【100% THE KOBE】甲南大生が神戸の人たちと一緒に作る
地球も人も喜ぶクラフトビール!?

NEWS!『甲南人』の活躍 > カルチャー
2022.2.21
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おいしそうな泡の画像と「ビール」の文字につられて来てくださったアナタ!
そのお気持ち、非常〜にわかります。おいしですよね~ビールって・・・
今日ご紹介するのは、甲南大生が神戸の人たちと一緒に取り組んだプロジェクト。
ビールとはちょっと結び付かない「〇〇」の葉を使って、
地球にやさしいクラフトビールを誕生させました。
どんな植物を使ったのか、どんな味のビールなのか、気になりませんか?

 

そもそもの始まりは?完成までのステップは?取り組んだメンバーの思いは?
お話を伺うべく、プロジェクトチームの皆さんと
文学部 社会学科の松川 恭子先生にお集まりいただきました。

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

皆さん、本日はありがとうございます!
まず、どのような経緯でプロジェクトが始まったのか教えてください!

 

 

 

山崎 満莉菜さん

 

 

きっかけは、六甲山の自然保全活動をしている父の一言。

私の父、山崎正夫(甲南大学卒業生)は「SHARE WOODS」という屋号で、六甲山の手入れで発生する間伐材の有効活用を目的に、行政や地元企業と協働して内装材や家具の商品開発などをしています。間伐材から出る木材はインテリアとして生まれ変わりますが、葉はどうしても余ってしまう。そこで、父は「杉の葉を使ってビールを作る」というアイディアを思いつき、手伝ってみないか?と私に持ち掛けてきたのです。企画のベースはありましたが、その時点ではまだ本当にビールができるかもわからない状態でした。父には、若い世代に社会と六甲山の実情を知ってもらいたい、という思いもあったようです。

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
山崎さんのお父様からの提案だったのですね!
そこから、どんな風にチームを作っていったのでしょう。

社会活動を経験するいい機会になるし、就職活動にも活かせると思い、学生たちに声をかけてほしいとゼミの松川先生に相談しました。いろんな学生とコミュニケーションを築きたかったので、ゼミだけではなく社会学科全体に周知してもらいました。
山崎 満莉菜さん
山崎 満莉菜さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
ゼミの松川先生に相談されたのですね。
松川先生は、普段どのようなことを教えていらっしゃるのですか?

文化人類学・南アジア研究が専門で、特にインドをフィールドとしてきました。授業ではインドと日本を様々な観点から比較しています。ゼミでは異文化理解・自文化理解をメインに、もう一つの軸としてメディアを通して自己発信する方法を教えています。
松川先生
松川先生

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
これまで、地域連携活動に携わる機会はあったのでしょうか?
今回の話を聞いた時、どのように感じられましたか?

甲南大学では初めてでしたが、以前の職場で地域連携活動に携わっていたのでノウハウはありました。ですから、「これは絶対に面白いことになる!」とピンときました(笑)。メンバーを募ったところ10名の学生が集まってくれて、学生たちの主体性と熱意を感じましたね。山崎さんのお父様の山崎正夫さんがプランをしっかり練って、学生が参加しやすい基盤を作ってくださっていたことも大きなポイントだったと思います。
松川先生
松川先生

 

KONAN-PLANET 記者

 

古屋さん、建家さんは、このお話を聞いたとき、どのように感じましたか?
なぜ、プロジェクトに参加しようと思いましたか?

 

 

 

古屋 佑己さん

 

活動が制限されるコロナ禍に現れたチャンス
コロナ禍でなかなか活動ができていなかったので、すごく嬉しく、貴重な機会だなと感じました。ちょうど感染者数が減少していた時期でタイミングも良く、話を聞いた時、すぐに「やろう!」と思いました。

 

 

 

建家 あいさん

 

ゼミの垣根を超えて好奇心でチャレンジ
私は松川ゼミの所属ではないのですが、松川ゼミの友人からこのプロジェクトの話を聞いて「おもしろそう!」と思い参加を決めました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

コロナ禍で様々な活動が制限され
みんなが何かにチャレンジしたいと考えていたところに
舞い込んできた絶好のチャンスだったのですね。

 

「杉の葉でビールを作る」というプロジェクトのゴールまで、
どのように進めていったのか振り返っていただきましょう!

