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甲南大学人間科学研究所は、理論的に把握し能動的に関わる臨床の学と人文科学諸分野が連携して、現代人の心の危機に迫ります。

甲南大学人間科学研究所

叢書

第15巻 森 茂起編 『自伝的記憶と心理療法』

「記憶」をいかに扱うのか?

人生の過去の出来事に関する「記憶」、それは苦しみももたらすが
  また喜びの源泉でもある。この「記憶」を心理療法のなかで
    いかに扱うべきかを多角的に問う、画期的な試み。

心理学・精神医学  定価:本体2800円[税別]  平凡社

3月13日刊行予定

◎目次

はじめに  森 茂起

第1部  自伝的記憶の語り
◆ 自伝的記憶の整理としての心理療法 ――トラウマ性記憶の扱いをめぐって   森 茂起
◆ 精神分析臨床と自伝的記憶の扱い ――現代自己心理学のシステム理論から   富樫公一
◆ 人生のナラティブと心理療法   森岡正芳

第2部  生涯発達からみた自伝的記憶
◆ 発達障害におけるタイムスリップ現象   杉山登志郎
◆ 青年期臨床からみた子ども時代の記憶 ――自我体験の想起と語りの意義   高石恭子
◆ 発達障害のある子どもをもつ親の自伝的記憶 ――その経験の意味の再構成   山根隆宏

第3部  自伝的記憶のアクセス
◆ アタッチメントの記憶と臨床 ――AAIにおける記憶へのアクセス   北川 恵
◆ 身体志向のトラウマケアにおける自伝的記憶の「非」重要性   福井義一
◆ トラウマの記憶想起に焦点をあてた心理教育プログラム
       ――「思い出すこと」がもたらす弊害を乗り越えるために   大澤香織

あとがき   森 茂起

註)お詫びと訂正
232頁「執筆者紹介」におきまして、大澤香織先生の共著の著作物として記載されております『わかりやすい MMPI活用ハンドブック ――施行から臨床応用まで』は、福井義一先生の共著の著作物でございました。ここにお詫びし、訂正させていただきます。
『自伝的記憶と心理療法』(平凡社)に関するお詫びと訂正(平凡社HP)


第14巻 川田都樹子・西欣也編『アートセラピー再考――芸術学と臨床の現場から』

「芸術」なのか、「治療」なのか。

アートセラピーの歴史的考察や理論的検証のみならず、
インタビューや多くの芸術作品を取り上げながら、
「美」と「病」の関係を解き明かす意欲作。

心理学・芸術  定価:本体2800円[税別]  平凡社

3月13日刊行

◎目次

はじめに   川田都樹子

第1部  近代日本のアートとセラピー
◆ 高村智恵子の表現 ――芸術の境界線   木股知史
◆ 「治す」という概念の考古学 ――近代日本の精神医学   三脇康生
◆ アウトサイダー・アート前史における創作と治癒   服部 正
◆ 日本における芸術療法前史   安齊順子

第2部  アートにセラピーを見る
◆ ジャクソン・ポロックとジョセフ・ヘンダーソン
          ――〈精神分析ドローイング〉をめぐる諸問題   川田都樹子
◆ アメリカ音楽療法の萌芽
          ――「傾聴する音楽」から「機能化する音楽」への転換  高岡智子
◆ セラピストとしての芸術家 ――リジア・クラークと移行対象   石谷治寛

第3部  セラピーにアートを見る
◆ アートセラピーにおけるアート活動の特性について   内藤あかね
◆ アートセラピーにおける素材への反応とその理解   市来百合子
◆ 筆跡が世界を開く ――認知症から幼児への遡行   今井真理/斧谷彌守一

第4部  現代社会のアートとセラピー
◆ 日常に寄り添うアートセラピー
        ――子育て支援としての活動事例にアートセラピーの発展形を見る   石原みどり
◆ セラピーの時代 ――モラルとセンスの交錯について   西 欣也

あとがき   西 欣也

芸術学と芸術療法年表

 


第13巻 高石恭子編『子別れのための子育て』

子どもと離れてみて、わかること。

親と子がそれぞれ自立し、豊かに生きられるような子育てとは?

