たまに、外部の大学や研究所の研究者にセミナーをしていただいています。
研究室のイベントもお知らせします。
参加自由ですので、お気軽にいらしてください。
 甲南大学 生物学科全体のイベントのお知らせは生物学科FacebookTwitterをご覧ください。

イベントの予定

  現在、セミナーやイベントの予定はありません。

これまでのイベント

 2019年8月9日(金)15:00~ 水谷健一先生セミナー  甲南大学7号館 SaLaCo-West

 2019年5月14日(火)17:30~ 川瀬成吾先生セミナー  甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム

 2018年10月17日~ 11月18日
   グランフロント大阪北館3階ナレッジキャピタル The Lab.にてアリの巣の展示

  アリの社会を見てみよう!
    キイロシリアゲアリ、ヒメオオズアリ、クロオオアリ、アシナガアリを展示しています。→アリの説明
   ブログで展示の様子を紹介しています→アリ展示についての記事


 2018年11月18日(土)甲南大学キッズフェスティバルにて特別授業

場所:甲南大学岡本キャンパスiCommons
 時間:①10:30~②11:30~ (各回30分)

  チラシのダウンロードはこちら

 2018年8月31日(金)17:00~ 細石真吾先生セミナー  甲南大学13号館103教室

 2018年8月6日(月)15:00~ 新美輝幸先生セミナー 甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム


 2018年5月14日(月)Adam Khalifeによるセミナーと長島聖大氏による標本作成講座の開催


 2018年2月20日(火)佐々木 謙 博士によるセミナー


 2016年12月2日(金)Christian Peeters博士によるセミナー


 2016年3月24日(木)~ 4月5日(火)
   グランフロント大阪北館3階ナレッジキャピタル The Lab.にてアリの巣を展示します。

*チラシでは展示時間は10~21時までとなっていますが、アリの巣の展示は昼から夕方17時くらいまでです。
  運が良ければ、餌をやっているところが見られます。

  アリの社会を見てみよう!
    キイロシリアゲアリ、ヒメオオズアリ、クロオオアリ、ムネアカオオアリを展示する予定です。→アリの説明

       → 展示に向けた活動をブログで紹介しています

       → チラシPDFはコチラ PDFの一番下に掲載されています。


 2016年3月12日(土) 小学生向け科学イベント「ワクワクじっけん広場」で講演します


   特別講演「小さなアリの大きな秘密」

      → 詳しくはこちらをご覧ください。
         応募締め切りは2月29日です。


 2015年12月28日(月) 16時~ 甲南大学13号館103教室


 社会連携型生物多様性モニタリングプロジェクト、「OKEON 美ら森プロジェクト」の立ち上げ

吉村 正志 氏

( 沖縄科学技術大学院大学 生物多様性・複雑性研究ユニットスタッフサイエンティストOKEON美ら森プロジェクトコーディネーター)

 

昆虫などの野外サンプリングを伴う、生物多様性モニタリングプロジェクトを立ち上げる場合、その規模に応じたサンプリングや標本処理システム、標本管理システム、そして場合によっては成果発信計画などの、総合的な設計が必要になる。講演者は現在、沖縄県本島を調査対象地域にした生物多様性モニタリングプロジェクト、「OKEON 美ら森プロジェクト」のコーディネータとしてその立ち上げに携わっている。このプロジェクトは、おそらく国内における、昆虫を対象にした最大規模の生物多様性プロジェクトのひとつとなるだろう。本セミナーでは、このモニタリングプロジェクトの立ち上げにおけるこれまでの成果を紹介したい。本プロジェクトの計画と遂行にあたっては、これまで講演者が関わってきた、マダガスカル島における大規模な生物多様性プロジェクトでの研究経験が役に立つ。この経験を活かしつつ、如何にこれを、独自の文化や習慣をもち、そして特有の問題を抱える沖縄という地域に馴染むものにするのか。沖縄社会との関わり抜きには、プロジェクトは完結しない。琉球列島の生物多様性保全は、日本全体の生物多様性保全のための重要な要素であるものの、その中心となる沖縄本島は大都市を抱え、地元社会の合意形成が実現への不可欠な要素だからである。