 

 

 

 

 

■STEP1 定例会議

 

10月18日、第1回目の定例会議からプロジェクトがスタートしました。12月まで、毎週月曜に定例会議を行ない、杉ビールを作ることを目標に、どうすれば支援者に伝わるか、喜んでもらえるかを議論。Instagram班、YouTube班、クラウドファンディング班の3つに分かれて活動し、各班の進捗状況の報告なども行いました。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
Instagram・YouTube・クラウドファンディングと、媒体によって3つのチームに分けたのは、いいアイデアですね!

チームにすることで効率的にプロモーションできましたし、少人数だったので濃密な話し合いができました。私はクラウドファンディング班で、支援者に特典として配布するステッカーなども完成度の高いものが出来たと思います!
山崎 満莉菜さん
山崎 満莉菜さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
クラウドファンディングのページ、拝見しました!
達成率157%という大成功をおさめられていて感動・・・
運営する上で意識したこと、印象に残っていることはありますか?

私もクラウドファンディング班でしたが、「支援者の方たちと私たちの楽しい気持ちを共有しながら、成功というゴールに向かって一緒に走って行きたいな」という思いがありました。そこで、臨場感のある写真を載せること、気持ちを込めて活動報告を書くことなどを意識しました。
建家 あいさん
建家 あいさん

 

 

僕はInstagram班でした。認知度を上げるためにハッシュタグを検証するなど、甲南大学内外への情報発信に努めました。まずは身近な人から徐々に輪を広げていき、Instagramからクラウドファンディングのサイトに飛んでもらうという成果もあり、目標資金を大幅に上回る成果が得られました。プロジェクトの成功にもつながったと思います。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
地道なInstagramでの広報活動って結構大変ですよね。

支援者のニーズを考えると、支援することによって得られるメリットや更新頻度を上げることで実現可能性をアピールすることが重要になります。その部分をしっかり伝えるように心がけました。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

 

 

 

「ビールを作る」だけがゴールじゃない

みなさんのお話を聞いて、杉ビールを作ることが目標でありつつも、目的はそれだけではないと感じました。いかに支援者・協力者を募り、周りを巻き込んでいくか。支援者に対してどのような価値を提供するのか。効率よく進めるために、どう力を合わせていくのか。このプロジェクトを通じて、みなさんは様々なことを経験し、学んでこられたのですね。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

それではいよいよビールの製造工程へ!
初ミーティングの翌週には杉の葉を集めに行っている!?
驚きのスピード感です・・・!

 

 

 

■STEP2 杉の葉集め

 

ここでも繋がる、甲南大学のネットワーク

ビールに使用する杉の葉を求めて六甲山へ。ご協力いただいた山林所有者の坂野さんは、神戸の地元企業である株式会社ARIGATO-CHANの代表取締役社長で、甲南大学の卒業生!坂野さんをはじめ、木こりの北地さんなど多くの方にご協力いただき、無事に目標の約7キロの葉を採取できました。

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
六甲山で杉の葉を採取する、という体験はどうでしたか?

自然にふれる機会があまりないので、とても非日常的な経験でした。毎年、花粉症に苦しめられていて、個人的には杉は憎い存在なのですが、実際に葉にふれて香りを嗅いでみるとハーブ系のすごくスッキリした香りで、杉の印象が変わりました。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

建家 あいさん
建家 あいさん
みんなで山に登り、一緒に作業したという経験は新鮮で楽しかったです。この葉がこれからどんな風にビールになっていくのか、ワクワクした気持ちで作業していました。

 

■STEP3 ビール作り

 

100%神戸産!ローカルブルワリーとの共同開発

ビールの製造には、山崎正夫さんのご紹介によりIN THA DOOR BREWINGさんにご協力いただきました。 地域の農家さんたちと「KOBE LOCAL BEER PROJECT」を立ち上げ、100%神戸産の原材料(麦・ホップ・天然水)でローカルビールを醸造する取り組みを行っています。

 

 

 

\ ビール造りを学生たちが実際に体験 /

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
わー!これはビールの元となる麦芽ですね!