母子密着の弊害が指摘される今日において、社会のしくみや子育て意識の

問題を検討し、(分離〉という視点から子育てを考える。

 

◎目次

はじめに 高石恭子

序―子育てをめぐる意識の現状と課題 高石恭子

第1部 子育てにおける愛着と分離

親と子の分離を阻むもの 高石恭子

発達行動学からみた子別れ 根ヶ山光一

健全な分離を可能にするアタッチメントとは 北川 恵

第2部 子別れに果たす父親の可能性

今日の父親の子育てをめぐる意識 新道賢一/濱田智崇/川口彰範

「ワーク・ライフ・バランス」を超えて―仕事と生活の統合モデルからみる子育ての課題と戦略 中里英樹

思想としての子別れ―<父><母>イメージと戦後日本の文化意識 西 欣也

第3部 子別れ支援の臨床

社会的ひきこもりにみる親と子の関係 安住伸子

障害を抱えた親と子にとっての分離―心理療法過程に見出される「閉ざされたもの」へのアプローチ 穂苅千恵

関係を支える―「子別れ」を支える心理臨床援助 藤原雪絵

あとがき 高石恭子

執筆者略歴

平凡社 (2012年3月)/A5判上製329頁/2,940円(税込)
ISBN-10: 4582731074
ISBN-13: 978-4-58-273107-1


第12巻 森茂起・港道隆編『〈戦争の子ども〉を考える―体験の記録と理解の試み』

戦争下の子どもの心とは?

子ども時代の戦争体験についての聞き取りや、子どもの心に

与えた「トラウマ」、さらに疎開や被害体験の調査によって、

子どもの戦争体験を多角的にとらえ、その実相に迫る試み。

 

◎目次

はじめに 森 茂起/港道 隆

第1部 子ども時代の戦争体験の記録と理解

序論-「戦争の子ども」研究の意義 森 茂起

関西地域における「戦争の子ども」 藤原雪絵

「戦争の子ども」における心理学的研究と歴史学的研究の相補性 人見佐知子

疎開体験の調査-精道国民学校の場合 東谷 智

第2部 「戦争を生きた子どもたち」-シンポジウム記録より

シンポジウム趣旨 森 茂起

戦争の子ども時代を思い出すドイツ人 ミヒャエル・エルマン

日本における子どもの戦争体験-関西地域における調査から 森 茂起

語りうる戦争体験、語りえない戦争体験 田中禎昭

戦争を生きている子どもたち-祖父の戦場 大森淳郎

全体討論 森 茂起/ミヒャエル・エルマン/田中禎昭/大森淳郎

第3部 〈加害-被害〉関係と和解、そして赦し

戦争体験にみる「被害」と「加害」 森 茂起/人見佐知子/ミヒャエル・エルマン

喪、赦し、祈り-数ある例のひとつではない 港道 隆

あとがき 港道 隆

執筆者略歴

平凡社 (2012年3月)/A5判上製329頁/2,940円(税込)
ISBN-10: 4582731066
ISBN-13: 978-4-58-273106-4


第11巻 上村くにこ編 『暴力の発生と連鎖』

暴力は複雑で定義しがたいエネルギーである。本書では、犯罪・非行臨床から見た暴力、DV加害者への取り組み、ジェンダーと暴力の問題、暴力神 の系譜など、心理学・神話研究・哲学・表象研究などの専門を異にする論者が、それぞれの立場から現代の暴力の発生と連鎖について考え、それを直視する。ま た、DVから戦争まで、現代の社会が抱える暴力の問題を、性的差異という論点から眺めなおし、差異から共生への積極的回路をさぐる試みでもある。

 目 次

第一部 暴力の臨床
犯罪・非行臨床から見た「暴力」 (藤岡淳子)
男性がこころに抱えるものをどう扱うか (濱田智崇)
DV加害者への取り組み――「メンズサポートルーム」に関わって (千葉征慶)

第二部 暴力の構造論
優しいままの暴力 (森達也)
米国プロパガンダ・ポスターに見るナショナリズムとジェンダー (北原恵)
残虐性に彼方は? (港道隆)

第三部 暴力の神話学
暴力神の系譜 (篠田知和基)
ヘシオドスに現在を読む――暴力・争い・正義・ジェンダー (饗庭千代子)
ギリシア悲劇における暴力と女性なるもの (上村くにこ)