 


 2015年5月29日(金) 17時~ 甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム


 インドネシア・スラウェシ島に生息するキノコを食べる甲虫、デオキノコムシ類の生物起源

小川 遼

( 神戸大学大学院農学研究科 昆虫多様性生態学研究室 学振PD )

 

インドネシア・スラウェシ島は、ウォーレシアと呼ばれる東洋区からオーストラリア区への生物地理区移行帯の中心にあり、3つの大陸プレートの衝突によって形成されている。そのため、スラウェシ島は島内に複数の生物地理学的起源の要素を有しており、生物相の成り立ちを研究する上で非常に興味深い島として知られてきた。 デオキノコムシ類は、多くの種が腐食性であるハネカクシ科の中にあって、菌類を利用することに特化した一群である。そのため、多くが森林の菌類上で得られ、その種多様性は高い。また、菌類の育まれる森林環境との関連性が強いことから、大陸の移動に伴う分散を議論する上で重要な一群であると考えられる。本講演では、スラウェシ島におけるデオキノコムシ類の分類学的現状と生物地理学的起源を紹介する。


 


 2015年3月20日(金) 15時~ 甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム


グーデア科胎生魚Xenotoca eiseniの胎仔が持つ『へその緒ではない』構造物の話

飯田 敦夫

( 京都大学再生医科学研究所 再生増殖制御学分野 助教 )

 

脊椎動物の繁殖様式は「哺乳類は胎生、それ以外は卵生」と大まかに認識されていて、それは概ね間違いではありません。しかし何事にも例外はあります。哺乳類であるはずのカモノハシは卵を産みますし、魚類や爬虫類にも次世代を赤ちゃんで出産する種が少なからず存在します。 私は、メキシコ原産のグーデア科胎生魚という、言わば“例外的な魚”を研究材料としています。グーデア科の一種であるXenotoca eiseniの雌は、交尾により体内受精して妊娠します。お腹の中の胎仔は、腹部からリボン状の構造物を伸ばして、母親由来の栄養分を吸収します。そう、へその緒に似ています。でも、へその緒ではありません。

 


 2015年2月27日(金) 17時~ 甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム


 シジミチョウとアリの共生:アリの行動を巧みに操るシジミチョウ

北條 賢

( 神戸大学大学院 理学研究科 特命助教 )

 

シジミチョウの多くは幼虫期にアリと共生することが知られています。シジミチョウはアリに蜜を提供することでアリを随伴させ、外敵から身を守ります。またシジミチョウがアリの巣内に侵入し、アリから餌をもらうなどの世話を受ける種もいます。一方、高度に組織化された社会を形成するアリは、化学物質を介した仲間とのコミュニケーションが発達しており、通常他の生物に対しては排他的に振舞います。そのためシジミチョウの幼虫は好蟻性器官と呼ばれる特殊な外分泌腺から化学物質を放出することで、アリとの共生関係を築くことに成功していると考えられます。本講演ではシジミチョウとアリの共生において、シジミチョウの分泌物が持つ機能やその進化について、これまでの研究から得られた知見を紹介します。

 

 


ショウジョウバエ中枢神経系における長鎖noncoding RNAの生理的役割

稲垣 幸 氏

(神戸大学大学院 自然科学系先端融合研究環・遺伝子実験センター 博士研究員)

 

近年の研究により、真核生物には多数の長鎖 noncoding RNA(lncRNA)が存在していることが明らかとなり、遺伝子量補償や発生分化あるいはがん形成などの様々な生命現象にlncRNAが重要な役割を果たしていることが報告されつつある。しかしながら、行動や記憶・細胞分化といった高次生命現象にnoncoding RNAがどのように関与しているは明らかでない。我々は、これまでにショウジョウバエにおける lncRNA の同定および解析を行ってきたが、本セミナーではこれらのうちの一つ、中枢神経系において発現しているlobe-less RNAについて、エピジェネティックな遺伝子発現制御を介して、キノコ体神経細胞の軸索走行を制御していることを明らかにした。中枢神経系の神経回路形成におけるlncRNAの機能とその作用メカニズムについて議論したい。

