【健康や美容が気になる方、必読!】
コロナ太りが気になる今こそ知りたい「油の真実」に迫る。
コロナ太りが気になる今こそ知りたい「油の真実」に迫る。
みなさん、美味しいもの好きですよね。長く続くおこもり生活、食べることしか楽しみがないんだよなぁ、なんて声も聞こえてきます。美味しいものには油がつきもの。でも、健康にも美容にもあまりよろしくないから、できれば避けたい。あなたもそう思っているのでは?
そういえば油って、とっても身近な存在なのに意外と詳しく知りません。スーパーの棚にたくさん並んでいる中から、なんとなく選んでる。そこで!今日は食用の油について探ってみようと思います。ほんとうに健康に影響があるの? 美容にいい油って?そんな、「油の真実」に迫ります!!!
油の真実1. | 話題になった「あの油」は食べていい? |
油の真実2. | 油の「オリーブオイル化」現象が止まらない! |
油の真実3. | 油のトレンドはスーパーの棚にあり。 |
油の真実1. 話題になった「あの油」は食べていい?
食べると危ない!?「トランス脂肪酸」って一体なに?
一時期、「マーガリンを食べると危ない」と話題になりました。理由は「トランス脂肪酸」が多く含まれているから。トランス脂肪酸はマーガリンやショートニング、そして、それらを原材料に使ったパンや洋菓子、揚げ物などに含まれており、多く摂りすぎると健康に影響があるとされています。
KONAN-PLANET 記者
やっぱりワルモノ? マーガリンとか健康によくないって聞くし。
ここは油のプロフェッショナルに聞け!ということで、植物油の研究を続けて30年、甲南大学理工学部教授 今井博之先生にトランス脂肪酸について聞きました。
そもそも、日本人の食事は和食メイン。欧米諸国に比べるとそもそも油の摂取量が少ないので、トランス脂肪酸は、あまり気にしなくていい。
だそうです。よかったですね~。
トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、脂質をとる量が多いアメリカやヨーロッパの人たちを対象としたもの。和食中心で、欧米に比べて脂質の摂取量が少ない日本人にも同じ影響があるかは疑問、とのこと。ただ、冠動脈疾患(心臓の心筋に十分な血液が流れないために起こる病気)の危険因子の一つであることは明らかになっているようで、取り過ぎには注意してほしいそうです。つまり、「絶対食べちゃダメ!」と排除する必要はなし。とはいえ、くれぐれも摂りすぎには注意です!
油の真実2. 油の「オリーブオイル化」現象が止まらない!
イタリアでは、昔から体によいといわれている!?
KONAN-PLANET 記者
サラダに、パスタに、オリーブ油をひとまわし。食卓にあるだけで、
おしゃれな気分になりますよね。気づけばスーパーの棚には何種類もの
オリーブ油が。なぜ、ここまで浸透したのか、気になる!
オリーブ油に含まれるから、「オレイン酸」。
いまやオリーブ油は一番人気。スーパーや百貨店では様々な種類のオリーブオイルがズラッと並んでいます。あなたのキッチンにも1本、もしかして2、3本あるのではないでしょうか。なぜ、ここまで人気が出たのか。今井先生によると、
人気の理由、一つ目は「香り」。
オリーブオイルの人気に火が付いたのは1980年代。洋食ブームによって注目を浴びるようになり、かれこれ40年もトレンドのトップに君臨し続けています。
二つ目の理由は、「オレイン酸」がたっぷり含まれているから。
「オレイン酸」、聞いたことありませんか?油のボトルで見かけたこと、ありますよね。では、このオレイン酸、何ものなのでしょうか。
オリーブ油を料理にたっぷり使う
イタリア人は健康寿命が長い?
オリーブ畑が広がる地中海エリアの人たちは、心臓疾患が少ないのだそうです。毎日のように脂っこい食事を食べているのに、です。その理由は、オリーブ油の主成分である「オレイン酸」にあります。オレイン酸は、善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールだけを減らすため、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病予防に役立つんですね。さらに、傷みにくいのもポイントです。そもそも、オレイン酸(oleic acid)という名前は、オリーブ油から分離されたことに由来しているのだそうですよ。オリーブ油に多く含まれているから「オレイン酸」。私も知りませんでした。
日本オイル界の絶対的センター、オリーブ油に少しでも近づこうと、ひまわり油やべに花油、キャノーラ油といった油たちの品種改良が進んでいるそうです。私たちの知らないところで、油がどんどん進化しているとは、驚きです!
油の真実3. 油のトレンドはスーパーの棚にあり。
KONAN-PLANET 記者
オリーブ油だけでなく、さまざまな油が続々登場する昨今。
どれを選べばいいか、正直迷います…
油の世界にもトレンドが!
スーパーの棚は人気オイルの「ランウェイ」。
では実際、どんな油がよく売れているのか? 今井先生は油そのものの研究に飽き足らず、2014年からスーパーマーケットを調査。オイル類の陳列棚にどんな油が並ぶのかを調べるうちに、消費者の嗜好の動向や油のトレンドが見えてきたといいます。特筆すべきは、先ほども紹介したオリーブ油!その勢いは止まることなく、最近では専用のコーナーができるほどの人気ぶり。
そして、最近目につくのが、アマニ油やエゴマ油などの小さなビン。人の体内で合成することができない必須脂肪酸α-リノレン酸を多く含むと、健康志向の人たちの間で話題です。α-リノレン酸は、体内でDHAやEPA(青魚に含まれるアレです)と同じはたらきをしますが、今井先生いわく、「DHAやEPAは魚をよく食べる日本人はそれほど不足していない。魚が苦手な人や肉食の人には有効かもしれない」とのこと。ちなみに、これらは熱に弱いため加熱調理には不向き。サラダやスープにかけるなど、生でいただいてくださいね。
食用から、燃料へ。
脱炭素社会に向けて、バイオ燃料がスタンダードに。
油のトレンドといえば、近年は食用だけでなくバイオ燃料の原料としても注目が高まっています。EUでは、旅客機などの燃料に10%以上のバイオ燃料を含めましょうという目標が設けられているのだそう。植物由来の油から作られるバイオ燃料は環境負荷を減らすだけでなく、原料となる植物が荒れ地でも育つため緑化にもつながります。いわば、持続可能な循環型社会をかなえる期待のホープ。これからは、脱炭素社会へ向けてバイオ燃料はますます活用され、やがてスタンダードになってくるのではないでしょうか。
KONAN-PLANET 記者
油って、知れば知るほど、奥が深い!
世の中のヘルシー志向に
必死に応えようとする健気な姿に泣けてきました…
これからは、バイオ燃料としての油にも注目。
「油は人と地球を救う!」
といっても過言ではないかも、です。
ますます、油のトレンドから目が離せません!!!
みなさんも、ぜひご注目を。
- 今回お話しを聞いた人
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甲南大学 理工学部 生物学科 今井博之 教授
総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了後、オハイオ州立マイアミ大学博士研究員として、ナタネ油の脂肪酸合成に関する研究に従事。1995年に甲南大学に着任後、植物脂質、特にスフィンゴ脂質という”謎めいた脂質”の代謝に関する研究を行っている。