甲南OB・OG対談「つながり」をつくれ!

よかった記事には「いいね!」をお願いします
未来につなげ!奨学金の可能性

立野純三奨学金を設立した立野さんと、その“給付奨学生一期生”であり、この春めでたく甲南大学を卒業した堀江さんの対談が実現しました。立野さんはなぜ、奨学金を設立したのでしょうか?その思いを語ってもらうとともに、奨学金を活かした大学生活の過ごし方を指南していただき、堀江さんには奨学金をどう活用したのかを語ってもらいました。

対談 対談

奨学金設立に至った理由
TALK ABOUT

立野純三奨学金は、今年で5年目を迎えます。甲南大学卒業生であり、同窓会前会長の立野さんが奨学金制度の設立に至った経緯を伺いました。

  • KONAN-PLANET記者

    立野さん、本日はよろしくお願いたします。ではまず、奨学金設立に至った経緯を教えていただけますか?

  • 立野さん

    全ては同窓会の会長になったことがきっかけです。大学時代の友人とは卒業しても交流がありましたが、同窓会に入ったことで学園・後輩に関心を持つようになり、学生がもっと学びやすい環境をつくりたいと考えるようになったんです。

  • KONAN-PLANET記者

    なるほど。そこから、立野さんから奨学金設立をご希望されたのですか?

  • 立野さん

    まず学園に、学生を資金面で支援したいと相談させてもらいました。その後、理事長と学長から、地方から出てくる学生を対象にした奨学金制度の設立を提案していただいたんです。

  • KONAN-PLANET記者

    そうだったんですね。同窓会を通じて、卒業しても学園との関係を築くことができたんですね。

  • 立野さん

    僕も正直なところ若い頃は、母校にそれほど関心を持っていませんでした。卒業するとどうしても学園との関係性は薄れるので、学生の皆さんや卒業生の皆さんには、同窓会などで学園とのつながりを持ち続けてもらいたいと思っています。

立野純三奨学金制度の給付小学生一期生だった堀江さん。奨学金制度を知ったきっかけと受給の理由は?
  • KONAN-PLANET記者

    堀江さんが甲南大学へ進学した決め手は何だったのでしょうか?また、どのようにして立野純三奨学金を知ったのか、何に役立てようと思ったのかも教えてください。

  • 堀江さん

    私は岡山県出身なのですが、臨床心理士と公認心理師を目指して進学先を探していた時、甲南大学は心理学だけでなく哲学や芸術学も一緒に学べると知って興味を持ちました。留学制度が充実しているのも魅力でしたね。立野純三奨学金はちょうど設立年だったこともあり、担当の方から声をかけていただきました。絶対留学したいと思っていたので、留学に活用しようと思い応募させていただきました。

  • KONAN-PLANET記者

    いいタイミングでご縁があったのですね!

  • 堀江さん

    奨学金のおかげで留学という夢を叶えられて、今後の人生に活かせる貴重な経験ができたので本当に感謝しています!

学生時代のエピソード
TALK ABOUT

まったく違う時代に甲南大学に通い、奨学金制度をきっかけにつながった立野さんと堀江さん。お二人は、どんな学生生活を過ごしたのでしょうか?

  • KONAN-PLANET記者

    お二人の学生時代についてお聞かせください。堀江さんは、何が一番印象に残っていますか?

  • 堀江さん

    やはり、カナダのバンクーバーに留学したことです。様々な人の考え方やものの見方、感じ方を知りたいと思い、多民族国家であるカナダを選びました。現地で知り合った友人は文化も価値観も違うので、刺激的で楽しかったです。彼らとは今でも連絡を取り合っていますよ。大学では、留学生と英語で会話をする機会も多くありました。一緒にゲームをしたことも楽しい思い出です。

  • KONAN-PLANET記者

    英語を話したり、外国の方と接する機会が多かったのですね。立野さんは、学生生活の中で印象に残っていることはありますか?

  • 立野さん

    ゼミの先生に「友達を増やせ」と言われたことです。僕は、出世するのは成績のトップかケツだと思っていたので(笑)、勉強でトップになれないならとにかく友達を増やしてやろうと思ったんです。

とにかく友達をふやせ!