 


 2015年1月15日(木) 13時~ 甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム


生きものの巧みな生存戦略〜厳しい環境でも生き残る〜

ミジンコにおける捕食者に誘導される防御形態:その発生メカニズムと進化

宮川 一志

( 基礎生物学研究所 NIBBリサーチフェロー )

 

ミジンコ Daphnia pulexは胚発生期に捕食者であるフサカ幼生の放出する匂い物質を感受すると発生運命を可塑的に変化させ、後頭部にネックティースと呼ばれるトゲ状の防御形態を形成する。ネックティースを生じた個体は通常の個体と比べて被食を回避しやすいため、捕食者の存在下では適応的である。したがって、この防御形態を形成する能力はミジンコが繁栄する上で非常に大きな役割を担ってきたと考えられている。本発表ではこのミジンコの防御形態形成について、その発生メカニズムを中心にこれまで明らかにされてきたことを紹介するとともに、生物がどのようにして環境適応能力を獲得してきたかその進化的背景についても議論したい。

 

 

近親交配のリスクを回避する特殊な繁殖様式を進化させた無敵なアリたち

宮川(岡本) 美里 氏

(沖縄科学技術大学院大学 ポストドクトラルスカラー )


アリは世界中に生息地を拡大することに成功しているが、彼らの繁殖様式には侵入成功を阻む弱点が存在する。個体群サイズの小さい侵入初期は近親交配が生じ、次世代の半分で、性決定遺伝子座がホモ型になる「不妊の雄」が生じる。新たな生息域の定着には、独立な系統からの侵入が複数回必要となる。近年、たった1個体の女王の侵入によって新たな生息域の拡大に成功している例が確認された。これらの種では、1)雌雄間の遺伝子交流を絶ち、2)性決定遺伝子座を複数の染色体に分散させることで、近親交配とそのコストを従来の半分に抑える戦略が進化している。今後、侵略的外来アリの繁殖戦略を理解する上で非常に重要な知見になると考えられる。

 

 

 

アフリカ・カラハリ砂漠に自生する野生種スイカ ~乾燥強光を生き抜く分子生理メカニズムを探る~

明石 欣也 氏

(鳥取大学農学部生物資源環境学科 准教授)


植物の生産性は、乾燥ストレスなどの悪環境条件により著しく制限される。一方、地球上には、過酷な乾燥と強光ストレスに対して極度の耐性をもつ野生植物が存在する。アフリカのカラハリ砂漠はスイカの起源地と考えられており、サン族(ブッシュマン)はスイカを「砂漠の水がめ」と呼び、生活用水として利用してきた。最近の研究から、ストレスに応答して抗酸化性の高いアミノ酸であるシトルリンを葉に蓄積する仕組みや、転写調節因子による根の旺盛な生長促進のメカニズムなどが明らかになりつつある。本講演では、砂漠を生き抜くスイカの分子生理メカニズムの解明に向けた研究と、そのメカニズムを利用する試みについて紹介したい。

 


 2014年12月22日(金) 17時~ 甲南大学14号館地下1階多目的レクチャールーム


 クモに宿る寄生バチの不思議な生態~クモヒメバチによるクモへの産卵行動とクモの行動操作~

高須賀 圭三氏

( 神戸大学大学院農学研究科 昆虫多様性生態学研究室 学振PD )

 

 昆虫には、他の生物に卵を産みつけ、孵った幼虫がその生物を食べて育つ寄生バチというハチがいる。その寄生対象は昆虫類を中心として実に多様だが、クモに寄生するハチがわずかに知られる。このハチは、幼虫がクモを生かしたまま体の外側に貼りつき、外部から徐々に体液を奪う。幼虫はクモの脚の届かない場所についているため外されることはない。幼虫は最後にはクモを殺して網の中で蛹化する。
 本講演では、このハチの進化の賜物といえる二つの興味深い生態を紹介する。それは、産卵のためにメスバチが網に守られたクモを麻酔する産卵行動と、クモによる網のメンテナンスがなくなる蛹期に幼虫が網の強度を上げるようクモの造網行動を改変する行動操作である。