9月からアジアリーグに新規参入! 甲南大学OB創設の
プロアイスホッケークラブ「スターズ神戸」に注目!

NEWS!『甲南人』の活躍 > スポーツ
2025.9.19
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今年5月、西日本初のプロアイスホッケークラブとして誕生した「スターズ神戸」。9月開幕の2025-26シーズンより、アジア最高峰リーグ「アジアリーグアイスホッケー」に新規参入しました。「スターズ神戸」は、1994年に甲南大学体育会アイスホッケー部OBが中心となって創設された社会人チームを母体にしています。なぜ、神戸にプロクラブが生まれたのか、クラブの目指す姿やアジアリーグへの意気込みを、代表の黒澤玲央さんに伺いました。

 

Contents

・ 日本におけるアイスホッケーの現状

・ 甲南大学OB創設チームがアジアリーグへ

・ アイスホッケーの魅力とは

・ スターズ神戸が目指す未来

 

 

 

日本におけるアイスホッケーの現状

 

 

KONAN-PLANET 記者 

 

まず、アイスホッケーの競技人口について教えてください。

 

 


代表 黒澤 玲央さん

 

黒澤さん:アイスホッケーの国内の競技人口は約1万7千人、3,4歳から80代まで幅広い年代の人がアイスホッケーをプレーしています。東日本にはプロのアイスホッケーチームがありますが、昨年まで関西も含めて西日本にはなく、残念ながら関西では認知度が低い状況です。関西における競技人口は約2千人と、割合として少なく、それも、アイスホッケーが関西で馴染みがない要因のひとつではないでしょうか。

 

 

-プロのチームは何チームあるのでしょう。

 

黒澤さん:国内は、北海道の苫小牧、青森県の八戸、栃木県の日光、神奈川県の横浜の4チームがあります。あとは韓国のアニャンというソウルに隣接する都市にチームがあり、昨年は計5チームでアジアリーグを戦っていました。そこに6チーム目として参戦するのが、我々「スターズ神戸」で、西日本では初のプロクラブとなります。

 

 

 

 

 

 

 

-西日本初! それは楽しみです!

 

黒澤さん:じつは、兵庫県内には車で30分圏内にスケートリンクが4箇所あり、大阪にも5箇所あります。それほど環境が整っている地域に、アイスホッケーのプロクラブがあってもおかしくないですよね。神戸には、アイスホッケーを見たことがない方がたくさんいらっしゃるので、まずは、観戦してもらえるよう草の根的な活動を続けているところです。

 

 

 

甲南大学OB創設チームがアジアリーグへ

 

 

-神戸にプロクラブが生まれたきっかけについて聞かせてください。

 

黒澤さん:もともと、スターズ神戸は、30年以上前に甲南大学体育会アイスホッケー部のOBの皆さんが創った社会人アイスホッケーチームです。私は学生時代からアイスホッケーをやっていて、しばらく離れていたのですが14年前から関西に住み始めて、「一緒にやらないか」と誘われてスターズ神戸に入りました。

 

私はこれまで、JリーグやBリーグのプロクラブの運営に関わってきました。さらに、自分が選手だったこともあり、いつかはアイスホッケーのプロクラブを、という思いがありました。けれども、プロスポーツクラブは、お金を生み出さなければ成り立ちません。他のスポーツを含め、以前は実業団クラブとして運営する方法が主流でしたが、親会社の経営難などの理由から廃部に至るケースが数多くありました。現在はプロスポーツクラブ化が進んでいますが、この形でやっていくためには、地域の企業を巻き込んでいく必要があります。

 

 

 

スターズ神戸には、アイスホッケーの魅力が詰まっている

黒澤さん:では、関西ならどの地域が可能か、どういうストーリーがあればプロスポーツクラブとして成り立つのかを考えた時に、スターズ神戸でなければ難しいと思ったのです。スターズ神戸には、自分たちでチームを30年継続してきたという時点で、すでに競技の魅力が詰まっています。競技の認知が低い関西エリアであっても、アイスホッケーが楽しい、素晴らしい競技だということを、OBの皆さんがすでに証明しているなと考えました。