人文書院 (2008年2月)/A5判上製270頁/2,625円(税込)
ISBN-10: 4409340387
ISBN-13: 978-4-40-934038-7


第10巻 横山博編 『心理療法と超越性―神話的時間と宗教性をめぐって』

心理療法の過程で働く治療者とクライエントの二者関係を超越した力。昨今のどこか胡散臭いス ピリチュアル・ブームに対して、本書では「神話的時間」「宗教性」をキーワードに、心理臨床、臨床哲学、神話学、宗教学の観点から「超越性」の問題を、心 理療法のなかでしっかりと位置づける。困難な時代状況を見つめ、EBM(実証的証拠に基づいた医療)に傾きつつある精神医療や心理臨床に警鐘を鳴らし一石 を投ずる書。

 目 次

差異としての超越(木村敏)
開けとしての変性意識状態(垂谷茂弘)
狂気と癒し――ディオニュソス神話とネルヴァルのばあい(篠田知和基)
神話的時間と超越体験(鎌田東二)
心理療法と超越性の弁証法(河合俊雄)
こちら側とあちら側のとけあう場所へ――心理療法と大島弓子の超越性(明石加代)
魂と時間――無意識の無時間性をめぐって(名取琢自)
境界性人格障害夕子の心理療法過程における超越性――超越性か諦念か(横山博)

甲南大学人間科学研究所 第8回公開シンポジウム
心理療法と超越性――神話的時間と宗教性をめぐって パネルディスカッション

人文書院 (2008年2月)/A5判上製224頁/2,625円(税込)
ISBN-10: 4409340379
ISBN-13: 978-4-40-934037-0


第9巻 川田都樹子編 『「いま」を読む―消費至上主義の帰趨』

戦後日本の学歴社会、効率主義は結局私たちになにをもたらしたのか。消費文化とは、必ずしも豊かさ、幸福感だけに結びつくものではな
く、消尽や破壊の欲望とも結びついたものである。
いま、私たちはこうして消費活動の中にただとりこまれていくしかないのだろうか。こうした消費プロセスに対して、芸術をはじめとする「創造」活動のなかに抵抗線を探ることは可能であろうか?
気鋭の美学研究者、建築評論家、心理療法家、精神科医などが領域をこえて自由に論じ合う。

 目 次

第一部 見すえる
消費とカタストロフィ (飯島洋一)
市場競争原理と臨床心理学(大森与利子)
タナトスの股昿:現代日本における超自我のはたらきについて(西欣也)

第二部 生きる
アーティスト・イン・レジデンスが示すもの――資本中心主義とアート (笹岡敬)
青年支援のベースステーション――「自己/他者」「決定」「責任」をキーワードに(田中俊英)
統合失調症の人のささやかな消費(山口直彦)
応用芸術学としての美術企画――「岐阜おおがきビエンナーレ2006」を回顧して(吉岡洋)

第三部 たどる
「ポップ」で「キッチュ」で「クール」なアート? ――消費文化とアートの一つのエピソードとして
(川田都樹子)
ブランディング戦略とアイデンティティ――グローバリゼーションが日本にもたらしたもの
(谷本尚子)
子どもの世話と生業・生活(いのちき)での夫婦役割のステレオタイプと交換
――戦前・戦後炭鉱労働者を例に(羽下大信)
トラウマと「いま」:賠償と秘密の行くへ(森茂起)

人文書院 (2007年2月)/A5判上製288頁/2,625円(税込)
ISBN-10: 4409340336
ISBN-13: 978-4-40-934033-2


第8巻 高石恭子編 『育てることの困難』

今日の私たちの「育てること」をめぐる環境は、ますます困難なものになってきている。とりにくい育児休業、残業で疲れた夫、孤立する母親、虐待。育てた子どもがひきこもったら? 親を手にかけるような子どもになってしまったら? 子育てをめぐる不安はあとを絶たない。  本書では「育てること」を、乳幼児の子育てに限らず、子どもを巣立つまでの親と子の営み、ないしは世代の引継ぎという幅広い意味でとらえ、臨床心理学、精神分析学、教育学、社会学など領域をこえて幅広い視点から論じる。

