政府の進める資産運用立国政策の一環として金融リテラシー教育の充実が求められています。近年では初等・中等教育の授業において金融教育が実施されていますが、経済的に自立した現役の社会人こそ、生活スキルとしての金融リテラシーを身に付ける必要性が高いともいえます。
「金融リテラシー教育プログラム」は、このような社会的ニーズに応えるために、金融ビジネスとは一線を画した大学による中立的な立場から金融教育を行うことを目的とするものです。
本プログラムでは、目まぐるしく変化する経済社会において、生活の質を高めるために必要なお金に関する知識や判断力を磨き、自らの家計管理やライフイベントを想定したマネープラン、緊急時等に備えた金融資産管理などについて考えます。また、自らの資産管理のためばかりでなく、ビジネスにおいて一定の金融リテラシーを身に付けたい方も、リスキリングにぜひ本プログラムをご活用ください。

プログラムの特徴プログラムの特徴

社会人対象・オンラインで学習

社会人対象・オンラインで学習

社会人等の学生以外の方を対象に大学が開講するプログラムです。すべての授業はオンラインで開講し、多忙な社会人が各自のペースで学習します。学習中に生じる質問などにもオンラインで対応しており、双方向のやりとりで学びを深めることができます。

大学の専門家や金融業界の実務家が学習コンテンツを作成

大学の専門家や金融業界の実務家が
学習コンテンツを作成

このプログラムは、学校教育法に基づき特別に編成された課程のプログラムで、理論面や実務面から金融リテラシーに関して体系的な学びを提供します。

履修証明やオープンバッジに対応

履修証明やオープンバッジに対応

履修証明の要件を満たされた方には、履修証明書やオープンバッジを交付し、学修の成果を可視化することができます。

履修証明とは履修証明とは

学校教育法に基づき、一定の要件を満たしてプログラムを修了された方に対しては、甲南大学がその修了を証明する「履修証明書」を交付します。

履修証明の
要件
出願時に履修証明を必要とする意思表示を行い、履修した科目のうち「可」以上の成績を収めた科目の単位数が合計6単位以上である場合に、本プログラムの履修証明を行います。

オープンバッジとはオープンバッジとは

オープンバッジは、世界共通の技術標準規格に沿って発行されるデジタル証明・認証です。ブロックチェーン技術を活用することで、偽造や改ざんが困難な信頼性のある証明書として、個々のスキルを可視化することができます。データで授与されたオープンバッジは、SNSでの共有やメールの署名欄への添付といったように、電子データとして活用するほか、バッジ画像と共に二次元コードを印刷することで名刺等の紙面でも活用することができます。

本プログラムにおける提供科目本プログラムにおける提供科目

本プログラムで履修できる単位数7単位まで

※各講義で取扱うテーマは授業の進行などによって変更される場合があります。

リカレント特設科目DⅠ金融リテラシーのための金商法入門 講師 梅本 剛正 甲南大学 全学共通教育センター 教授リカレント特設科目DⅠ金融リテラシーのための金商法入門 講師 梅本 剛正 甲南大学 全学共通教育センター 教授

金融リテラシー教育の観点から、金融市場における法規制の基本的な内容を理解することを到達目標とします。ある程度、株式取引の経験のある方が授業内容を理解しやすいと思いますが、必要条件ではありません。この科目はオンデマンド形式とオンライン双方向授業とを併用して実施します。双方向授業の当日、時間が合わない場合は授業録画を提供しますので、各自の都合に合わせて学んでいただけます。

  • 第1講ガイダンス・導入
  • 第2講企業内容開示①
  • 第3講企業内容開示②
  • 第4講企業内容開示③
  • 第5講まとめと質疑応答
  • 第6講支配権取引①
  • 第7講支配権取引②
  • 第8講不公正取引規制①
  • 第9講不公正取引規制②
  • 第10講まとめと質疑応答
  • 第11講業者規制①
  • 第12講業者規制②
  • 第13講証券取引所
  • 第14講資産運用業の規制
  • 第15講全体のまとめと質疑応答
  • オンライン双方向授業

