「好きなこと」を仕事に
内定から一転インフルエンサーへの道
内定から一転インフルエンサーへの道
「コテコテの関西弁」で自身のライフスタイルを発信する人気インフルエンサー『ちゃぴさんです。』こと、嶋田渚さん。甲南大学在学中、青木先生(マーケティング)の卒業論文をきっかけに本格的にSNSでの活動をスタート。YouTubeのチャンネル登録者数 49.4万人、Instagramのフォロワーは29.9万人に。単なるインフルエンサーの枠にとどまらず起業家としても活躍しています。内定を辞退し起業を選んだきっかけ、自らの発信を続けるマインド、「好き」を仕事にする魅力について、詳しくお話を伺いました。

2022年甲南大学マネジメント創造学部(CUBE)卒業。在学中、卒業研究をきっかけにSNSを活用したビジネスをスタート。大学卒業後は個人事業主としてSNS活動を続け、合同会社VER. of you を起業。ダイエットやボディメイク中でも楽しく栄養摂取できるレシピや、トレーニング方法を発信。自分磨きに興味関心のある女性たちから圧倒的な支持を集めている。企業とのコラボによる商品開発なども展開中。
【 YouTube 】 @chapisandes
【 Instagram 】 @nagichapi
【 合同会社VER. of you】 https://versionofyou.jp/
Contents
・ SNS発信の原点は「自分磨き」
・卒業論文が活動のきっかけに
・ CUBEで養った「プレゼン能力」
・ 発信したいのは「自分磨き」の大切さ

KONAN-PLANET 記者
インフルエンサー、経営者として幅広く活躍されています。
SNSを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

嶋田 渚(ちゃぴさんです。)さん
「自分のために時間を作る」体験の価値を実感
嶋田さん:大学生の頃、フィットネスジムでアルバイトをしていました。もともと運動が好きだったわけではなく、コロナ禍で「体を整えよう」とヨガを始めたのがきっかけです。ロックダウンで外出ができず、本当に不健康な生活を送っていて、さすがに「このままでは寿命が縮まる!」と危機感を覚えヨガを始めました。
幼少期は父の仕事の関係で、高校では留学でアメリカで過ごした経験から、コロナ禍はピザやパスタといった高カロリーな食事に偏っていました。そもそも私は運動することが好きじゃないし、努力したり苦しみに耐えるという力がなくて・・・だから運動も全くせず、ベッドの上で1日中スマートフォンを見ているような生活でした。それが、ヨガをするようになって、「自分のために時間を作って、自分のためにエネルギーを注いでる」という体験に、これまでにない価値を感じたんです。「もっと自分のために時間を作ろう」という意識が自分磨きにつながって、その変化や成長を記録するために個人のInstagramアカウントで発信を始めました。

ー 最初は仕事にしようと思っていたわけではないのですね。
嶋田さん:全く思っていませんでした。ヨガを心地よく行うために食事を整えると、体が変わり、選ぶ食べ物も変わっていき、全てが整っていったんです。そのプロセスを発信するうちに、だんだんアカウントが「ウェルネス」というジャンルで確立され、フォロワーが2000人ほどになりました。Instagramの写真や文字数だけでは伝えきれない熱量や考え方を届けたいと、YouTubeでの動画発信もスタートさせました。私、めちゃくちゃコテコテの関西人で(笑)、ノリもテンションも関西弁もすごいコテコテなので、それが刺さる方には刺さってくれたようです。
ー SNSで起業しようと考えたきっかけはありますか?
嶋田さん:今では大人気のサプリブランドVITASがスポンサーになってくださったんです。さらに、MYPROTEIN、Naturecanという会社からもお声がけいただいて、長期のアンバサダー契約につながりました。当時はSNSやインフルエンサーマーケティングがあまり確立されていなかったので、「こんなビジネスが存在するんだ」と驚きでした。企業も私も、視聴者もウィンウィンの関係性になるようなビジネスができるし、好きなことを仕事にできる。長期契約で数年先まで収入も安定すると考えた時に、「あ、これはいける」となりましたね。実は、アルバイト先のフィットネスジムから内定をいただいていたのですが、人事の方も快く背中を押してくださいました。


