生成AIが就職活動の強い味方に!?
最新事情から知る活用メリットとデメリット

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2025.1.21
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就活生の約7割が「利用したい」と答える生成AIの最先端に迫る!

 

いま就職活動で「生成AI」が注目されています。コンピュータの演算能力を活かしたAI技術は画像認識などの分野ですでに活躍していますが、近年は人間と対話しながら文章や画像といったコンテンツを自動作成する生成AIが話題になっています。そんな生成AIを就職活動に「使ったことがある」と答えた学生がいまや約3割となり、「今後使いたい」という人とあわせれば約7割にのぼるというのです。とはいえ、現実社会でも生成AIには学習過程での著作権違反などさまざまな課題があるように、就職活動でもメリットとデメリットが存在しているようです。今回は、その現状について甲南大学キャリアセンターの村上雅亮さんと、就職活動における生成AI活用に詳しい株式会社キャリタスの棚木留美さんに取材してみました!

 

 

 

 

 

就職活動の現場ですでに活用されている生成AI

 

 

KONAN-PLANET 記者 

 

いま話題の生成AIが、

就職活動でどのように活用されているのでしょう?

 

村上さん:キャリアセンターとして生成AIの活用を全面的に推奨しているわけではありませんが、一部の学生から活用しているという声は聞きます。具体的には、自己PRなどの文章作成や添削、面接を想定した質疑応答の対策などですね。また、企業側でも、AIが面接を行う「AI面接」が登場しています。

 

-文章作成に生成AIを活用しているわけですか。

 

村上さん:自分で作成した文章が適切であるかどうかをAIにチェックさせるという学生が多いですね。自分では気づかない誤りを指摘してもらったり、より相応しい表現にしてもらうという添削作業です。また、書きたい文章の要点を生成AIに伝えて、文章の下書きをしてもらうという利用方法もあります。

 

-たしかに、それだけでもかなり効率的になりますね。

 

村上さん:就職活動をおこなう学生には、準備することがたくさんありますからね。志望企業を探すための企業研究からはじまり、自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などの文章作成、応募時の志望理由作成。さらには面接をはじめとする選考対策まで、本当にさまざまです。これらにおいて生成AIを活用できれば、かなり時間と労力を減らすことができると思います。

 

 

忘れずに注意したい生成AI活用のデメリット

 

 

KONAN-PLANET 記者 

 

生成AIの活用で、懸念していることはありますか?

 

村上さん:就職活動の準備を効率化できるといっても、それですべて解決にはならないことです。自分の足を使って実際の職場に行き、自分の目で雰囲気を感じ、自分の耳で働く方の声を聞く。こうした重要な行動を面倒だと感じるようにならないか不安です。なぜなら、すべてを生成AIまかせで準備すると、企業理解や仕事理解が浅いまま選考を受けることになってしまいます。そうすると、企業からの評価は低くなってしまいますからね。

 

-むしろ効率化で得られた時間を、どう活用するかですね。

 

村上さん:生成AIによる下書きや添削が可能になると、だれでも一定レベルの文章を用意できるようになり、その結果、学生間で「文章で伝える力」に差がなくなる可能性が考えられます。しかし、そうした文章はオリジナリティに欠けた文章になってしまう。就職活動で成功するには、志望企業に「自分らしさ」が伝わる文章を自分自身の力でしっかり考えることが重要だと思います。

 

-企業から見て生成AIの活用はどのように映っているのでしょう。

 

村上さん:企業によって反応はさまざまですね。前述のようにすべて生成AIまかせで準備すると予想外の状況に上手く対応できなくなりマイナス評価となります。しかし、生成AIで作成した文章のままではなく、しっかり自己分析や企業理解ができ、オリジナリティのある文章にできているなど、適切に利用できている学生には「最新技術をうまく活用できている」と好評価につながることもあるようです。

 

-今後はどのように生成AI活用と関わりをもつ考えでしょう。

 

村上さん:まずは、生成AIの普及拡大を受けてサポートやガイドラインが重要だという認識です。セミナーの実施などを通じて生成AI活用の得意、不得意をなくす必要もあるでしょう。上手く結果を引きだすための実践的なプロンプト(実行指示文)講座などを開催するのも面白いかもしれません。同時に、なによりもメリットとデメリットの両方をしっかり理解してもらうための取り組みが不可欠だと考えています。

