2014年度 甲南大学地域連携センター(KOREC)地域連携プロジェクト
Science & Arts への扉―地域とともに、大学とともに 「フィールド写真を撮る」

第2回「フィールド写真」講座 2014年12月7日(日)



 
第2回の撮影実習は「須磨離宮公園から須磨海岸、そして須磨山上公園から旗振山」、瀬戸内海を見渡すエリアです。寒空のなか、学生をふくめ8人が集まりました。
11時に山陽電鉄月見山駅にて集合、道に描かれたバラの絵に沿って須磨離宮公園へ。

公園の中心をなす西洋式庭園。ここからは森の向こうに海が見える。

公園の紅葉は今年は少し早くてモミジは多くは見られなかった。公園の植物園のはずれに綺麗な紅葉が残っていた・・・近隣の人が日だまりで秋の最後を楽しんでいるようだった。入園料は400円だが、神戸市の3カ所(ここと森林植物園、相楽園)の公園の年券が900円なので、それを利用すれば気楽に交通至便で季節季節に訪問できる。

ここはかつて大谷光瑞が別荘とし、その後宮内省の管轄となった旧武庫離宮です。建物は焼失し、その面影はありませんが、瀬戸内海(大阪湾)を一望できる山稜が細くつきでた景勝地であったことは十分味わえます。公園内のレストランで一同昼食のあと、山陽電車に乗って須磨浦公園へ。

海蝕のため砂浜は極端に狭い。海浜のところどころにある海水浴場には人工的に砂を入れたり、砂が流出しにくいように突堤が付けられたりしている。

海中公園周辺の松林を散策しつつ、再び撮影。
さらにケーブルカーとカーレーター、リフトを乗り継ぎ、摂津の国と播磨の国の国境をこえて、須磨山上遊園へ。

これは帰りの景色だが、紅葉の絨毯のような林を眼下に見つつスキーリフトのようなオープンエアで空中散歩・・・途中のロープウェイやカーレーターもいいが解放感という点ではこれが一番! 横には広い海が眺められる。

いつもながら旗振山から眺める、淡路島と明石海峡大橋を望む景色は格別です。

珍しい気象現象「彩雲」に出会った。普通の虹は霧や雨によって地表近くに半円形にできるものだが、これは太陽の光路の周りの薄い雲によって分光され円形に虹が出る。写真では左右に分かれているが、メンバーのひとりは上にも虹の円弧が出ていたとのことである。頂上に着く頃には消えていた。写真は「その時」「その場」にいないと写せないのである。見えているのは明石の市街地と淡路島、明石海峡大橋。

分厚い雲間から夕陽がさしこみ、万葉の時代にここを訪れた人も、近代に別荘をつくりあげた人々もこのけしきを夢見ることはあったでしょうが、実際に眺めることはできなかったのです。

今回で3回目の登頂だが年々人が増え、茶店も規模が大きくなっている。ここで全員で店の裏の畑で採れた材料を使った「ぜんざい」と野菜の漬け物を食す。夕暮れ時の幸せな気分だ。

この日の旗振山はいつも以上のにぎわいです。なんでも頂上にある旗振茶屋で忘年会とのこと。市民に愛される旗振山であることがわかります。「今日はどちらから?」「あれ、このカメラはどうやって撮るの?」「暖かいぜんざいでもどうですか?」店員さんの気さくな一声に、イモとかぼちゃ入りのぜんざいをいただき、体を温めました。

例によって記念撮影。それなりに寒いが気分は上々・・・「その時その場で」は厳しさであるとしても、それを上回る楽しさでもある。もちろんこの気分に作品まで付いてくると最高だ。

16時半の最終リフトに乗って、下山、あたりはすっかりたそがれです。本日の撮影も無事終了しました。

今回の撮影実習での画像とあわせ、12月26日(金)までにすべてCD/DVDにして本フィールド写真講座講師の出口まさと先生にお送りください。2月の合評会にむけ、全参加者の全画像に年末年始休暇に目を通します。

次回実習は1月10日、土曜日です。はじめての撮影地、奈良の岡寺~壺阪寺~高取の土佐恵比須です。今回これなかった人もぜひお楽しみに。

では、3月の展覧会まではりきっていきましょう!
来年もよろしくお願いいたします。