 

 

-なるほど、神戸にはアイスホッケーの土壌があったんですね。

 

黒澤さん:そうですね。また、甲南大学出身の方は神戸で事業をされている方も多いですし、皆さんにご協力いただきながらチームをスタートするということであれば、プロスポーツクラブが作れそうだという光が見えてきた。OBの皆さんのご出資によりベースが固まってきて、さらに地域の輪を広げて、応援してくださる方も増えてきました。それが、少しずつ数字として表れてきた結果、アジアリーグへの参入を承認いただくことができました。

 

 

-選手を集めるという点で、苦労はありましたか

 

黒澤さん:プロの日本人選手を集めるとなると、すでに他のチームがある中で難しいものがありました。アジアリーグには3名の外国人枠がありますが、日本と韓国のリーグなので韓国人選手は外国人扱いになりません。そこで、社会人や学生など、日本のアマチュア選手を中心に、韓国の即戦力の選手で構成しようと考え、約一年前に韓国でトライアウトを行いました。現在、7名の韓国人選手が入団、ほかにも中国の選手、スイスの国籍を持つ選手など、インターナショナルな選手構成になっています。

 

 

 

 

 

-甲南大学、甲南高校のアイスホッケー部と交流があるそうですね。

 

黒澤さん:はい、年に1,2回の交流の場を考えています。先日は甲南の高校生、大学生たちの練習に選手が参加して、技術指導をしたり、プロの選手とコミュニケーションを取ってもらいました。競技レベルが違う選手とふれあうことで大きなインパクトがあったようです。選手との交流が、これからのプレーのヒントになり、プロのレベルを目指すきっかけになると嬉しいなと思っています。将来的には、「甲南大学からスターズ神戸へ」ということもあり得ます。「関西でアイスホッケーをするなら甲南大学に行きたい」という高校生が増えることも期待しています。

 

 

技術指導会写真(左から)甲南大学アイスホッケー部、甲南高校アイスホッケークラブ

 

 

 

アイスホッケーの魅力とは

 

 

-アイスホッケーの魅力について教えてください

 

黒澤さん:私が魅力だと思うのは「音」ですね。あの丸い球を「パック」といいますが、「スティック」でシュート打ち、パックがゴールに入らずフェンスにぶつかった時、ドーンという大きな音がします。さらには、相手チームの選手に体当たりして、全身がドンっと打ち付けられる音やシーンも迫力があります。試合会場では、非日常的な体験を体中で感じられると思いますよ。

 

 

-見所としては、どんなシーンがありますか?

 

黒澤さん:スティックを使って相手をわざと転ばせたり、スポーツマンシップに外れた行為にはペナルティがとられます。そうすると、2分間、場外のペナルティボックスに入らなければなりません。その間は、ゴールキーパー以外では5対4になりますから、得点が生まれやすくなります。観客も、これは得点チャンスだということで盛り上がって、見ごたえあるシーンだと思います。

 

 

 

-アイスホッケーは「氷上の格闘技」といわれますね

 

黒澤さん:ぶつかり合いが激しく、防具をつけていますが顔は縫うぐらいの怪我をします。「これはケンカか?」と思うような激しいプレーも多く、格闘技を見ている感覚に近いかもしれません。試合が終わって、選手たちがヘルメットを取ると、防具を着ているので小顔に見えるのもポイントです(笑)。

 

 

-おお! それはかっこいいですね!

 

黒澤さん:そういう意味では、女性のファンもとても多いです。ヘルメットをかぶっていますが、口の部分は開いているので観客席からでも表情がわかりますし、小顔に見えるし、少し前まで相手チームと喧嘩していた選手が、ヘルメットを取ったら爽やかで・・・となったら、女性の方が振り向く要素満載ですよね(笑) 得点を取るポジションの選手だったり、ゴールキーパーだったり、相手とケンカするのが得意な選手だったり、いろいろな選手が見られるのも楽しいと思います。プレーで魅了されるところもあれば、なんかケンカが始まったぞ!と、観客もワクワク、そわそわするようなシーンが、試合中たくさんある。男女問わず、楽しんでいただける競技だと思いますので、ぜひ一度観戦してみてください。 

