2017年度卒業論文・椿野佑太(鳴海ゼミ):指図論-篠山藩青山家文書と大坂諸繪圖の事例を中心に-

私は、篠山藩青山家文書の古地図や「大坂諸繪圖」を主な素材に、指図の定義やその有用性を検討しました。これまで指図は主に建築学の枠組の中で個別に研究されてきました。しかし、歴史学や人文地理学の分野での議論は乏しく、地図として体系的にまとめられていません。そこで卒論では、各時代を通して指図がどのように定義されてきたかを明らかにし、また、指図の活用例として、武家社会における儀礼空間の理解の一助として検討しました。卒論では、指図の役割を人・物の移動の視覚化と結論付けましたが、それは役割の一部にすぎません。このテーマに取り組んだ理由のひとつは、扱った「篠山藩青山家文書」「大坂諸繪圖」への関心が少しでも高まればと願ってのことでした。指図を含む資料の研究発展の一助となればと思います。

 

図 「多田院繪圖」(篠山市教育委員会所蔵「篠山藩青山家文書」より)