(立野さん)先生からのアドバイスで、学外の野球チームに入るなどして積極的に友達を増やし、社会に出てからもつながり続ける多くの友達をつくることができました。先生のあの一言がなければ、ただ漠然と学生時代を過ごし卒業して、働いていたかもしれません。先生は決して僕に「勉強しろ」とは言わなかった。君なら、友達をたくさんつくれば、将来役立つつながりを作れるんじゃないかということを教えてくださったのだと思います。

  • KONAN-PLANET記者

    なるほど。立野さんがつながりを大切にされるのは、その時の先生のアドバイスがあったからなのですね。

海外×甲南生について
TALK ABOUT

奨学金は単に学費を補うだけでなく、堀江さんのように留学費用として役立てることもできます。

  • KONAN-PLANET記者

    堀江さんは、奨学金を利用してカナダ留学をされましたが、印象に残っている出来事はありますか?

  • 堀江さん

    現地では、さまざまな国から来た留学生と友人になりました。とにかくみんな、やることがクレイジーで、サウジアラビア人の友人が呼びつけたリムジンで家まで送ってもらったこともあります。日本では、絶対に経験できないことばかりでしたね。それから、海外で改めて実感したのは、日本の信頼度の高さ。他国からの友人は、飲食店やバーでパスポートを提示しても中に入れてもらえないことがありましたが、日本のパスポートを見せるとすんなり通してもらえて驚きました。

  • KONAN-PLANET記者

    海外でなければ味わえない貴重な体験ですね!立野さんの学生時代、留学する友人はまわりにいましたか?

  • 立野さん

    僕の学生時代は、自分の意思で留学する人は少なく、親に言われて行く人が大半でした。僕が海外に興味を持ったのは、JC(青年会議所)の理事長に就任して、年間100日ぐらい海外で過ごしたのがきっかけ。Save the Children日本支部の設立に携わって、海外の会議に出席するようになってからは、もっと英語を勉強していれば…と後悔しました。そのうち、翻訳機械で会話ができるようになるかもしれないけど、相手と心を通わせて親しくなったり、アホなことを一緒にできるようになるには、やはりしゃべれないとね。

  • KONAN-PLANET記者

    やはり世界で活躍する人になるには、英語を学ぶことが大切ですよね。

  • 立野さん

    これからの甲南生には、下手でもいいから英語を話してほしいな。JCの会議では、日本人は恥をかきたくないからしゃべらないけど、東南アジアの人たちは下手でも自分の考えを英語でしゃべるんですよ。そういう心意気は、世界に出て学ぶべきだと思います。学生の皆さんには、今のうちにどんどん海外へ行って英語力をつけて、いつか世界に出た時に活かせるつながりもつくってほしいですね。

世界で活かせる人脈をつくれ!

(立野さん)学生のうちに世界を知ることは人生に大きな影響を与えると思っています。留学先は、世界各国からいろいろな人が集まるような大学がいいでしょうね。できれば1年ぐらい留学して英語力を身につけて、友達をたくさんつくってほしい。海外でできた友達は、世界に出た時に活かせる人脈になるはずです。僕も学生時代、同じ遊ぶなら海外で遊んだほうがよかったと後悔しています(笑)。今後も、多くの優秀な学生が海外で活躍できるよう奨学金制度を充実させて、留学したい人が留学できるようチャンスを与えたいと思っています。

  • KONAN-PLANET記者

    堀江さんは、身につけた英語力をどのように活かしたいですか?

  • 堀江さん

    奨学金制度を利用して留学にチャレンジできたことで、将来は海外でカウンセリングをしたいという大きな夢ができました!ただ、それはとても難しいことなので、まずは日本でしっかりがんばって経験を積みたいと思います。

  • 立野さん

    堀江さんのような先輩の活躍によって、後に続く学生も夢を持って入学することができる。ぜひ、世界に出てください。活躍を期待してますよ。

世界で活躍する先輩のリアルな言葉 世界で活躍する先輩のリアルな言葉

甲南生のアイデンティティ
TALK ABOUT

甲南OBとして感じる「甲南生らしさ」とはなんでしょうか?今も昔も変わらない、甲南生のアイデンティティの根底には、甲南学園創立者の平生釟三郎先生の教えが息づいていることが分かりました。

  • KONAN-PLANET記者

    立野さんが考える甲南生の特徴、印象を教えていただけますか?

