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Nicotine

タバコや農薬の成分として知られているニコチン。禁煙補助剤などの開発にともなって、その分析法の研究が改めて注目されています。ニコチンを選択的に吸着するプラスチックを作製し、環境中や農作物中のニコチンを濃縮して分析を容易にする技術を開発しています。

Rosmarinic Acid

ローズマリーやレモンバームなどのハーブに含まれている抗酸化成分ロスマリン酸を認識して選択的に結合するプラスチックを設計・合成することに成功しています。さらに、このプラスチックを使ってハーブの成分から抗酸化成分だけを単離できる技術の開発を目指します。

Porphyrins

活性中心としてヘモグロビン中に存在し、酸素と結びついて運搬する役割を担っているポルフィリン。その性質に着目して、プラスチック内に特定の位置関係で配置することで、複数の酸素原子をもつポルフェノール化合物を認識する材料を設計・合成しています。

Fluorous interaction

”水”とも”油”とも馴染まないフッ素化合物は排他的にフッ素化合物同士で集まる性質をもっています(フルオラス相互作用)。この性質を利用して、フルオラス相互作用で架橋されたハイドロゲルの作製や、フッ化炭素鎖を認識する機能性材料の合成などを行なっています。

Nanocomposite

神経伝達物質アドレナリンを認識して膨潤するハイドロゲルの中に金ナノ粒子が固定化された、ナノコンポジット材料の合成を行っています。このハイドロゲルは、アドレナリンと出会うことで膨潤し、その結果、金ナノ粒子間の距離が増大して変色するので、目視でアドレナリンを検出することが可能です。

Peptide

酵素や抗体などのタンパク質が基質や抗原を認識できるのは、ペプチド鎖が決まった形に折りたたまれ、官能基が決まった位置・向きに配置されるからです。そこで、人工のペプチド鎖を特定の立体構造を取らせたままゲル内に固定化する方法で、ペプチドの機能化を行っています。

Bio-mimetic Sensor

酵素や抗体がもつ分子認識能は、特定の化学種に対して選択性をもつセンサーに応用されており、医療診断をはじめさまざまな分野で欠かせない技術となっています。機能性高分子研究室ではさまざまな化学種を対象とした分子認識高分子材料、すなわち人工抗体・人工酵素を作製し、そのセンサーへの応用を行っています。

Molecular Imprinting

すべての研究テーマのベースになっているのが「モレキュラーインプリンティング」という概念です。これは、網目状高分子を合成する際に、モノマーと相互作用する化学種を”テンプレート”として加えておくことで、高分子内のモノマーの配置を制御しよう、という考え方です。詳しくはConceptのページをご覧ください。

Monomer Selection

モレキュラーインプリンティングではテンプレートと相互作用するモノマーを適切に選択したり設計・調製したりすることが重要です。当研究室では、メタクリル酸系のモノマーに関して、カルボキシ基の数や酸性度、ビニル基の反応性などの違いに着目し、目的の化学種をより正確に認識する高分子の設計・合成を行っています。

SPR Sensor

センサー基板表面の誘電率の変化を鋭敏に検知することができる表面プラズモン共鳴測定装置。しかし、有機溶媒中での計測は、「基板表面の有機溶媒分子が測定対象の有機化合物に置き換わっても大きな誘電率変化を伴わない」ことから、感度良く測定することが困難でした。当研究室では、基板表面にナノコンポジットを被覆することによって、測定対象の結合を「金ナノ粒子と金基板の距離の変化」という情報に変えることによって、高感度検出を可能にしました。
 

Polymeric Logic Gate

モレキュラーインプリンティング法は、人工的に特定の分子を認識する高分子材料を合成する方法ですが、重合系中に加えるテンプレートやモノマーを工夫すれば、複数の化学種に対して「論理的」な結合挙動を示すよう設計することが可能です。当研究室では、化学種AとBが共存する時のみ結合が起こる「AND」型、および、どちらか一方だけでも結合が起こる「OR」型の分子認識高分子の合成を行っています。
 

Artificial Enzyme

モレキュラーインプリンティング法によって、特定の化合物を認識するための官能基だけでなく、その化合物と反応したり、反応を促進したりするような官能基を、高分子内の特定の位置に配置することによって、分子認識能と触媒能を併せもつ高分子材料、すなわち人工酵素高分子を合成することが可能です。