 

 

 

 

実際に使ってみると驚かされる生成AIの実力

 

 

KONAN-PLANET 記者 

 

学生でも使える生成AIは、どんな種類があるのでしょう。

 

棚木さん:まずはOpenAIが開発したChatGPTですね。最初期に開発された生成AIなので普及が速く、学習も進んでいます。Microsoftが開発したCopilotというものもあり、自社の検索エンジンであるBingと連動させ、ウェブ情報の活用などに強みをもっています。その他では、Googleが開発したGeminiもあります。こちらはGoogleのサービスであるドキュメントやスプレッドシートとの連携が強化されています。いずれも自然対話形式で、まるで人間と会話しているようなわかりやすさで利用することができます。

 

 

 

-具体的に就職活動のどんな場面で活用できるのでしょう。

 

棚木さん:活用例はさまざまですが、まずはよく利用される自己PRの作成から説明してみましょう。こちらはキャリタス就活に実装されている「自己PRジェネレーター」という機能ですが、アピールしたい活動を選択し、かんたんな内容を入力してもらえば、このようにすぐ自己PRが作成されます。

 

 

 

-50文字程度の内容から、一瞬で文章が作成されました!

 

棚木さん:もちろん、そのまま使うには具体性が足りませんし、自分で修正していく必要があります。ただ、すべていちから作成するより効率的です。「業務の効率化」や「問題解決能力」といった入力内容になかった言葉も提示されて、元の文章よりはるかに語彙の豊富な文章になると思います。

 

 

 

情報漏洩や誤情報などリスクの理解が重要

 

 

KONAN-PLANET 記者 

 

ChatGPTなどを利用すれば、さらに活用の幅が広がるわけですか?

 

棚木さん:そうですね。エントリーシート用の文章作成や添削だけでなく、対話しながら自分の強みや弱みを把握する「自己分析」にも役立ちます。「業界・企業研究」においても、情報収集・分析が得意なので志望業界のトレンド理解や志望企業のSWOT分析などに役立てられます。また、想定問答集を用意させて模擬面接をおこなう「面接対策」なども可能です。理系の学生なら、技術面接に向けて大学での研究内容をわかりやすく伝えるための説明例を準備することもできますね。

 

 

 

 

-これなら就職活動の、あらゆる段階で使えそうですね。

 

棚木さん:ただし注意すべきポイントもあります。まず生成AIが作成した文章をそのまま提出するのは避けること。生成AIは、本人しか知らない具体的なエピソードを盛り込むことはできませんし、企業は慣れているため生成AIで作成した文章だとすぐ見抜きます。次に入力する情報に注意すること。公開されていない個人情報や未公開の研究情報を入力すると学習に利用され、他の利用者への回答に反映されて情報漏洩する危険性があります。あとは、回答を鵜呑みにしないことです。作成された文章には最新ではない誤情報が含まれている可能性もあります。

 

-生成AIの特徴や仕組みを知り、

 慎重に利用する必要があるということですか。

 本日はありがとうございました。

 

 

 

〈 生成AIを活用する際の注意点 〉

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者まとめ

 

実際に生成AIを利用してみると、そのスムーズな会話や高度な文書作成には驚かされてしまいます。とはいえ、ネットワークなどから学習した情報をもとに推測し「それっぽい」ことを出力しているだけで、その回答に至った過程はブラックボックスです。さらにはオープンに利用されているため情報漏洩のリスクがあることなども注意が必要でしょう。とはいえ、そうしたデメリットを理解したうえで活用するなら、じつに心強いサポートになることも事実です。株式会社キャリタスでは就職活動に特化した生成AIサービスも提供しているので、いちど触ってみて、どの程度役立つかを実感してみるのも良いかと思います。少なくとも生成AIという存在は、これからのビジネスや生活すべてに影響を与えていく最新技術ですから。

 

 

 

〈 キャリタス就活の提供サービス 〉

 

 

 

PRしたい活動とその概要を簡単に入力すると生成AIが自己PRしてくれます

 

 

 

 

 

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