北海道で江戸時代の藩政文書を調査する

市街地の雪は殆ど解けて、札幌にも春がやってきそうです。2015年3月1日から1年間、国内研究の機会を得ました。前半を北海道大学、後半を島根大学で研究します。江戸時代、アイヌ民族の土地であった蝦夷地は明治国家に接収され、北海道として日本に組み込まれると、開拓のため多くの人々が北海道に入植します。現在の南幌町に入植した板垣さんの史料に出会ったのは2011年でした。板垣さんは江戸時代、藤堂藩の中級の藩士だったため、史料には藤堂藩の藩政文書が含まれていました。藤堂藩は私の研究フィールドの1つですが、藩政史料は殆ど残っていません。貴重な史料が思いがけない形で北海道に残されていたことが、今回の国内研究の直接的な動機です。

実は、江戸時代の藩政史料が北海道に残っているとは、全く想像していなかったのですが、私がフィールドとする藩の史料が他にも残っています。

文部科学省から科学研究費の助成を受けていることもあり、この機会に調査をして今後の研究に活かしたいと思います。(東谷智)

 

写真:南幌町郷土史研究会の方々と「藤堂藩士としての板垣さん」を地元資料館に展示する準備

 

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