11351-11354 (2007)
Adv. Funct. Mater., 17, 889-897 (2007)
Langmuir, 21, 8099-8102 (2005)
J. Am. Chem. Soc., 126, 10822-10823 (2004)

半導体ナノ粒子の表面機能化とその集合体の発光特性制御

 ナノ発光材料として注目されている半導体ナノ粒子を実際のデバイスに応用するには、固体担体(基板やマイクロ粒子など)に固定化する必要があります。固定化手法には、自己組織化、錯形成、静電吸着など多くの例がありますが、本研究では安定性が高く、選択性に優れていると考えられる有機分子間の共有結合形成を利用した固定化を行っています。化学的表面処理によりナノ粒子および担体表面に有機分子を導入し、両者を共有結合形成反応により連結します。この際、反応収率や粒子の固定化密度は、導入した有機分子の立体配置に大きく影響を受けるため、官能基の選択および導入密度の制御が重要になります。本研究では表面官能基密度を制御した半導体ナノ粒子の精密合成を進めており、最近では有機分子との反応により発光波長をコントロール出来ることを見いだしました。また部分的に反応活性な官能基を導入することにより、半導体ナノ粒子が集積した多層膜を調製し、その発光特性を制御することに成功しています。

Phys. Chem. Chem. Phys., 10, 2221-2226 (2008)
Chem. Commun., 1641-1643 (2008)
Small, 2, 1130-1133 (2006)
J. Am. Chem. Soc., 127, 1634-1635 (2005)
Langmuir, 20, 11169-11174 (2004)