 目 次

結婚出産経験の多様化と子育て期の働き方:求められる子育ての可視化(中里英樹)
わが国における公共性の実現と男性の育児参加問題(汐見稔幸)
子を人として尊んで育てる(武田信子)
教育現場に見る「育てる」ことの困難(古屋敬子)
子育て世代を支える言葉――「子育ては難しい」という意識の発生をめぐって(穂苅千恵)
「若者」を育てることの困難(斎藤環)
内向きの若者たちへ――産み育てる人になることの困難(内藤あかね)
現代女性の母性観と子育て意識の二重性(高石恭子)

第6回公開シンポジウム・パネルディスカッション

人文書院 (2007年3月)/A5判上製220頁/2,625円(税込)
ISBN-10: 4409340328
ISBN-13:978-4-409-34032-5


第7巻 港道隆編 『心と身体の世界化』

人、金、物、情報、医療等、国家の境界を超えるグローバリゼーション。
私たちはそれをどう判断し、何ができるのか。
本書は、現代社会を規定している[オルター・]グローバリゼーションの動きを、思想・心理・文学等、文化のレヴェルから敢えて問い直し、現状とは別の可能性を求める試みである。

 目 次

もうひとつの世界はほんとうに可能なのか?
―オルター・グローバリゼーション運動の現在(コリン・コバヤシ)
ウィリアム・バロウズは地域通貨の夢を見るか?
―紙幣に見るアメリカのグローバリゼーションとオルタナティブ(秋元孝文)
四足の時代に戻る人間
―「シッステム」を解読する試み(田口哲也)
グローバリズムとアメリカの精神分析(川畑直人)
抽象への逃走
―脱規範的思想傾向のメタクリティーク(西欣也)
「書くこと」へ(石原みどり)
「主人」と「奴隷」の解放
―グローバリゼーションの弁証法(増田一夫)
肯定と抵抗――序説(港道隆)

甲南大学人間科学研究所 特別企画研究会
『デリダ、異境から』(D’ailleurs,Derrida) 上映会&トーク

人文書院 (2006年2月)/A5判上製220頁/2,625円(税込)
ISBN-10: 440934031X
ISBN-13:4-409-34031-X


第6巻 斧谷彌守一編 『花の命・人の命―土と空が育む―』

花は日本人の感性・美意識の中心を占めるテーマとして、古来さまざまに歌われ、描かれ、演じられ、論じられ、あるいは装飾品として用いられてき た。はかないこと、美しく散ることをよしとする「散華の美学」もそのような中で培われてきた。現代人も、花を題材にした東洋画や和歌を「穏やかで美しいも の」「衛生無害な微温的なもの」として受け止め、あるいは花を「うつくしく」「かわいい」装飾品と捉える傾向がある。しかし、それだけが花のすべてではな い。滅んでは次世代を産み出す生殖器官である花には、その美しさに生々しい生と死が宿っている。植物と人間は、同じ「生命」として交感し合うことができる のではないか。  本書は、「現代日本の感性のあり方」をめぐって、「花の命」の生々しさと「人の命」の生々しさとの関係性を基軸に、美学、文学、生物学、園芸療法、臨床 心理、精神医学など幅広い分野から考えていくものである。

 目 次

第一部 「花」の来歴
梶井基次郎「桜の樹の下には」について──コノハナノサクヤビメとのかかわりをめぐって(金関猛)
沖縄人(ウチナンチュ)の心──テダが花(高阪薫)

第二部 「花」そのもの
花々の命の営み(田中修)
花がこころを開く──環境療法(Milieu Therapy)と園芸療法(Plants Assisted Therapy)(浅野房世)

第三部 重畳する「花」
舛次崇と植木鉢の花──アウトサイダー・アートに花を探す(服部正)
複式夢幻能における〈花〉(川戸圓)
花のコスモロジー(加藤清)

第四部 「言」の「花」
花が花開く・言葉が花開く──「たま」をめぐる式子内親王/東直子の歌(斧谷彌守一)
「理性」という徒花?──人間の危うさ(岩城見一)

甲南大学人間科学研究所 第6回公開シンポジウム 記録
「花の命・人の命──震災10周年を記念して生命(いのち)を考える」パネルディスカッション

人文書院 (2006年2月)/A5判上製242頁/2625円(税込)
ISBN-10:4409340301
ISBN-13: 978-4-40-934030-1