そうです!麦芽一つにしても様々な種類があることに驚きました。熱湯に麦芽を投入し、かき混ぜる作業を体験しましたが、浮力がすごくてうまくかき混ぜるのが難しくて・・・職人さんの高い技術を感じました。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
杉の葉の味付けは、どのように行われたのでしょう?

杉の葉を袋に入れ、くぐらせる方法に挑戦しましたが、それだけでは杉の風味が薄く、最終的にはアロマオイルの抽出方法で蒸留した杉のエッセンスを加えたそうです。その調整がかなり難しかったと聞いています。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

 

 

\ こうしてついに杉ビールが完成!! /

 

 

 

■STEP4/5 試飲会・お披露目会

 

プロジェクトの最終ゴールとして、関係者やメディアに向けての試飲会と、支援者の方々に向けたお披露目会を開催。完成した杉ビールに合うおつまみをみんなで検証するなど、どうすればお客様に喜んでいただけるかを考えて準備を進めました。

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
ついに、お客様にビールを味わってもらう瞬間が!みなさん、どんな心境でしたか?

みんなで乾杯するシーンがあり、ようやく完成した実感がわきました。みんなで頑張ってきてよかったなと思えた瞬間でした。ビールと杉がマッチしているという意見をいただけて嬉しかったです。
山崎 満莉菜さん
山崎 満莉菜さん

建家 あいさん
建家 あいさん
ビールが完成してホッとしたとともに、もっと多くの人に飲んでほしい、楽しんでほしいという気持ちがさらに湧いてきました!

10月からこのプロジェクトを進めてきて、ゴールであるこの日を迎えられて本当に良かったです!支援者の方々とお会いでき、美味しいと言っていただけたことも嬉しかったです。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

みなさんの表情や言葉から大きな達成感が伝わってきました!
現役大学生が関わったプロジェクトとして注目が集まり、
試飲会では新聞社やテレビなどのメディア関係者も来場。
様々な媒体で取り上げられていました!

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
最後に、今回のプロジェクトで学んだこと、これからに活かしたいことを教えてください。

達成感はもちろんですが多くの人に喜んでもらえたことが自分にとって非常に嬉しいポイントでした。地元神戸の様々な方に協力いただき、一緒に楽しい気持ちを共有できたことが何より成功と感じましたし、全てのものづくりには届けたい想いがあるということを学びました。
建家 あいさん
建家 あいさん

山崎 満莉菜さん
山崎 満莉菜さん
挑戦心の大切さに改めて気づきました。チャレンジしていなかったら今回の経験が全てなかったと考えると、自分がチャレンジしたいと思ったことには失敗したとしても足を踏み入れることが大切だと感じました。神戸の企業の方達や、支援者の方々、そしてチームのみんなとコミュニケーションを築くことができて本当に良かったと思います。

何かを成し遂げるにはチームプレーが欠かせないことを痛感したプロジェクトでした。いろんな人を巻き込むという主体性を育むことができたと感じています。Instagramの運営でお客様のニーズを汲み取った経験も、強みとして就職活動に活かしていきたいです。
古屋 佑己さん
古屋 佑己さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
松川先生、学生時代にチームで地域連携活動にチャレンジするというのは、すごく貴重な経験ですよね。

はい、大学内で学ぶことはあくまで知識でしかなく、それをどう生かすかは実際に現場で経験するしかありません。コロナウイルスでいろいろなことが制限される中、非常に幸運なプロジェクトだったと思います。支援者の方々のレスポンスなどを実感しながら行動できた、現場能力が身についたことが1番の収穫だったのではないでしょうか。
松川先生
松川先生

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

気になる杉ビールのお味は、
スッキリした味わいで、杉の風味が後からふわっ。
どんな味なのか気になりますよね!

 

残念ながら、今回のクラウドファンディングは終了しており、
現在、杉ビールをゲットする手段はありません…
ただ、今後再販の可能性もあるそうです。

 

続報を楽しみに待ちましょう・・・!!

 

 

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