第4回は、これまで参加者が撮った画像すべてに本講座講師の出口まさと先生が目を通し、一人20枚程度ピックアップしたうえで各画像を見ながらの講義です。夜勤明けの卒業生も駆けつけ、7人が集まりました。
4月の奈良・長谷寺、11月の琵琶湖・沖島、1月の京都・伏見の酒蔵の町・・・それ以外に自分で出かけて撮った写真も含まれています。
一緒に訪れた場所、見知らぬ場所の画像に釘付けです。
シャッターを切れば写ることで、写真はより難しさを増した。誰でも撮れるが、写真は難しい。写真は感性ではない。
一日千カットを撮る。気に入らない写真は消す・・・という人が多いが、それはもったいない/
今年でフィールド写真講座をはじめて14年、最初からそうだったが、写真の技法を教えるためにやっているのではない。好きなようにやれ、それがこの講座のモットーだ。写真を通して、創造力を発揮する。その創造力に少し気づいただけで、生活はかなり豊かになる。そのことがとても重要なのだ/
隠し撮りはしない、主題は小さく、人も小さく/何かの出来事を待って撮る/ストーリーをつくりながら撮る、そのことも必要だ
群衆も漫然と撮らない、どこかに焦点をあて、引き算式に撮ることもある/
これは構図の面白さ、暗い所と明るいところの色の対比が意味をもつ。色相・彩度・明度、それを頭にいれ、瞬時に判断することが大切だ。
これはボケ味の面白さ、望遠にすればするほど、ボケ味が生まれる。望遠では、距離が圧縮される。
小豆島・・・五島列島・・・信州・・・秩父・・・明石・・・人のいかないところに行くことも重要。人と同じではなく、人は皆違う。
ここは、いくたびに観光客が増えている。一方、張り紙も増えた。あれをしちゃいけない、これをしちゃいけない。。。観光客をうけいれるならば、心から歓迎しないといけない
野地・・・これは島によくある風景だ。それに学校は高台に、生活によい場所は耕されているものだ/
講義は、午後1時から4時半までみっちり3時間半。写真を通して、河川の右岸左岸の力関係を、過去の繁栄と今日の繁栄を、商店街のなりたちを目でとらえ、写真の可能性と奥深さを学びました。
第一回目は4月の初瀬の長谷寺。ボタンで有名ですが、各種の花や新緑もおおいに楽しめました。それにしても観光客・参拝者の多かったこと。
第二回目は11月の琵琶湖:沖島の秋の風景です。畑仕事のオバさん達やフィールドワーク中の滋賀県立大学のメンバーとも語り合え、島の秋を堪能しました。
第三回目は1月の伏見への散策でした。幕末の寺田屋騒動の旅籠は当時のまま保全され資料館となっています。しかしまだ予約すれば宿泊も可能だそうです。
さて、お知らせです。本講座は、各自一点ずつ選んだ作品を、参加者全員で展覧会にするまでが取り組みの特色であり、今回も3月22日~4月5日の開催日程で、甲南大学ギャルリ・パンセで展覧会の運びでしたが、今年度は、新型コロナの感染予防対策のため、やむをえず中止いたします。かわって今年度の写真展は、ウエブ上で実施すべく、準備を進めています。3月下旬にウェブ版フィールド写真展として、本ホームページにアップしますので、こちらをご覧ください。どうぞお楽しみに。