  • 立野さん

    僕の時代の学生はみんな個性がありました。時には悪いこともするけど(笑)、何をしても一流でしたね。ただ、人を押しのけてのし上がろうとする野心家はいませんでした。それは、甲南生の良さでもありますね。

遊びも学びも一流であれ!

(立野さん)何でもいいので、一芸に秀でていることは大事だと思いますよ。僕の場合は、女性を口説くことに関しては負けなかった(笑)。あと、学生の皆さんには、卒業した先輩方に会う機会をつくって、社会のルールやマナーを学んでほしいな。目上の人と対話することで、誰とでも交流できるコミュニケーション力を培ってください。

  • KONAN-PLANET記者

    すべて平均点より、何かひとつ飛び抜けている人は魅力的ですよね。立野さんが経営される会社にも甲南の卒業生は働かれていますか?

  • 立野さん

    何名かいて、活躍していますよ。みんな真面目ではきはきとしているし、一生懸命やるのでお客様に好かれるんです。それは、平生先生の教えかもしれません。学生時代は思わなかったけど、社会に出て初めて、平生先生の残された言葉の重みを感じました。「奉仕」の時代にいると実感している今、少しでも社会に還元できればと考えています。

いずれは能力や富を社会に還元せよ!

(立野さん)平生釟三郎先生が提唱していた「人生三分論」では、第一期は「勉学」の時代、第二期は「仕事」の時代、そして、第三期は「奉仕」の時代とされています。「奉仕」の時代にいる今、感じることは、すべてが奉仕につながるということ。どんな仕事も社会の役に立っているので、社会人は与えられたことに精いっぱい取り組んでください。一生懸命やれば、回りまわって、社会貢献につながるはずです。目に見える奉仕も必要かもしれませんが、それはまだ先の話でいいと思いますよ。

やはり偉大な、平生釟三郎先生 やはり偉大な、平生釟三郎先生

奨学金を利用する学生に向けて
TALK ABOUT

奨学金を使って有意義な学生生活を送るためには、どのような心構えが必要なのでしょうか?これから奨学金の利用を考えている学生に向けて、お二人からメッセージをいただきました。

  • KONAN-PLANET記者

    これから奨学金制度を利用する学生に向けて、それぞれメッセージをお願いします。

  • 堀江さん

    大学の4年間は、長いようで短いです。勉強でも遊びでも、興味を持ったことすべてを全力で取り組んでください。私のように奨学金制度を利用すれば、夢や目標を諦めずに可能性を広げることができます。得た経験や知識を、今後の人生にしっかり活かしていくことが大事だと思っています。皆さんも悔いのない4年間を過ごしましょう。応援しています!

  • 立野さん

    目標を持ち、それを達成して卒業することが将来の糧になると思います。それは勉強だけではなく、スポーツでもなんでもいいんです。何か学生らしいことに没頭して、卒業後の人生に活かせるつながりをつくってほしいですね。もちろんアルバイトをしなければならない環境の人もいるので、もっと奨学金制度を充実させて、学生が学生らしく過ごせるようサポートしたいと思います。

  • KONAN-PLANET記者

    何ごとも一生懸命取り組んで多くのつながりを築いてこられたお二人。悔いのない学生時代を過ごすことが、交流の輪を広げることにつながると感じました。今日は、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!

  • 立野純三(たての じゅんぞう)
    甲南大学法学部 1970年卒
    株式会社ユニオン 代表取締役社長
    甲南大学同窓会前会長

  • 堀江菜那(ほりえ なな)
    甲南大学文学部人間科学科 2021年卒
    現在、鳴門教育大学大学院修士課程に進学し臨床心理士・公認心理師を目指す