甲南大学 人間科学研究所

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2023/2/7
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【報告】第4回九鬼周造記念シンポジウム「書簡と遺稿が伝える九鬼周造の面影」

 毎年開催されている九鬼周造記念シンポジウムの第4回目となる今回の企画では、遺稿の扱いという観点から哲学者九鬼周造にアプローチしました。

 甲南大学図書館には、九鬼周造の遺した蔵書類とともに数々の書簡や原稿が保管されており、現在、公開に向けた調査と翻刻作業が続けられています。では、哲学の分野において、思想家の書簡や遺稿の発見はどのような意味を持つのでしょうか。未公開資料の発掘の魅力や遺品の公開の難しさはどこにあるでしょうか。このような問題意識のもと、お二人の講師をお招きしてご講演をいただき、フロアを交えて議論がおこなわれました。

 まず、石川県西田幾多郎記念哲学館において資料の保存や翻刻に長年貢献された中嶋優太氏から、翻刻作業の具体的プロセスから新資料の活用にいたるまで、哲学分野における遺稿の扱いの実際について教えていただきました。続いて、九鬼周造書簡の翻刻作業にたずさわってこられた小浜善信氏から、未公開の書簡を翻刻する中で見えてくる九鬼周造の新たな相貌をめぐって、人生と哲学思想の両面からお話しいただきました。

 休憩時間には、甲南大学が保管する未公開の写真資料の一部を来場者の方々に閲覧いただきました。日本思想史の研究に力を注がれる方々や九鬼周造の思想を扱う学位論文を執筆中の方など、遠方からお越しくださった方々も多く、熱意あふれる議論と密度の濃い情報交換が繰り広げられました。

実施日:2022年12月17日(土)

参加者:13名

(報告者:西 欣也)