2015年の世界選手権から男子が参加する種目が導入された
アーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)。
以来、日本でも男子の競技人口が少しずつ増え、 特に若い選手たちがめざましい活躍を見せています。
見る人に大きな感動を与えるこの競技に 兄弟で挑戦しているのが、
甲南中学1年の横山立(りゅう)さん、甲南高校2年の横山正(しょう)さんのお二人!
競技としての面白さは? 男子選手の強みは?
アーティスティックスイミングの魅力について伺いました。

アーティスティックスイミングを始めたきっかけ
立さんは第74回近畿中学部水泳競技大会のソロで7位! 正さんは大学生・社会人も参加する第98回日本選手権水泳競技大会(2022年)にチームで出場し6位! 素晴らしい成績ですね、おめでとうございます!
ありがとうございます。もうちょっと上位を狙えたかな、と思っています。
ありがとうございます。チームが団結して頑張ってきた成果だと思います。 今年8月に行われた日本アーティスティックスイミングチャレンジカップ2022では男子ソロで出場し、テクニカル4位、フリーで5位という成績を残すことができました。
大学生・社会人も参加する大会で、個人4位の成績はすごいですね!
まずは、お二人がアーティスティックスイミングを始めたきっかけについて教えてください。
兄がやっているのを見て小学2年生から始めましたが、とても練習が厳しかったです。小学4年の頃に一時競技を離れましたが、兄がクラブを移籍したことをきっかけに小学6年で再開しました。今は兄と同じクラブに通っています
やはり練習が厳しいのですね!一日どれくらい練習するものなのでしょう?
陸上でのトレーニングも含めて、平日は3時間くらい、休日は7~9時間くらいです。
7~9時間とは!それはハードですね・・・ 正さんは、どうして始められたのですか?
きっかけはドラマの『ウォーターボーイズ』です!
楽しそうだな、やってみたいなと思ってクラブチームに入りましたが、男子はいないし、本気でやっているから練習もきつい。 映画ではみんなが楽しそうに泳いでいたのに・・・(笑)。 イメージと違いましたが「これはこれでいいな」と思い、やめずに今まで続けています。
現在、お二人は大阪の「YTアーティスティックスイミングクラブ」に所属されているのですね。
はい、中学3年の春までは神戸のクラブに所属していましたが解散になり、卒業目前に現在のYTに移籍しました。このクラブは選手のことを第一に考えてくれるので、練習もとてもやりやすいんです。
甲南中学の水泳部で競泳をやっています。クロールが得意です。
僕も甲南高校の水泳部に所属しています。9月の新人戦ではフリーメドレーに出場しました。
競泳とアーティスティックスイミングの大きな違いはなんでしょう?
たとえば、クロールは「水をかく」のに対して、アーティスティックスイミングは「水をつかむ」感覚。アーティスティックスイミングでは、この「水をつかむ」ことが重要になります。
単に泳ぐのとは違い、プールの中で浮くために水中でずっと足を動かさなければなりません。 そのときに水をつかめていないと浮くことができないんです。 あと、身体のやわらかさも必要です。
演技力や美しく見せる技も必要ですよね。アーティスティックスイミングって、さまざまな技能が求められる競技なんですね。
そうなんです!水の中で体を浮かせ、スピーディに動くためには技術、体力と併せて柔軟性も大事です。
アーティスティックスイミングについて
\ ここで、アーティスティックスイミングについておさらい!/

音楽や他の泳者に合わせて演技を行い、 技の完遂度・同時性、演技構成や芸術性・表現力、
そして技の難易度を競い合う採点競技。
競技種目にはソロ、デュエット、ミックスデュエット、 チーム、フリーコンビネーション、ハイライトがあり、
競技プログラムには規定要素を入れて構成される
テクニカルルーティン競技と 自由な演技で構成されるフリールーティン競技がある。
(公益財団法人 日本水泳連盟HPより(2022年11月時点))
ちなみに、2018年に「シンクロナイズドスイミング」から
「アーティスティックスイミング」に名称が変わりました。

アーティスティックスイミングには、 ソロ、チーム、デュエットと、いろいろな競技種目があるんですね。
はい、ソロは大きく深いプールで一人で演技をし、力強さやキレの良さを表現できます。 デュエットは手や身体の動かし方など、二人の息の合った演技や美しさが大事になります。人数が多いチームは演技構成も様々で一番迫力がある種目です。
リフトで人を持ち上げて上に飛ばすなど見応えもあります。リフトは男子選手が土台になることが多く、男子の見せ場でもあります。
正さんはすべての競技に出場されているそうですが、 中でも好きな競技などありますか?
んー、一番好きなのはチームですね。やはりチームで練習するので団結力が必要ですし、成功した時の達成感や喜びも大きい。これまでやってきて良かったと一緒に喜び合えるのも、チームだからこそだと思います。今回の日本選手権は社会人選手と一緒に出場したので、チームのまとめ方など、とても勉強になりました。
お二人が熱心に打ち込んでいるアーティスティックスイミングですが、一番の魅力はどこにありますか??
水の中で自由に身体を動かし、自由に泳げることです。 やっぱり、泳ぐことが好きなのかもしれません。
アーティスティックスイミングは水の抵抗があったとしても、軽く泳げる感覚があります。深い水の中でしか動かせない体の動かし方もあって、そういうことも面白い。しなやかさと力強さを表現できることも魅力です。
これからの目標
では最後に、これからの目標について教えてください。
「アーティスティックスイミングバッジテスト検定」でステージ9を取ることが目標です。今はステージ6なので頑張りたいです。
まずは、10月から行われる「日本代表派遣選手選考会」です。 ジュニア代表に選ばれると、日本代表として世界の大会に出られます。男子のアーティスティックスイミングは残念ながらオリンピックの正式種目ではありませんが、世界選手権では正式種目になっているので、それも視野に入れて頑張りたいと思います。
アーティスティックスイミングに
もっと男子の選手を!
さらに、日本では男子の選手が少ないので、もっと人数を増やしたい!という思いもあります。高校のグローバル・スタディ・プログラムで学んでいるのも、将来的にアーティスティックスイミングを世界に広げていきたいからです。チームに男子選手がいると注目が集まりやすいですし、男子も女子と変わらず足技もできて、さらに力強さもある。男子がアーティスティックスイミングをすることの魅力を、もっと広く伝えていきたいです。
はい!競技は続けながら大学に進学して、スポーツ科学など人間の体について学びたいと思っています。 筋肉がどうスポーツに影響するのか、体のつくりなどを研究したく、アーティスティックスイミングだけでなく、いろいろなことを勉強して、もっと視野を広げていきたいと思います。


KONAN-PLANET 記者
人数が少ないからこそ注目される 男子のアーティスティックスイミング。
いつか、兄弟がそろって 表彰台に立つ日が来るかもしれません!
横山兄弟への応援、よろしくお願いします!!
「兄弟の活躍の様子」は動画をチェック!