國民をして法を知らしむるは立憲政治の眞髄なり

創立者 平生釟三郎の理念と甲南大学法科大学院

この言葉は、甲南学園の創立者である平生釟三郎が『拾芳』第八号(大正十五(一九二六)年八月一日)に寄稿した論説のタイトルです。
『論語』には「民はこれに由らしむべし、これを知らしむべからず」との儒教的政治観が示されていますが、平生はこれに対して大正時代の新しい社会のありかたを踏まえて、法律のあるべき姿を示そうとしました。そこで、大正期末の下、難解な表現の多い当時のわが国の法の有り様を批判し、立憲政治の精神に合わして『国民の大多数が了解』する法律の必要性を訴えたのです。
この言葉が示すように、これからの法曹は、国民にとって身近な存在として法の伝達者でなければならないと考えています。
そこで、本法科大学院では、かかりつけの法律家として「ソーシャル・ケア・ローヤー」を、また、経済界に幾多の人材を育んできた甲南の伝統を活かして、社会をリードする「ビジネス・ローヤー」を併せて養成します。
このように、創立者の理念と従来の教育の成果を活かして2つのローヤー像を目指します。