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2026.3.17

梅の縁で地域、卒業生との絆をつなぐ 「梅と文化の花結日」

甲南大学の本キャンパスが広がる神戸・岡本は古くから梅の名所として知られています。2016年から梅の季節に合わせて開催しているイベント、「梅と文化の花結日(はなむすび)」は、大学と地域、卒業生との絆を深めると同時に、梅を愛でる文化を育むことを目的にしています。今回のKONAN-PLANETでは、2026年2月21日に開催した「花結日」の様子をご紹介します!


 

「花結日」は毎回、伝統芸能など文化活動の第一線で活躍している卒業生を招いた講演と、キャンパスに近い岡本梅林公園での観梅の催しで構成されます。2026年2月21日に開催した第6回「花結日」では、能楽界から小鼓方大倉流十六世宗家の人間国宝 大倉源次郎さん(1981年文学部卒業)、大鼓方石井流十三世宗家の石井景之さん(1987年法学部卒業)にゲストとしてご登壇いただきました。

 

 

 

梅の名所として知られた岡本

 

 

岡本は江戸時代に「梅は岡本」とうたわれ、最盛期には2万平方メートルの梅林が広がる梅の名所として知られていました。起源については諸説ありますが、羽柴秀吉が度々訪れていたとの伝承があり、寛政8(1796)年から同10(1798)年に刊行された摂津名所図会にも岡本梅林が登場しています。多くの人に愛されてきた梅の中でも岡本を象徴する品種として知られているのが、江戸時代に誕生した重五郎梅。現在、原木はわずか数本を残すのみとなっており、岡本では現在、地域による保存活動が本格的に行われています。

 

 

 

能楽の魅力を小鼓方の人間国宝  大倉源次郎さん、

大鼓方の石井景之さんが伝える

 

(左から 石井景之さん、大倉源次郎さん、能楽研究部の学生)

 

2月21日に開かれた6回目の「花結日」は、「花開萬国春(はなひらくばんこくのはる)」をテーマに開催しました。甲南大学甲友会館で午後1時からスタートした講演で大倉さんと石井さんは、岡本キャンパスで過ごした大学時代を振り返ると共に、演奏を交えて能楽の楽器が奏でる音の魅力について語り合いました。また、会場を訪れた人たちを対象に、手を鼓に見立てて小鼓の打ち方を体感する「エア鼓」の練習も行いました。

 

 

 

岡本梅林公園で観梅と俳句の創作を楽しむ

 

屋内での催しの後は、キャンパスに近い岡本梅林公園で第2部を開催。能楽囃子が会場に流れる中、参加者は観梅を楽しみながら俳句の創作にも取り組みました。

「花結日」では、文化系クラブに所属する甲南大学の学生たちも大きな役割を果たしました。能楽研究部は、4人の部員が能の代表的な演目「高砂」、「胡蝶」を甲友会館と岡本梅林公園で披露しました。公園内では、茶華道料理部道心会が野点を行い、和服姿で参加者たちをもてなしました。

 

 

 

 

 


 

「花結日」を終え、大倉源次郎さんと石井景之さんからメッセージをいただきました。

 

 

【大倉源次郎さん】

大学時代を過ごした岡本は私にとって馴染み深い第2の故郷といえる場所です。自然や歴史文化にあふれ、改めて今考えると素晴らしい環境で学んでいたのだと思います。能楽研究部の部員の皆さんとの交流も懐かしい思い出です。大学では学業だけでなく、実社会に出てから役に立つ人材になることを意識して日々取り組むことの大切さを教えていただきました。

花結日は、大学のキャンパス周辺にお住いの方々や卒業後、学校との繋がりを持ち続けたいと思っているOBが、大学と接点を作るきっかけを作る上で、非常に意義のある取り組みと思っています。地域の人やOBが大学に対してより一層関心を持ち、深く関わっていただけることにつながっていくのではないでしょうか。

普段の生活の延長で気楽に日本の伝統文化に親しめるのも「花結日」の優れた特色です。甲南大学には日本の伝統文化の分野で数多くの卒業生が活躍しています。私を含めた卒業生が講師を務める「伝統文化を学ぶ」を全学共通科目として開講していることも日本の伝統文化への理解を深める上で素晴らしい取り組みと思っています。花結日が、毎年梅が咲く時期の恒例行事として末永く続いていけばうれしいですね。

 

 

【石井景之さん】

今回の花結日にお招きいただいたことで、OB として大学を久しぶりに訪れることができてうれしく思っています。花結日を通じて日本の伝統文化に改めて関心を持っていただけたらうれしいですね。社会のグローバル化が進む時代だからこそ、自国の文化を語ることができる基礎的素養を養うことは大事だと思います。

甲南大学の魅力はなんといっても自由な校風でした。そのおかげで、大学生活を通じて幅広い価値観を養うことができたと思っています。住まいは京都なのですが、異国情緒あふれる神戸の雰囲気も大好きでした。大学では、授業で学ぶだけでなく、実際に体験して社会に出てからの実践力を養うことの大切さを教えていただきました。

花結日は、長い歴史を持った岡本梅林の歴史を多くの人に知っていただけるまたとない機会。地域貢献の視点からも継続していくことでその意義は年々高まっていくはずです。

 


「花結日」のイベントを通して、在校生と卒業生、地域の方々が交流を深めるとともに、日本の伝統文化に触れる貴重な1日となりました。

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