KONAN-PLANET 記者
本格的に活動を始めたのは、
卒業論文がきっかけだそうですね。
卒業論文で挑んだ「自己ブランディング戦略」
嶋田さん:はい。卒論のテーマを決める際、自分が最も時間を忘れて没頭できるものは何かと考え、当時中毒のようにずっと見ていた「Instagram」を研究対象に選びました。テーマは『Instagramを活用した自己ブランディング戦略』です。
自分のアカウントを使い、投稿する曜日や時間帯、画像の種類などの条件を絞って定量的なデータを集めました。「どういうビジュアルなら保存数が増えるのか」「キャプション(文章)の有無でファンの質はどう変わるのか」といった推移を分析し、どうすれば人の気持ちを揺さぶるアカウントになるかを研究しました。
ー まさに、現在のお仕事に直結するマーケティングですね!
嶋田さん:今思えばそうですね。SNSで影響力を持つためには、テレビのような「100%完璧なエンターテインメント」だけでは不十分だと気づきました。普段何してるんだろう、この人って電車乗るのかな、髪のセットどこでやってるのかな、というような、視聴者がSNSに求めているのは、その人の「リアルな部分」なんです。
例えば、ただ体のアウトラインが綺麗な写真を載せるだけでは、男性ファン層に偏ります。写真と一緒に、「体作りへの思想」や「食生活で大事にしていること」という内面的な情報を掛け合わせることで、フォロワーの7〜8割を女性が占めるようになりました。いかにリアルを見せて、共感と信頼を得られるか、がSNSではとても重要になってくる。そうしたことを卒論を通して論理的に学べたことは大きかったです。



KONAN-PLANET 記者
大学卒業後すぐにフリーランスに。
周囲の反応はいかがでしたか?
内定を断り、自分を信じてフリーランスの道へ
嶋田さん:親にはやはり反対され、人生で初めてダメと言われました。当時はインフルエンサーが今ほど職業として確立されておらず、「まずは就職して社会経験を積んだ方がいい」と言われました。そこで、全力で発揮したのが、CUBEで培った「プレゼン能力」です。現在のスポンサード契約の状況、数ヶ月先までの収支予測、生活費の計算、内定先との比較をまとめ、親にプレゼンしたんです。結果、納得してもらうことができ、現在の活動に専念することになりました。
ー プレゼン能力、役立ちましたね!
嶋田さんがCUBEで一番学んだことは何ですか?
嶋田さん:やはり、プレゼン能力が一番です(笑)。とにかく、相手を説得させる力が身に付きました。CUBEでは、脳が鍛え上げられたと感じています。私は実践で能力をつけるタイプで、課題解決型のグループワークが最も印象に残っています。ある課題に対してチームで役割分担して解決していく。その過程が今、生かされているなと実感しています。インフルエンサーは、ただ影響力があるだけではなく、物を売る力も必要です。私は自分自身が本当に納得し、実感したものしか紹介しないと決めていますが、「あの人が言ってるなら間違いない」と思わせる説得力は大学時代に養いました。

ー 現在は法人化もされています。苦労することなどありますか?
嶋田さん:この活動を始めた頃は人をあまり信用できず、全て自分で抱え込んでいました。法人化して4年目ですが、動画編集を業務委託したり、経理、契約管理などを社員に任せられるようになってから、ようやく発信以外の事業を考える余裕が出てきました。現在は、契約企業との商品開発や監修も担っています。プライベートと仕事の境界線がない生活は大変ですが、自分の管理次第で可能性をいくらでも広げられるこの働き方は、私に合っていると感じています。

KONAN-PLANET 記者
嶋田さんが発信において
大切にしている「軸」は何でしょうか。
嶋田さん:自分のために時間を作ることは、心の余裕や健康につながります。誰もが大切にすべきだと思うのですが、つい後回しにしてしまいがちです。でも人生には限りがあります。自分のために「これやってよかったな」と思えること、人生の中で自分が「楽しい」と思えることの割合を増やしていけば、たとえしんどい環境にいたとしても、より良い人生になる。フォロワーの皆さんに「自分も何か一つ頑張ってみようかな」と思ってもらえるきっかけを提供することが、私の役割だと考えています。
だからこそ、自分のブランディングは守るようにしています。例えば、たまには私も外食したり、お酒を飲んだりしますが、それを前面に出すことはしません。また、夜遅い時間にSNSへ投稿することも避けています。視聴者の皆さんの生活リズムを整えるためにも、基本的には朝の時間に「今日も頑張ろう」と思えるような発信を心がけています。
ー これからの展望と後輩たちへのメッセージをお願いします。
自分を信じることが大切。直感を信じて、まずは一歩を
嶋田さん:SNSの世界には流行り廃りがありますが、数年かけて築いたスポンサー企業さんや視聴者さんとの信頼関係は、私にとって大きな財産です。今後はそうした基盤や、これまで培ってきた知見を活かし、より質の高いサービスやものづくりにも力を入れたいと考えています。
私自身、最初から夢があったわけではありません。でも、自分の「直感」や「信じるもの」を大切にしてきました。自分を信じて、自分が楽しい、充実していると思える仕事を突き詰めれば、結果的に人生の幸福につながっていきます。自分が信じる道を疑わずに、まずは行動してみてください。不器用ながらも一歩ずつ進んでいった先に、自分なりの幸せが見えてくるはずです。
ー 嶋田さん、ありがとうございました。
