歴らぼ通信08号発刊!

歴らぼ通信08号を、2017年6月1日付けで発刊しました。編集は、水田佳奈(歴らぼ編集部代表・3回生)、八木はるか(3回生)、村尾聖華(3回生)、立川亮太(3回生)、武田卓司(2回生)、鳴海邦匡が担当しました。本HPからもダウンロードできますので、みなさま是非ご覧下さい。(鳴海邦匡)

歴らぼ通信08

2017年度 歴文新歓遠足@みんぱく

歴史文化学科では、3年前から年度始めに1回生を対象とした新歓遠足が行われており、今年も2017年4月15日(土)に吹田市の大阪万博公園にある国立民族学博物館に行きました。

今回は、過去の展示見学とプレゼンではなく、展示の見学後、サポーターの2・3回生が事前に作成したクイズを、1回生に答えてもらうという方式で進行しました。はじめての試みであったのに加え、当日が雨で予定を変更したこともあり、一抹の不安を抱えての新歓でしたが、思った以上にクイズの評判もよく、1回生のノリの良さもあって、ともて盛り上がったようで安心しました。この遠足で、1回生同士がお互いの親交を深め、これからの交流に繋がれば幸いです。(2回生・長田拓也)

2016年度卒業論文・井上美咲(佐藤公ゼミ):「中世ヨーロッパの結婚と恋愛」

私は「中世ヨーロッパの結婚と恋愛」という題で卒業論文を書きました。研究の出発点は、政略結婚等ではなく、現在主流である恋愛結婚がいつから存在しているのかという疑問を抱いたことです。そこから、中世当時の結婚と恋愛の関係を比較検討し、二者間の融合の可能性を考察しました。身近に存在するものの根源にアプローチする作業は想像以上に大変でしたが、同時に楽しく、やりがいのあるものでした。また結婚や恋愛を介して今と異なる時代を見ることで、改めて歴史というものの奥深さを実感できたように思います。

アキテーヌ公アリエノール(生没1122-1204年)※卒業論文に用いた離婚例に登場する人物

出典:ブログ「pourquoi pourquoi」より(http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-07-04-1)

 

2016年度卒業論文・小花海月(髙田ゼミ):神戸居留地の歴史的変遷ー貿易の拡大とオリエンタルホテルの機能変化を中心にー

私の卒業論文は、神戸居留地の歴史に関するものです。本稿での課題は2つあり、第1に神戸居留地がその周辺の人々に対してどのような役割を持っていたか。第2に長期間、居留地内にあり続けたオリエンタルホテルの機能、なぜ存続したかです。第1の課題に対しては、神戸港で行われた貿易などを参考にして考察し、第2の課題に対しては、ホテル経営者の経営理念などを参考にしました。結論として言えることは、文化面で受動、浸透、発信の流れがあると言うことです。つまり神戸に西洋文化が根付いたのは、居留地が存在したからこそ、またそれが神戸独自の文化となり、発信されていきました。

J.W.ハート「神戸外国人居留地計画図写」(出典:田井玲子(2013)『外国人居留地と神戸―神戸開港150周年によせて』神戸新聞総合出版センター、36頁)

2016年度卒業論文・中作莉乃(出口ゼミ):地域社会の講集団に関する一考案-兵庫県加古郡播磨町古田の大歳講を事例に-

「講」とは、平安初期に起こった「法華八講」に始まるとされている。僧衆が仏典を講読・研究する集団であったが中期以降、追悼供養の信仰の広まりや神仏習合の流行などから多種多様な講集団が誕生した。現在でもお伊勢参りや富士講等、全国的に様々な講集団の活動が確認できるが、戦後その数の減少は著しい。

本稿では、私の住む播磨町古田に今なお現存する複数の講集団を調査し、文書をひもとき、聞き書きをしながら、その歴史や活動実態から現存する理由を探った。また、地域社会における講集団の役割と価値の変化、今後の在り方について大歳講を中心に考察した。

大歳天保古文書

写真:大歳講文書「葵天保十四年 大歳神頭人順番帳 卯正月吉良日」

2016年度卒業論文・ 保倉弘徳(出口ゼミ):多死・人口減少社会に直面する寺院ー新潟県上越市稱名寺を例に挙げてー

「住職兼務・不在1万2000寺 過疎後継者不足で10年間で434寺消滅」
朝日新聞に掲載されたこの記事を目にし、将来、実家の寺院を継ぐ立場にある私は大きな不安に駆られた。卒業論文のテーマが決まった瞬間である。フィールドワークを重ね、そこで得られた生きた情報をもとに、近世文書をも読み解きながら人口減少の進む地域で寺はいかに住民とともに生きるのかを考えた。民俗学、地理学、 歴史学を横断する内容の濃い卒業論文に仕上がった。

写真:出口ゼミで共に学び、互いに高め合った仲間との一枚

エリアスタディーズⅧでタイ・チェンマイへ

私は、2017年2月21日から27日の1週間、「エリアスタディーズⅧ」として、タイ・チェンマイに中辻先生の引率のもと行きました。事前学習でタイの山地民や食文化を学び、いざ乾季のタイへ。タイでは、チェンマイ大学の大学生との交流や日タイ合弁企業・NGO施設の訪問、寺院の見学を行いました。また、ナイトマーケットで土産物を購入したり、日本では馴染みのない果物や食べ物に挑戦したり、ゾウに乗ったりと、とても盛りだくさんの体験でした。タイは、若いうちに行け の言葉の通り、大学生の時だからこその素晴らしい経験になりました!(2回生・野尻あかり)

卒らぼ:歴史文化学科の卒論発表会

2017年2月24日、4回生による卒論発表会が昨年度に引き続き行われました。今回は、1、2回生の参加も増え、昨年に比べて活気が増しました。卒業論文とはどんなものなのかというだけでなく、先輩方が大学生活の中で何を思い、考えて過ごしていたのかが垣間見えるとても有意義な会でした。ビデオでの教授と先輩の対談では普段は聞けないような、卒論や口頭試問の裏側も聞くことができ、より一層卒論への意識が高まった時間となりました。(3回生・椿野佑太)

歴かふぇ03:齋籐茂雄先生

2016年12月22日、歴かふぇ03を開催しました。今回は、アジア史概説Ⅰ等の講義を担当される齋籐茂雄先生にお越し頂きました。いつも、歴かふぇでは参加者がお茶とお菓子を愉しみながらお話をうかがうのですが、先生の計らいで今回は対話形式となりました。先生の専門分野である遊牧民についてリアルな画像と共に説明して頂いた後、参加者からの質問タイムが繰り広げられ、とても充実した時間を過ごせました。これからも歴かふぇでは、様々な先生方をお招きし、いつもの講義とは違う形でお話を伺いたいと考えています。(2回生・村尾聖華)

歴かふぇ02:山本一先生

2016年12月13日、山本一先生(「技術と文化」担当、大阪大学)をお招きし、「清朝の官僚制度とその実態」というテーマで、第2回歴かふぇを開催しました。山本先生は現在、近世中国の官僚名簿について研究されており、その研究に関する貴重なお話を聞かせていただきました。また最後には、参加者からの質問にお答えいただいたりと、お昼休みという短い時間ではありましたが、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。(2回生・八木はるか)