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2023.3.20
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大学生になったら本格的にボランティアがしたい!
そんな熱い想いで甲南大学に入学した、
甲南大学経営学部4年生の宮内 輝(ひかる)さん。
1年生の時にたった2名で立ち上げた
ボランティア団体「palafool(パラフル)」は
1年後にはNPO法人となり、今や
100人を超す学生ボランティアが登録する団体へと成長。
団体を立ち上げたきっかけ、NPO法人化の苦労話、
そして今後の夢について、熱く語っていただきます!

 

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

宮内さん、今日はよろしくお願いします。

 

 

宮内さん

よろしくお願いします

 

 

KONAN-PLANET 記者

宮内さんが代表を務めるNPO法人palafoolでは、

どんな活動をされているのですか。

 

 

 

「子ども食堂」と「子どもたちの夢を叶える」二つの活動

 

 

 

 

大きく二つあって、一つは子ども食堂の活動です。月に1回、神戸市中央区福祉センターで子どもたちに食事を提供したり、ハロウィンやクリスマスなどのイベントを子どもたちと一緒に楽しんだりしています。もう一つは、子どもたちの夢を叶える活動です。子どもたちのやりたいことや夢を聞いて、それをできるだけカタチにしています。

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
子どもたちの夢!楽しそうですね~ たとえば、どんな夢があるのでしょう。

オープンカーに乗りたい!という子がいたので、知り合いにお願いして乗らせてもらったり、ヘリコプターに乗ったり、水鉄砲を50個用意して公園でチームに分かれて闘ってみたり・・・。1メートルの特大ロールケーキを作ったこともありました。子ども達のためにやってはいますが、活動の前提として、子どもだけでなくボランティアの大学生自身も楽しむことを大切にしています。
宮内さん
宮内さん

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
公式Instagramで拝見しましたが、子どもたちも大学生も楽しんでいる様子が伝わってきました。ぜひ、みなさんも見てみてください!

https://www.instagram.com/palafool/ 甲南大学ボランティアサークル パラフル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大学生だからこそ、できることがある。

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
そもそも、palafoolは、どういうきっかけで始まったのでしょう。

高校生の頃からSDGsについて聞いたり、見たりすることが多い中で、大学生になったらボランティアをやりたい、と考えるようになりました。『SKET DANCE』という高校生がいろいろな悩みや問題を解決するマンガの影響もあります(笑)。ところが甲南大学に入学後、思うようなボランティアができる機会があまりなかった。「それなら自分たちで作ろう!」と、意気投合した知能情報学部の前田 航汰さんと二人でボランティアサークルを立ち上げたのが始まりです。二人でゴミ拾いをすることから始めて、周りの学生たちにも「近くの川の清掃をしよう」とチラシを作って呼びかけたものの、当日は誰も来なかった・・・ということもありました。
宮内さん
宮内さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
そんなことがあったんですね。なかなか上手くいかないものですね。

僕たちは誰かを巻き込んで活動したかったので、大学の地域連携センター(KOREC)で「東灘子どもカフェ」というボランティア団体を紹介してもらったんです。そこでは、70代くらいの方々が子どもに絵本の読み聞かせをしたり、将棋教室をされたりしていました。しかし一方で、カラダを動かして元気に遊びたい子どもたちもいる。子どもたちの楽しいことと、自分たちができることのギャップを感じているというお話を聞いて、子どもたちと目線も近い大学生の僕たちだからできることがあるんじゃないかと思ったんです。
宮内さん
宮内さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
それがきっかけで、子どもたちのイベントを?

そうなんです。お年寄りの買い物代行や掃除、動物関係のボランティア、2リットルのペットボトルを200本集めるというような清掃活動まで、いろいろやってみた結果、自分たちも楽しく活動できると感じたのは子どもと関わる活動だった。でも本当は、救いたいのは子どもだけではありません。
宮内さん
宮内さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
えっ?子どもではない?

 

子どもたちと関わっているうちに、本当に救いたいのはお母さんたちだ、ということが見えてきたんです。特に小さい子どものお母さんは、ずっと忙しくて心が安まる暇もない。ずっとひとりで寂しい思いをしている人や、ストレスを発散したい人もいる。そういうお母さんに少しでも休んでもらえるように、「子どもたちは僕たちが見ているので、ゆっくりしてくださいね」という活動を月に2回、東灘区の公園でやっています
宮内さん
宮内さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
それは、お母さんたちにとってはありがたいですね。
遊んだ後に子どもの様子をメールで報告するなど、信頼関係を築くよう努めてきました。先日は小学生と幼稚園の子どもたちと学生だけで奈良に遠足に行き、奈良公園でシカとふれあたったり、知り合いのラーメン屋さんでラーメン作りを体験したり・・・。子どもたちも楽しんでくれて、お母さんたちも喜んでくれる。この活動はこれからも継続していきたいと思っています。
宮内さん
宮内さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつか、児童館をつくりたい。夢を実現させるためにNPO法人化。

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
ボランティア団体からNPO法人化した、その理由を教えてください。

 

 

 

僕には「児童館をつくる」という目標があります。それを実現させるには、学生だけでは社会における信用が足りないと思い、NPO法人化を考えたんです。具体的にどうすればいいのか分からなかったので、まず市役所に聞きに行きました。
宮内さん
宮内さん

 

そこで、NPOの法人化を支援してくれる団体を紹介してもらい、その方々のサポートで膨大な量の書類を作成しました。登記までに10ヵ月かかるなど、実際はハードルが高く何度も心が折れそうになりましたが、「僕には目標があるんや」ということを思い出し、なんとか乗り切ることができました。大学の先生に相談に乗っていただいたことも心強かったです。
宮内さん
宮内さん

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
宮内さんは経営学部ですよね。学部の学びが役立ったと感じますか?

