活動報告

核酸医薬品やゲノム編集の効率を予測できるRNA/DNAハイブリッド二重鎖の細胞内安定性予測法を開発しました。

甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)のDipanwita Banerjee博士研究員、建石寿枝准教授、杉本直己所長・教授らの研究グループは、スロベニア国立NMRセンターJanez Plavec教授らの研究グループと共同で、様々な疾患を標的とした核酸医薬の設計やゲノム編集の効率化に活用できるRNA/DNAハイブリッド二重鎖の細胞内安定性予測法を開発しました。本研究は、米国化学会誌である「J. Am. Chem. Soc誌」(インパクトファクター = 16.383)(2023年10月発刊)に掲載されました。

本研究は、本事業(研究拠点形成事業)の一環として推進され、スロベニア国立NMRセンターPlavec教授はスロベニア側の研究機関の代表を務めています。スロベニアにおける研究は、中央ヨーロッパ研究基盤コンソーシアムの支援を受けております。本研究成果は、画期的な研究成果であるとして、同コンソーシアムからプレスリリースされています。

中央ヨーロッパ研究基盤コンソーシアムのプレスリリース

https://www.ceric-eric.eu/2023/11/28/press-release-a-new-tool-to-predict-rna-dna-duplexes-stability-in-cells

今後も生命化学分野における研究開発を通じて、科学技術の振興と研究成果を通じた社会還元に寄与してまいります。

(掲載論文)

In-Cell Stability Prediction of RNA/DNA Hybrid Duplexes for Designing Oligonucleotides Aimed at Therapeutics

Dipanwita Banerjee, Hisae Tateishi-Karimata, Maria Toplishek, Tatsuya Ohyama, Saptarshi Ghosh, Shuntaro Takahashi, Marko Trajkovski, Janez Plavec, and Naoki Sugimoto*

J. Am. Chem. Soc. 145, 23503–23518 (2023)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.3c06706?ref=pdf