研究内容

ICT (Information Communication Technology)は,クラウド技術やSNSなどの発達に伴い,現代社会の生活基盤となっている。その中核的技術が非電離放射線に関する技術である。しかしその非電離放射線は,WHOが発がんリスクを指摘したり,渡り鳥への影響が指摘されたりと,生物学的な安全性が未だに議論されており,科学的な基礎研究が求められている。一方で,非電離放射線の安全利用の観点からは,その基準や評価方法が電波防護指針等で規定され,有効利用の観点からは,周波数の割り当てや出力の規制などが電波法等により規定されており,社会制度としての再整備も求められている。非電離放射線は情報通信機器などへの利用に留まらず、医療機器や自動運転の車など,様々な機械・機器への展開が期待されており,今後もさらに我々の生活に不可欠の存在となっていくと考えられている。その上で,人体への安全性の確認や医療・生体環境分野、ナノバイオ分野など他分野への有効利用促進を図ることは,今後の社会・経済の発展にも資するものであり,なによりも我々の生活をより豊かにしてくれるものと期待される。当研究所は,非電離放射線がもたらす生体環境への影響、効果について,科学的基礎研究を行い,その知見から,応用開発・発明,社会制度の整備や政策提言など,様々なかたちで非電離放射線の安全・有効利用を推進する研究を行っていくことを目的とし,その活動や成果を学部・大学院の学術教育・キャリア教育にも反映させていく。研究成果は,毎年国際誌や学会等で報告するとともに,HP等で一般の方々にも広く周知する。