 

大いに役立っています!経営の全体像について勉強できましたし、会計や財務、事業計画や企業戦略の考え方など、学んだことすべてが今につながっています。特にリーダーシップ論では、従業員、僕たちの場合はスタッフやボランティアのみんなのモチベーションを高めることの重要性も知ることができました。ちなみに、palafoolの活動を持続させるために、2021年、3年生のときに前田 航汰さんと一緒に株式会社を立ち上げました。
宮内さん
宮内さん

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
ええ!大学在学中に二つも起業を!?

 

NPOはやはり収益の確保が課題なんです。2年生でクラウドファンディングを立ち上げたり、神戸市の事業委託として助成してもらったりしましたが、それでも足りない。会社を立ち上げたのは、早い段階で収益を確保するためです。事業内容は企業のSNS発信のサポート。SNSの発信や動画の制作は、40~50代の人たちよりも僕たちの方が得意です。そうした自分たちの得意分野で、価値の提供を行っていきたいと思っています。
宮内さん
宮内さん

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
いろいろなことを叶えてきた宮内さんですが、今後の夢を教えてください。

 

一つは児童館をつくることです。僕自身が通っていて楽しかったこともあり、楽しく通えて、宿泊もできるような児童館を甲南のボランティアも絡めて実現させたい。今は児童館が足りない状況で地域の課題解決にもつながります。ゆくゆくは、児童館の立ち上げまでの流れを構築し、その流れをベースにして若い人たちが各地に児童館をつくるようになればいいなと思っています。
宮内さん
宮内さん

 

 

 

もう一つ、朝活のシェアハウスをつくるという夢があります。大学4年間、10時に寝て3時に起きるという生活をしていました(「3時起き大学生」として話題にもなりました)。朝早く起きるとエネルギーがあり、勉強もはかどるし、一日効率よく動ける。その価値を体験できる場を若い人たちに届けることが夢です。
宮内さん
宮内さん

 

 

 

 

継続してボランティア活動を進めていくには、地域の人々や行政の信頼が必要。

信頼を得るためにボランティアサークルをNPO法人に。

 

 

 

一般市民、お母さん方が安心して子どもを預けられるよう、会社をつくることで信頼を獲得。

企業との連携やスポンサー獲得もしやすく。

 

 

 

同世代への影響力を高める有効なツールとしてSNSに力を入れ、社会にアピール。

TikTokアカウントのフォロワーは1.6万人に。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりたいことを叶えたい」という気持ちが原動力。

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

宮内さんは一人ではなく、仲間と取り組んでいる印象があります。

 

 

宮内さん

確かにそうですね。自分の能力はそれほど高くないと思っているので、みんなの力を借りて、周りに声をかけて手伝ってもらっています。

ITにも強くないので、そこはパートナーの前田さんに頼りっきりです(笑)。

何より、一人よりみんなでやる方が楽しい。自分たちの使える能力を発揮できることが一番です!

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

パワフルに活動されていますが、
そのエネルギーの源はどこからくるのですか?

 

 

宮内さん

僕にはやりたいことが山ほどあって、それを叶えたいという気持ちが原動力になっているのかもしれません。

サークルを立ち上げたのも「やりたいことをやろう」というのがきっかけでしたから。

最終的に目指したいのは、若い人たちがやりたいことに向かって走れるようにすること。

学生なら朝活シェアハウスで、やりたいことを勉強する。子どもなら児童館でやりたいことを楽しむ。

その喜びを知った子どもたちが大学生になって、またやりたいことをやってくれると嬉しいなと思います。

 

 

KONAN-PLANET 記者

最後に、起業に興味のある学生に向けてメッセージをお願いします。

 

 

 

宮内さん

「これしかできない」と思うのではなく、やりたいことは全部できるし、時間もあるし、

やる気を出せばなんでもできるのが学生だと思うんです。大学時代は自分と向き合い、夢をかなえるための時間。

いろんなことに挑戦してほしいですね。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

夢がなかなか見つからない、という学生もいます。

 

 

宮内さん

僕もその一人でした。だから、やりたいなと思ったことを片っ端からやっていったんです。

スカイダイビング、キャンプ、サークルの立ち上げ、ゲイバーに行く、M-1に出場するなど(笑)いろいろなことをやりました。

 

 

宮内さん

今、起業してよかったなと思うのは、学生でありながら大人の人に価値を提供できること、喜んでもらえることです。

そして、なにより「生きているな」という実感がある。適度なヒヤヒヤ感も楽しいですよ。

 

 

 

NPO法人パラフル代表

宮内 輝さん

 

甲南大学経営学部4年生。2019年、大学在学中にボランティア団体「パラフル」を立ち上げ、2020年にはNPO法人化。パラフルという名称は若者のパワフル×多様な個性を表すカラフルから生まれた。コロナ禍で「神戸を元気にする」をテーマに生活困窮世帯に向けて、甲南本通商店街の店舗を拠点にした子供塾や、長期休暇に子供を対象にした各種イベント等を開催し、子どもの居場所づくりに取り組む。

神戸で子供支援に取り組む人たちの活動を表彰する「BE KOBE ミライセッション2020」では「神戸ビルダーズ賞」と「ネッツトヨタゾナ賞」という企業賞をダブル受賞。各種メディアでも取り上げられるなど、注目を浴びている。

 

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