教育学習支援センターでは、KONAN U.VISION2025 教学新機軸Ⅰ「特色ある教育基盤の確立」に資する取り組みとして、「甲南教育学習DXプロジェクト」を運営しています。これは、ニューノーマルにおける遠隔・オンライン授業等に積極的に取り組む授業や取組みを募集・支援し、全学での活用の可能性を追求することを通じて、「新たな時代に向けた甲南教育プログラムのさらなる発展」に貢献することを目的としています。
以下にプロジェクト活動の事例紹介を掲載します。
1:VRを用いた語学学習モデルの構築
【 ねらい 】
2024年4月から開設のグローバル教養学環STAGE所属学生を対象とした外国語習得のための自主学習支援の一環として、VRゴーグルを活用した語学習得機会の提供を目指している。STAGE学生は、4年間で2つの言語圏への留学が求められている。そのため、正課科目を除き、留学前の語学学習や、留学後に語学力を維持・向上させるための環境作りを更に促進する必要がある。そこで、VRゴーグルを活用し、学生の語学力に対応した語学学習アプリを用いた学習環境を提供することで、STAGE学生が多様なプロジェクトに取り組みながらも、正課内外で自律的に語学を学ぶ機会が得られ、語学力および異文化間コミュニケーション能力の向上につながると考える。
【 実現した内容 】
まずはSTAGE学生への語学学習支援として、授業外の時間に、VRを用いた語学学習をSTAGE LoungeおよびGlobal
Connecting Passage(在学生向けの学びの拠点となる学内施設)にて体験できる機会を定期的に設けた。後期には、パソコンでも利用できるようアクセスを拡大し、これらのブースをGlobal Zone(在学生ならびに留学生向けの学内施設)に移動し、全学の学生が利用できるLOFTアクティビティとして導入した。
<導入ソフト・アプリ>
・ImmerseMe
・Immerse
・VirtualSpeech
【 本センターの支援内容 】
アプリケーション導入における各種支援
管理物品:VRヘッドセットMetaQuest2(10セット)、VRアプリ等
※本事例紹介記事は「甲南教育学習DXプロジェクト」の実施報告記録を基に作成しています。
2:オンデマンド授業における動画教材の受講状況把握と試行
【 ねらい 】
教育工学の分野では、昨今、様々なアプローチが提案され、効果や可能性は様々にアピールされているものの、実際に対象となる教育現場でそれらのシステムが効果を発揮できるのか、また、想定通りに役立てることができるのかといった部分は実施現場の状況に大きく依存する。このプロジェクトは、オンライン動画教材の詳細な利用ログの取得を試みるものである。利用ログは、これを手掛かりとして、教材の見直しを行ったり、学習者の状況に適応する教材やテストを配信したりといった様々なアプローチの起点となりうるものである。今回は、オンデマンド形式で開講されている授業を対象に、本学の学生から、実際にどのような情報が収集でき、また、それらがどのようなアプローチの手掛かりになりうるかを調査する。取り組みを通じて、対象とした授業の改善が期待できるだけではなく、本学の今後のアプローチの参考になる広範な知見を得ることを目的とする。
【 実現した機能 】
AI・データサイエンス入門にて、導入から動画資料をもとにエクセルの実習にとりくむ第1回授業~第8回授業は、My KONAN(Learning Management System)上に公開されたリンクをたどって動画を閲覧して実習を行い、さらに指定の期間中にMy KONAN上に整備された課題に回答する形式で授業を実施している。この最初の動画配信を実施するステップについて、詳細な利用ログの取得ができるシステムを利用した調査を実施した。
具体的には、第1回~第8回のすべての授業について、全受講者はオンライン動画配信を行うシステムで授業を受ける状態を達成し、動画教材を閲覧した際のログデータ(学生毎の教材別の閲覧日時・動画再生操作等)を取得することができた。このデータを用いることで、これまで確認することができなかった、該当授業における学生の受講状況を多面的に把握することができた。例えば、授業ごとに動画視聴にかけた時間を把握することが可能である。本授業では、土曜日の13時に授業動画と課題を公開し、次の週の日曜日深夜に課題締め切りとした。第7回授業では、課題締め切り直前だけではなく、授業公開直後の週末に一度利用時間のピークが表れていることが確認できた。また、基本的には多くの学生は学習を1日~2日で集中的に実施していることから、現在の授業方式で学生が計画的・積極的に学びに取り組む状況を作り出せていることが確認できた。
<導入ソフト・アプリ>
Schoo Swing
【 本センターの支援内容 】
アプリケーション導入における各種支援
※本事例紹介記事は「甲南教育学習DXプロジェクト」の実施報告記録を基に作成しています。