このような方におすすめ

公開買付けとはどのようなものか、対象銘柄はどのような値動きをするのか等々個別株投資に必要な規制関連の知識のみならず、新聞等で話題になるビジネス系の法律の背景を知りたい方にお薦めします。

リカレント特設科目DⅡ金融リテラシーのための会社法入門 講師 梅本 剛正 甲南大学 全学共通教育センター 教授リカレント特設科目DⅡ金融リテラシーのための会社法入門 講師 梅本 剛正 甲南大学 全学共通教育センター 教授

この科目では、会社の運営機構や、株主と株式、企業買収などに触れながら、金融リテラシーのために必要となる会社法上の知識を身に付けることを到達目標とします。この科目はオンデマンド形式とオンライン双方向授業とを併用して実施します。双方向授業では時事的な問題も扱います。

  • 第1講ガイダンス・導入
  • 第2講株主総会
  • 第3講取締役会など
  • 第4講取締役の責任
  • 第5講まとめと質疑応答
  • 第6講株主と株式①
  • 第7講株主と株式②
  • 第8講株主還元
  • 第9講新株発行
  • 第10講まとめと質疑応答
  • 第11講親子会社
  • 第12講企業買収①
  • 第13講企業買収②
  • 第14講企業買収③
  • 第15講全体のまとめと質疑応答
  • オンライン双方向授業

このような方におすすめ

敵対的企業買収やMBOがどのようなものなのか等々個別株投資に必要な知識のみならず、新聞等で話題になるビジネス系事件・出来事の法的背景を知りたい方にお薦めします。

リカレント特設科目DⅠ金融ウェルビーイング 提供 三井住友信託銀行株式会社リカレント特設科目DⅠ金融ウェルビーイング 提供 三井住友信託銀行株式会社

人生100年時代となり、一人ひとりの価値観やライフスタイルが多様化している近年、個人の経済的な健全性を確保し、将来の安定を図る「金融ウェルビーイング」という概念が注目されています。この科目では、実生活で必要となる「金融関連の知識」や、長くなったセカンドライフも含めて人生の選択肢を拡大していける「金融リテラシー」のエッセンスを、演習も交えながらオンデマンド形式で体系的に学習していきます。

  • 第1講「ライフイベント表&キャッシュフロー表」の実践演習
  • 第2講「人生100 年時代」の「資産形成」とは?①<投資>
  • 第3講「人生100 年時代」の「資産形成」とは?②<投資>
  • 第4講「人生100 年時代」の「資産形成」とは?③<投資>
  • 第5講「人生100 年時代」の「資産形成」とは?④<保険・ローン>、<持ち家、相続・贈与等>
  • 第6講「人生100 年時代」の「資産の管理・活用策」とは?<年金>(実践演習)
  • 第7講受講者からの質問への回答セッション、
    講義を踏まえた「ライフイベント表&キャッシュフロー表」の実践演習
  • 第8講「ウェルビーイング」・「金融ウェルビーイング」について、
    「信託」と「金融ウェルビーイング」の関わり

このような方におすすめ

金融リテラシー教育の王道ともいえる内容で、基本的にすべての履修生の方に受講して頂きたい科目です。

リカレント特設科目DⅡ資産形成のための証券投資 提供 日興リサーチセンター株式会社(SMBC日興証券グループ)リカレント特設科目DⅡ資産形成のための証券投資 提供 日興リサーチセンター株式会社(SMBC日興証券グループ)

人生100年時代と言われるようになった昨今、人生のウェルビーイングをファイナンス面から支えるために必要な資金は、貯蓄だけではなく、投資を適切に組み合わせて資産形成をしていくことが肝要です。本講義では、投資の基本的な仕組みや特性、リスクマネジメント、運用方法など、証券投資に関する基礎的な知識を習得し、実際に資産運用(証券投資)を開始できるようになるレベルに到達することを目指します。

