会場が変更になりました。
気鋭の哲学者エルザ・ドルラン(仏トゥールーズ大学)氏をお招きし、6月に翻訳刊行を控えた著書『人種の母胎――性と植民地問題からみるフランスにおけるナシオンの系譜』について、ご講演いただきます。
ドルラン氏は本書で、17・18世紀のヨーロッパ医学史に詳細な分析を加え、性的差異の構築が「人種」概念にモデルを提供したこと、同時に両者が身体の病理化という同じ問題設定から生じたことを示し、フランスにおける性差別および人種主義の起源を明らかにしようとしました。本書は2000年代以降のフランスにおけるジェンダー研究の記念碑的著作といえます。
日時:2024年5月20日(月)
16時〜18時 エルザ・ドルラン講演会
(15時30分〜15時45分 訳者による解説)
会場:甲南大学 岡本キャンパス8号館2階8-24講義室
討論者―鵜飼哲(一橋大学名誉教授)
司会―ファヨル入江 容子(甲南大学講師)
後援:甲南大学人間科学研究所
お問い合わせ:f_irie@konan-u.ac.jp
参加費:無料(要事前申込)
下記URLのGoogle Formからお申し込みください。
https://forms.gle/zTxFMdQh3oVFBgga6
著書『人種の母胎――性と植民地問題からみるフランスにおけるナシオンの系譜』
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b646241.html (人文書院HPより)
講師プロフィール
哲学者。2004 年ソルボンヌ大学(旧・パリ第四大学)で博士号を取得後、パンテオン・ソルボンヌ大学哲学科で准教授として哲学史および科学史を講じたのち、パリ第八大学政治学科教授を経て、2021 年からトゥールーズ・ジャン・ジョレス大学哲学科教授。フランスへのブラック・フェミニズムの紹介者としても知られ、2000 年中葉以降のフランスにおける新たなフェミニズムの潮流をフランス科学認識論の立場から思想的に支える最も重要な哲学者のひとりである。本書の他、現在のところ未邦訳であるが『性・ジェンダー・セクシュアリティ〔Sexe, genre et sexualités〕』(2008 年/第2版2021年)、フランツ・ファノン賞受賞の『自己防衛――暴力の哲学〔Se défendre. Une philosophie de la violence〕』(2017 年)等がある。