1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災、その犠牲者は6,400人を超え、全半壊の家屋が約25万棟に達しました。甲南学園も大学院生1名、大学生15名、高校生1名、中学生1名と同窓生合わせて37名もの尊い命を失い、校舎の半数が全壊しました。
あの震災から30年、この節目の年に改めて、大学として、いま何が出来るのか、何を為すべきかを考えるシンポジウムを開催しました。
復旧ではなく復興を目指すこと。街とコミュニティーと市民の生活、そして個々人の心の健康をも復興すべく、地域とともにある甲南大学が、この30年に何をしてきたか、またこれから何をなすべきかが語られました。
参加者は165名(うち学生132名)でしたが、聴衆は皆、終始真剣な表情で講師の先生方の話しに耳を傾け、貴重な学びと気づきを深めることができたシンポジウムでした。
未災者(震災を経験していない世代)に何を継承していくべきなのか、彼らが「自分ごと」として防災・減災の意識を高めるにはどうすれば良いのか。最後のパネルディスカッションでは、この最重要課題を皆で考察し、意見を共有し合うことができました。
また、シンポジウム会場のすぐ外にある「甲南大学ギャルリー・パンセ」では、震災を知らない学生たちが親世代から震災の記憶を継承するために行ったアンケート調査のポスター発表と、甲南学園の被災と復興の記録写真の展示が同時開催され、来場者はそれらも合わせて観覧することができました。
なお、本シンポジウムの全記録は、2026年度の人間科学研究所紀要『心の危機と臨床の知』vol.28(2027年3月発行)に掲載予定です。
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日時:2025年11月29日(土)13:00~17:30
場所:岡本キャンパス511教室(5号館1階)
【基調講演】
阪本真由美 (兵庫県立大学 大学院減災復興政策研究科 教授)
「防災文化の形成に向けて ―阪神・淡路大震災の経験―」
【個別講演】
高石恭子 (甲南大学 文学部 教授/学生相談室専任カウンセラー)
「地域の心のケアの拠点を目指して」
大澤香織(甲南大学 文学部人間科学科 教授)
「災害から心を守る「備え」のために:大学教育の役割と意義」
久保はるか(甲南大学 全学共通教育センター 教授)
「地域防災・被災地支援に大学が関わる意義」
岡村こず恵(甲南大学 全学共通教育センター 特任准教授)
橋本育明(甲南大学法学部法学科3年生/地域連携センター学生コーディネーター「なんティア」代表)
御手洗由璃菜(甲南大学法学部法学科3年生/地域連携センター学生コーディネーター「なんティア」副代表)
「災害ボランティア活動の記憶に向き合うということ:阪神・淡路大震災30年を契機として」
【パネルディスカッション】コメンテイター・司会進行
諏訪清二(兵庫県立大学客員教授/防災教育学会会長/甲南大学非常勤講師)
総合司会:川田都樹子(甲南大学 文学部人間科学科 教授/人間科学研究所 所長)

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日時:2025年11月21日(土)~12月5日(金)
場所:岡本キャンパス「甲南大学ギャルリー・パンセ」(5号館1階)
【アンケート調査ポスター発表】
監修:福井義一(甲南大学 文学部人間科学科 教授)
「震災30年特別授業「トラウマ学」―親から子へ、震災の記憶を継承する―」

【写真展】
監修:川田都樹子(甲南大学 文学部人間科学科 教授/人間科学研究所 所長)
「甲南大学、阪神淡路大震災 被災と復興の写真展」