  • 第1講資産形成について
  • 第2講投資のリスクとリターン
  • 第3講投資商品の基礎/株式①
  • 第4講投資商品の基礎/株式②
  • 第5講投資商品の基礎/債券
  • 第6講投資商品の基礎/投資信託①
  • 第7講投資商品の基礎/投資信託②
  • 第8講セーフティネット、全体のまとめ

このような方におすすめ

投資初心者の方が資産形成に一歩を踏み出すうえで、必要な知識を得たい方にお薦めです。

リカレント特設科目DⅢ行動経済学 講師 木成 勇介  甲南大学マネジメント創造学部 教授リカレント特設科目DⅢ行動経済学 講師 木成 勇介  甲南大学マネジメント創造学部 教授

これまで、日本の家計はあまりリスク資産を持たないと言われてきましたが、この10年間で様子が大きく異なってきました。はっきりとした理由がわかっているわけではありませんが、金融庁などの関係機関が積極的に金融教育に取り組んできたことと無関係ではないでしょう。しかし、漠然とした金融の知識だけで多くのリスク資産を保有することには注意が必要です。この授業では、リスク資産保有に対する行動経済学の考え方、性格や金融リテラシーの役割について解説し、皆さんがリスク資産について考える際の参考にしてほしい基礎知識を提供します。

  • 第1講資産保有の現状
  • 第2講効率市場仮説と資産保有1
  • 第3講効率市場仮説と資産保有2
  • 第4講資産保有の理論
  • 第5講資産保有に影響を与える様々な要因
  • 第6講資産保有に影響を与える行動経済学的要因
  • 第7講金融リテラシーと資産保有
  • 第8講金融リテラシーとナッジ

このような方におすすめ

金融リテラシー教育専門の教員による授業。行動経済学など投資・資産形成の理論面について関心のある方へお薦めです。

リカレント特設科目DⅣ社会人対象生命保健講義 提供 公益財団法人 生命保険文化センターリカレント特設科目DⅣ社会人対象生命保健講義 提供 公益財団法人 生命保険文化センター

生命保険ならびにその周辺知識について学ぶことにより、保険に関する金融リテラシーを身に付けます。
1生活設計の重要性を理解します。
2リスクに備える3つの手段(公的保障・企業保障・私的保障)を理解します。
3社会保険と民間保険の内容ならびに保障範囲を理解します。
4生命保険の概要を理解します。

  • 第1講総論(生命保険の基礎知識)
  • 第2講生活設計の重要性
  • 第3講生命保険の種類①-死亡保障
  • 第4講生命保険の種類②-医療保障
  • 第5講生命保険の種類③-介護保障
  • 第6講生命保険の種類④-老後保障
  • 第7講生命保険と税金
  • 第8講生命保険契約について

このような方におすすめ

生命保険にすでに加入した方やこれから加入する方にとって意外と複雑な生命保険について深く理解したい方にお薦めです。

リカレント特設科目DⅠ金融リテラシー 提供 金融経済教育推進会議リカレント特設科目DⅠ金融リテラシー 提供 金融経済教育推進会議

大学生が身に付けるべき金融リテラシーについて体系的かつ具体的に学習することを目的としたオンデマンドコンテンツです。大学生対象ですが、社会人にとっても有益な内容です。講師は、金融経済教育に関わる官庁・団体の専門家があたります。金融経済教育推進会議提供の「金融リテラシー」は、毎年年度末に審査を受けたうえで次年度の開講可否が決定されます。2025年度も開講の申請を行う予定ですので、開講可否の結果が分かり次第ホームページ等でお知らせいたします。

