ゼミの紹介

 中東あるいはイスラームをキーワードに、さまざまなテーマを扱っていくゼミです。
私の専門領域は13-15世紀のアラブ世界ですが、皆さんの関心に応じて、古代から現代まで、身近なところでの異文化体験から国際社会に直結する現代史の諸問題まで、幅広い題材を扱います。

ゼミの方針

 このゼミでは、大学生として必要なさまざまなスキルを身につけてもらいます。それには文献やネットなどにある情報を収集・分析する能力、グループ内で議論や批評をする能力、そして自分の考えを上手にプレゼンする能力などが含まれます。受講生同士で討論する機会も多いので、コミュニケーション能力も高まることでしょう。こうしたスキルを身につけながら、最終的にみなさんの関心を卒業論文にまとめていくのが目標です。
 また、このゼミではフィールドワークも行います。神戸三宮駅周辺の北野地区は、生田神社や異人街の教会などが有名ですが、その他にもモスクやジャイナ教寺院、シナゴーグなど、日本の他の都市ではあまりお目にかかれない宗教施設が数多くあります。そんな中からいくつかの施設を選び、どのような人びとがどのようにしてそこに集っているのかを探っていきます。身近な場所でディープな異文化体験ができるのがこのフィールドワークの魅力です。

写真:神戸モスク
神戸モスク

写真:ジャイナ教寺院
ジャイナ教寺院

写真:シナゴーグ
シナゴーグ

ゼミ生の関心分野

これまでにゼミ生が提出した卒業論文のテーマは以下のとおりです。

アラビア語の勉強会について

 正規のゼミの時間とは別に、希望者があればアラビア語の初級文法を学ぶ勉強会も開きます。今年はゼミ内外から5~6名が集まり、週に一度、ランチを食べながら行っています。最初の目標は、アラビア文字を覚えて自分の名前が書けるようになること。一年通じての目標は、映画『アナと雪の女王』のアラビア語版テーマ曲「Atlaqi Sirraki(秘密を解き放て)」をアラビア語で歌えるようになることです。参加希望者は随時受け付けています。

写真:勉強会風景
勉強会風景

教員の研究分野

 私自身の研究テーマは、マムルーク朝時代エジプトの文化史です。アラビア語で書かれた手書き史料(写本)を読んで、当時それを書いた人がどういうことを考えていたのかなどを分析しています。
 また、現代アラブのポップカルチャーにも関心を持っています。2011年の「アラブの春」以降、アラブの若者文化について日本でも注目が集まるようになりつつあります。そんな若者たちの間で流行する歌謡曲や映画などを定点観測しています。

写真:アラビア語写本、15世紀半ば。欄外の書き込みも貴重な情報源です。
アラビア語写本、15世紀半ば。欄外の書き込みも貴重な情報源です。

写真:研究室はいつもアラブ芸能関連グッズであふれています。
研究室はいつもアラブ芸能関連グッズであふれています。