日時:2021年12月12日(日)14:00~15:00
企画:森 茂起(甲南大学文学部教授)、川口 茂雄(甲南大学文学部准教授)
講師:足立 加勇(立教大学非常勤講師)、上尾 真道(京都大学研究員)
「アニメとトラウマ」プロジェクト研究グループでは、今回はクローズド形式の研究会を実施した。
『心の危機と臨床の知』21号掲載の論文および年表ポスターと、2020年8月に開催したシンポジウム「2010 年代アニメにおけるトラウマと最終戦争の表象―――『魔法少女まどか☆マギカ』から『ケムリクサ』まで」との内容をひとつのベースとしつつ、戦中・戦後から21世紀現在にいたるまでの日本のアニメ作品・作品史を研究的に論じるための方向性の設定について、さらなる議論をおこなった。
一つひとつの作品が総合芸術であると同時に、総体としていまや長い歴史を有するアニメ文化にたいしては、学的研究の方法論が何層にもわたって分厚く整えられてゆく必要があるだろう。
一つの作品の徹底的な分析、複数の作品の比較、表現傾向の変化/継承の時系列的な追跡、不況や大災害といった社会全体の転機の分析……、等々。
多角的な研究のあり方と可能性に目を配りつつ、今後、ひとつのまとまりをもつ書籍として研究成果を編纂することについても具体的で有意義な検討がなされた。 (報告者:川口 茂雄)