  • 第1講導入(金融経済教育の重要性)【金融庁/J-FLEC】
  • 第2講人生とお金【金融広報中央委員会/J-FLEC】
  • 第3講お金を稼ぐ【金融広報中央委員会/J-FLEC】
  • 第4講お金と経済【金融広報中央委員会/J-FLEC】
  • 第5講ライフプランを描く①【日本FP協会】人生の3大費用など
  • 第6講ライフプランを描く②【日本FP協会】 キャッシュフローの分析演習など
  • 第7講お金を借りる①【全国銀行協会/J-FLEC】
    クレジットカード・消費者ローンの仕組みと利用上の留意点など
  • 第8講お金を借りる②【全国銀行協会/J-FLEC】 住宅ローンの仕組みと利用上の留意点など
  • 第9講お金をふやす①【日本証券業協会/J-FLEC】
  • 第10講お金をふやす②【投資信託協会/J-FLEC】
  • 第11講リスクに備える①【生命保険文化センター】
  • 第12講リスクに備える②【日本損害保険協会】
  • 第13講トラブルに強くなる【東京都金融広報委員会/J-FLEC】
  • 第14講ライフプランを描く③【日本FP協会】 第6講課題に関する議論など
  • 第15講全体総括【金融広報中央委員会/J-FLEC】

このような方におすすめ

金融リテラシーの総論的な議論を一通り履修したい方へ。

受講までのスケジュール受講までのスケジュール

出願書類を揃え、甲南大学リカレント教育センターへ郵送する出願書類を揃え、甲南大学リカレント教育センターへ郵送する

出願期間

1次募集2024年11月1日~11月30日(最終日消印有効)

2次募集2024年12月20日~2025年1月31日(最終日消印有効)

※1次募集の結果、2次募集を実施しない場合があります。2次募集の実施は12月16日頃にリカレント教育センターホームページでお知らせします。

出願資格高等学校を卒業した者、又はこれと同等以上の学力があると認められる者

募集要項・出願方法はこちらから

選考結果の通知を確認する選考結果の通知を確認する

選考は出願書類により行います。出願者が定員50名を大幅に超過した場合には、志望理由を参考にしながら年齢・居住地域等のバランスを踏まえて選考します。選考結果は、本人宛に郵送で通知します。

発送時期1次募集12月中旬〜下旬2次募集2月中旬〜下旬

諸費用を納入する諸費用を納入する

履修料60,000円履修生登録料5,000円

オンラインのオリエンテーションに参加するオンラインのオリエンテーションに参加する

プログラムの受講方法などについてご案内します。日程は別途お知らせします。

実施時期2025年4月

各科目を受講する各科目を受講する

受講期間(学習コンテンツ視聴期間)2025年4月~2026年1月

履修証明書・オープンバッジの交付履修証明書・オープンバッジの交付

履修証明の要件を満たされた方には、履修証明書やオープンバッジを交付します。※要件については募集要項をご確認ください。

交付時期2026年3月

よくある質問(金融リテラシー教育プログラムについて)よくある質問(金融リテラシー教育プログラムについて)

オンデマンド・オンライン授業について

平均的なITリテラシーのある方であれば,オンデマンド授業は問題ないと思われますし,オンライン授業についてもお仕事などでZOOM会議などの経験があれば対応できるでしょう。ただし,大学ではオンデマンド・オンデマンド関連の情報通信技術関連の助言・指導等の対応はできませんので,予めご了承ください。

オンデマンド授業はコンテンツが公開された後で授業期間内であればいつでも視聴可能です。オンラインでの双方向型授業を実施するのは「金融リテラシーのための金商法」(第1・5・10・15講)と「金融リテラシーのための会社法」(第1・5・10・15講)の2科目で,原則として土曜日に行われます。(日程等は受講者決定後にお知らせします。)リアルタイムで授業に参加できなかった方も後日録画で授業内容を視聴することが可能です。

履修証明について

いいえ。このプログラムでは,出願時に必要と申請された方に限って履修証明を行います。単にプログラムを通じて学習したいだけでしたら,受講したい科目に限って履修して頂くことはできます。

いいえ。履修証明書を必要としない場合はレポートなどの課題を提出する必要はありません。

その他

本学の他のリカレント教育プログラムと異なり,金融リテラシー教育プログラムは遠隔授業を前提にしており,大学での講義等は予定しておりません。大学施設につきましては一般の方と同じ条件でご利用いただけるに過ぎません。

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