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甲南大学の研究力

地域メディアのグローカルな可能性を探る
アクションリサーチ

地域メディアのグローカルな可能性を探るアクションリサーチ

 
文学部 社会学科 教授

西川 麦子

「誰でもメディアになれる?」

アメリカ、イリノイ州、Urbana-Champaign (U-C)に一年間滞在した時に、地域の人々のためのメディア・アートセンター(NPO)の理念に興味をもちました。「いかなる立場の人でも表現し、発信する権利がある」。センターには、コミュニティラジオ局がありました。見学にゆくと、「誰でもラジオ番組を担当できるよ」と声をかけられました。本当だろうか。半年後、2011年4月、日本語ラジオ番組「HARUKANA SHOW」を開始しました。インターネットで日米をつないで、毎週金曜日の6時から、1時間のラジオ放送とストリーム配信を、現在も行っています。こうした体験をへて、地域に拠点をもつメディアとコミュニティ活動についての調査研究を始めました。(右の写真:地域住民がケーブルテレビ(Urbana Public TV)の番組を担当、収録風景、2013年8月)

フィールドワークとメディア実践と大学教育

2015年度からは4年間にわたり、科学研究費補助金・基盤研究(B)海外学術調査「多文化社会におけるコミュニティ活動とメディア戦略に関する実践的研究」を受け、海外でのフィールドワークとメディア実践を行い、その成果を大学教育に取り入れる、という取り組みを行っています。具体的には、①アメリカのU-Cと、イギリスのロンドンにおけるコミュニティ活動において、住民がどのように自分たちのメディアを作り利用してきたかについての現地調査を行い、②私自身がGrassroots Media Projectを主宰し、日米在住のスタッフとともに日本語ラジオ番組制作とGrassroots Media Zineという英語の冊子を発行し、ローカルなメディアのグローバルな展開の可能性を探っています。こうしたアクションリサーチの成果は、③甲南大学文学部のメディアや社会調査関連の授業で、「伝える力」を育む方法に取り入れています。(左の写真:Grassroots Media Project(Grassroots Media Zine HPより))

甲南大学の教室で海外のラジオ番組を制作

たとえば、甲南大学文学部の「メディア文化論」の実習では、アメリカのコミュニティラジオ局WRFUの協力を得て、甲南大学とWRFUのスタジオとをインターネットでつなぎ、大学の教室から学生がラジオ番組を制作しました。番組ではどんな話題をとりあげるのか、どうやって大学と海外のラジオ局をつなぎ、放送するのか。受講生はグループで企画をたて準備を進めますが、さまざまな問題にぶつかります。海外との地域連携をとおして、学生、教職員、ラジオ局の関係者がともに課題に取り組むなかで、異なる立場の人々が協働してメディアを作ることの意味や多文化をつなぐ難しさや面白さを、実践をとおして学んでいきます。(右の写真:アメリカのコミュニティラジオ局と教室をつなぐ(2016年度「メディア文化論」))

【研究助成】

○科学研究費助成事業基盤研究(B)(平成27年度~平成30年度)

多文化社会における”コミュニティ”活動とメディア戦略に関する実践的研究

 

参考文献

西川麦子「アクションリサーチ法」工藤保則・寺岡慎悟・宮垣元編『質的調査の方法−都市・文化・メディアの感じ方』第2版、2016年、法律文化社、pp.144-155

URL

HARUKANA SHOW

Grassroots Media Zine

「メディア文化論」実習の様子はこちら

 

2017年度より掲載