人工知能×ロボティクスで
コミュニケーションの新しいかたちを追求する

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2026.3.23
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甲南高等学校理数コース卒業生の田中さんは、ヒューマンエージェントインタラクション(HAI)の研究者です。2025年春に甲南大学知能情報学部へ着任し、人間の手の動きや感触までも再現するロボットハンドの研究を続けています。田中さんが研究者になったきっかけから准教授としての現在までをお伺いしました。

 

 

 

Contents

・ロボットを作りたい

・アカデミアへ進もうと思ったきっかけ

・VTuberとの握手会を開催

・学生自身が持つ「興味」をサポートしていきたい

 

 

 

ロボットを作りたい

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

ロボットを作りたいと思ったのはいつごろでしょうか?

 

 

田中 一晶 さん

 

人とコミュニケーションするロボットを作りたい

幼少のころからテレビアニメのトランスフォーマーやゾイドが好きで、ブロックでロボットを作ったり、タミヤの工作キットを改造するなど、ものづくりが好きな子どもでした。中学生のころには、ロボットの「知能」か「ロボティクス(設計・開発)」のどちらの方面へ進むか考え始め、人と協力して目的を達成するロボットに魅力を感じて知能の方面へ進もうと決めました。
甲南高等学校の理数コースに進学しましたが、勉強は得意なものもあれば不得意もあり、特に苦手な英語は大学受験の足を引っ張っぱりました。そんなとき、担任の西田先生が勧めてくれたのが、京都工芸繊維大学でした。自分でもシラバスを調べて「知能工学」の文字を見つけ、当時導入されたばかりのAO入試で受験しました。人間の赤ちゃんのように学んでいく人工知能の研究をされていた岡教授が、私の入学と同時期に着任されたことも幸運だったと思います。

 

 

 

 

アカデミアへ進もうと思ったきっかけ

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

アカデミアへ進もうと思われたきっかけがあれば教えてください。

 

遠隔コミュニケーションロボットに関するプロジェクトに携わる

田中さん:大学院を修了するまで岡教授に師事し、人からの教示を活用して新たな言葉や行動を学習するロボットに関する研究に没頭しました。その先の道を決めることなく研究を続け、アカデミックか企業の研究所か、いずれの研究者となるのか決まらないまま修了を迎えそうになり、焦りを感じていました。偶然そのころ、アンドロイドで有名なロボット工学者の石黒教授が、遠隔コミュニケーションロボットに関するプロジェクトを開始すると耳にして応募しました。プロジェクトの主たる研究者である中西准教授の下で4年間、特任助教として参加することができました。この期間がアカデミアの世界で生きていくための実践的なノウハウを吸収した貴重な経験になったと思います。

 

 

 

 

VTuberとの握手会を開催

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

現在されている研究について教えていただけますか?

 

人間の手の触感・動きを再現する「メタハンド」のリアリティ

田中さん:現在の研究は、ロボットや人工知能の技術を応用したインタラクションデザイン“で、簡単に説明すると、ロボットや人工知能に関する技術で人同士や人とシステムをつなぐことをめざしています。ロボットの研究はいろんな専門分野の集合体になりますが、研究に取り組む中で、一から自分で設計してみたくなりました。
研究中の「メタハンド(ロボットハンド)」は、ビデオ通話などの遠隔コミュニケーションや仮想空間において相手に〝触れる〞ことを可能にし、そばにいるような感覚を生み出すことを目的として開発しています。実際にメタハンドを使って、VTuberとの握手会を開催したことがありますが、メタハンドから握り返される感触に、参加者からは「指の動きや力の入れ具合、柔らかさ、体温など思ったより人間の手のようだ」と、驚きの声が上がりました。
メタハンドを介して触れた感触を、操作している人間の手にフィードバックできないか、とも考えています。それが可能になれば、医師の手と同期させることで、遠く離れた場所の患者に対してメタハンドで触診や治療をするといった使い方もできると思います。

 

 

 

 

学生自身が持つ「興味」をサポートしていきたい

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

学生の方々に伝えたいことはありますか?

 

学生にも自分の興味を追求してほしい

田中さん:私の研究室には7名の学生が配属されていますが、自分なりの興味がしっかりある学生や、探究心のある学生が多いです。大学だけでは研究期間が短く、新しいことにチャレンジしづらいので、学生にはできれば大学院へ進んでほしいですね。大学院で続けて研究ができるなら、こちらからテーマを与えるだけでなく、学生自身が興味のある内容をテーマと結びつけて研究できるようにサポートができると思います。やっぱり自分が興味をもっていることでなければ、研究を続けることは難しいと思うんです。自分の興味をずっと追い続けることができるというのは、研究者の大事な資質の一つではないでしょうか。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

本日はありがとうございました。
今後のご活躍を楽しみにしています!

 

 

本記事は学園広報誌「Konan Today No.69」に掲載中の

\ 「It’s Konan Style」を加筆編集しています。 /

 

 

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