所長あいさつ

統合ニューロバイオロジー研究所

所長あいさつ統合ニューロバイオロジー研究所 所長
日下部 岳広
甲南大学大学自然科学研究科/甲南大学理工学部

 近年の技術革新により、生物学はめざましい進歩をとげています。その一方で、先端化と細分化が進み、全体を見通すことが以前にもまして難しくなっていま す。生命現象は分子・ゲノム・細胞のレベルから個体、集団、地球環境にいたるまで連続的で、どれか一つを取り出して詳しく理解しただけでは、大切なことを 見落としてしまう恐れがあります。ここで必要とされるのが、各分野の深い知識を基礎としながらも、全体を概括的に評価する統合生物学の視点です。このたび 甲南大学では、研究プロジェクト「環境応答を司る細胞ネットワークの機能発現の分子細胞メカニズムの解明」が平成25年度私立大学戦略的研究基盤形成支援 事業(研究拠点を形成する研究)に採択されました。統合ニューロバイオロジー研究所は、この研究プロジェクトを推進する拠点として、統合生物学の視点から 「動物個体が環境の変化に対して応答し順応するしくみ」を理解することを目指しています。生物が環境の変化に対して応答し順応するしくみの理解は、地球環 境の変化やヒトの医療・健康につながる重要な課題です。生命科学に関連する多様な分野の研究者の実質的な連携による共同研究を推進し、生物が環境変化に応 答し対処するしくみを解明します。また、理工学部や大学院自然科学研究科と連携し、専門性と広い視野を兼ね備えた人材を育成します。