 

 

 

 

スターズ神戸が目指す未来

 

 

「TOEIC600点以上」が、入団の条件に

黒澤さん:私たちが選手を集める際に重視したのが、英語です。多国籍なチームでコミュニケーションをとるには、やはり英語が必要です。そこで、スターズ神戸では、選手はもちろん、監督もコーチも、トレーナーも、僕らみたいな営業や広報に携わる人間もTOEIC600以上というのを一つのラインとしています。英語に抵抗があったり、英語力が足りない選手はコミュニケーションを取るのが難しいですし、実際に入ってから本人が負担に感じてしまいます。

 

また、選手のセカンドキャリアを考えたときに、英語ができれば選択肢が広がります。多くの商社や外資系企業ではTOEIC600点以上が書類審査の基準となっていますから、選手にもTOEIC 600点以上の英語力を目標として努力してもらうことで、将来的に選択肢を増やせると考えています。

 

日本のアイスホッケーのレベルの向上へ

黒澤さん:バスケットにNBAがあるように、アイスホッケーにはNHLがありますが、現在プレーする日本人選手はいません。NHLに行くための道筋を考えると、十代でそれなりのリーグでの経験が必要ですし、そのためには中学生や高校生の頃から準備をする必要があります。そういうことも、英語ができなければ世界のアイスホッケー事情をキャッチすることができない。そうした情報を収集し、子どもたちに伝え、世界トップレベル選手を育成していくこと、さらには競技人口を増やすことも、僕らの役目だと思っています。

 

 

 

-9月から、いよいよアジアリーグが始まります!

 

黒澤さん:実力でいうと、やはり既存のチームが上だとは思いますが、まずは一勝という目標を掲げています。アジアリーグは、9月からスタートして3月まで、週末の二連戦を20週行います。11月1日と2日、スターズ神戸のホームでの開幕戦が尼崎の会場で行われ、すでにチケットを販売しています。初日はぜひとも満員の中で開幕したいと思っていますので、皆さん、ぜひ足をお運びください!!

 

 

-スターズ神戸が目指す姿について教えてください

 

神戸のプロチームとして、地域に愛されるチームに

黒澤さん:名前にも「神戸」がついているので、神戸でやる意味、神戸の皆さんから愛されるチームが生まれて、育っていくということが、とても重要だと考えています。他のプロスポーツクラブには親会社や責任企業のバックアップがありますが、スターズ神戸にはそれがありません。いわばギャンブル的なチャレンジになりますが、数多くの地域の企業にご支援いただきながら運営していけるプロスポーツクラブであることが、スターズ神戸のあるべき姿だと思っています。

 

また、スターズ神戸は、甲南大学のOBが創設したチームであり、甲南大学OBの皆さんにバックアップいただいていることが大きな強みとなっています。5月には、甲南学園とのオフィシャルトップパートナー契約も実現しました。2025-26シーズンは公式戦ユニフォームに甲南学園のロゴをつけて、選手たちが戦います。「私も応援してみようかな」というOBの方が少しずつ増えており、とてもありがたいです。

 

 

 

 

 

-最後に、メッセージをお願いします!

 

黒澤さん:スターズ神戸は、甲南大学OBが創設した歴史あるチームですから、ぜひ試合会場に見に来ていただきたいですね。甲南とのつながりのあるチームの応援をきっかけに、アイスホッケーという新しいスポーツを楽しんでいただけたら、僕らとしてもとても嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

スターズ神戸のアジアリーグアイスホッケーへの挑戦、

HOMEでの初陣は、2025年11月1日(土)2日(日)。

スターズ神戸の最初の一歩を応援しよう!

 

 

 

【 2025-2026シーズン アジアリーグアイスホッケー 】


〈 開幕戦 〉

vs.横浜GRITS

9月20日(土)

KOSE新横浜スケートセンター


〈 HOME初陣 〉

vs.レッドイーグルス北海道

11月1日(土)、2日(日)

尼崎スポーツの森アイススケートリンク


※チケットはスターズ神戸オフィシャルHPまで

 

 

 

 

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