森のキャンパス
ヒラオヤナギの物語

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2026.1.20
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都市型キャンパスでありながら、豊かな自然に恵まれた甲南大学・岡本キャンパス。四季折々の美しい自然がキャンパスライフを彩っています。今回は、この自然の中に息づく、学園の歴史と深く関わる特別な植物をご紹介します。甲南学園創立者の平生釟三郎先生の名前を冠した「ヒラオヤナギ」に焦点を当て、その名の由来や植樹にまつわるエピソードを紐解きます。

 

 

 

Contents

・現在の岡本キャンパスの風景

・なぜヒラオヤナギという名前なの?

・なぜ甲南大学にあるの?

 

 

 

 

現在の岡本キャンパスの風景

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

岡本キャンパスは、季節によって様々な植物が花を咲かせています。

 

 

 

 

 

また、甲南学園創立者 平生先生の名前が入ったヒラオヤナギヒラオツバキも1号館前などに植えられています。

 

 

 

 

ヒラオヤナギは1926年に正式な学名となってから今年で100年を迎えます。

今回はそんなヒラオヤナギについてご紹介します。

 

 

 

なぜヒラオヤナギという名前なの?

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

「ヒラオヤナギ」ということは、平生先生が発見したヤナギのこと?と思われるかもしれませんが、実は違います。

 

 

 

もちろん、このヤナギは平生先生に関係はしていますが、この名前がついた背景には、平生先生が作られた「拾芳会(しゅうほうかい)」という組織が深く関係しています。

 

 

 

 

「拾芳会」とは?

 

将来、社会で活躍できる優れた才能を持っているにもかかわらず、経済的な理由で大学への進学が難しい若者を支援するために作られた、育英事業のグループです。

 

 

平生先生は若い頃、学費にとても苦労されましたが、多くの人や国に支えられて勉学に励むことができた経験があり、だからこそ、「優秀なのに経済的に苦しんでいる若者を助けたい。あの時の恩を社会に返したい。」という強い思いから、私財を投じてこの育英事業を立ち上げられました。

 

 

平生先生は、画一的な詰め込み教育ではなく、生徒一人ひとりの天賦の個性を引き出し、自分で考え物事を成し遂げる人間を育てるという「人物教育」の理念を持っており、拾芳会はその実践の場でもありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この拾芳会の奨学生の中に、植物学者の木村有香(きむら ありか, 1900-1996)がいました。

 

 

 

 

 

木村有香について

 

木村はヤナギ科の分類を大成した人物であり、東北帝国大学(現・東北大学)理学部生物学科教授、東北大学植物園の初代園長を務められました。

 

 

東北大学史料館所蔵 木村有香

 

 

当時は、植物学があまり進んでいなかった時代ではありましたが、平生先生が設立した拾芳会の支援のおかげで、木村はヤナギの研究に没頭することができました。

 

また、平生先生は木村が自分の娘と結婚した縁もあり、木村の研究活動を長く支持しました。

 

 

そしてついに木村は大正15(1926)年1月に、六甲山(住吉村域)で新種のヤナギを発見し、このヤナギに「ヒラオヤナギ」と名付けました。

 

 

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

ヒラオヤナギは単なるヤナギの名前ではなく、平生先生への感謝と尊敬の気持ちが込められています。

 

 

 

木村は定年退官後も東北大学植物園のヤナギ園で研究を続け、現在もこの植物園にはヤナギ科植物の標本木が充実しています。

 

 

 

なぜ甲南大学にあるの?

 

ヒラオヤナギは現在、岡本キャンパス内で大切に植樹されています。
その植樹と育成に携わった、岡本キャンパスの造園を担当されている対馬造園戸田さんに話を伺いました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

なぜヒラオヤナギが岡本キャンパスに植えられているのですか?

 

 

戸田さん:ヒラオヤナギは、東北大学や他関係者より苗木を譲り受け、2019年の甲南学園創立100周年記念事業の一環として岡本キャンパスに植樹しました。

 

 

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

ヒラオヤナギを育てていくにあたって気を付けたことは何ですか?

 

 

 

戸田さん:貴重なヤナギを枯らしてしまわないように、岡本キャンパス内での植樹に先立ち、平生セミナーハウスの敷地内で仮植えを行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

特に、生育環境の整備に細心の注意を払い、夏場は日差しが強すぎないよう寒冷紗(かんれいしゃ)を用いた遮光対策を取り、3〜4年という時間をかけ、週に3日ほどの水やりを通じて生育を確認した後に、岡本キャンパスに本植えをしました。

 

 

 

 

 

現在、ヒラオヤナギは大きく成長し、横に広がる樹形のため、毎年適切に剪定しています。

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

岡本キャンパスの植物について

 

 

戸田さん:他の大学にも多少の緑はありますが、甲南大学は創立者の名前が入った植木や開学当初からの松を今でも大切に守り育てられています。その結果、まるで森のように植物が植えられている岡本キャンパスは、関西では珍しいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

駅からほど近い街中に現れる森のキャンパス
今度歩くときはぜひ、ヒラオヤナギを探してみてください♪

 

 

 

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