【プルデンシャル生命保険株式会社 寄附講座】すべてのコミュニケーションに通じる!人生に役立つ営業スキルとは
「営業」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?なんだか大変そう、コミュ力がないと難しそう、気合いや根性が必要そう・・・そんな漠然としたイメージの「営業」という仕事をひとつの「プロセス」として捉え、分かりやすく、丁寧に紐解いていく授業がプルデンシャル生命保険株式会社による 寄附講座として開講されました。今回は講座を担当された同社神戸第四支社長の湊貴行さん、甲南大学全学共通教育センターの武田佳久特任教授に詳しくお話を伺いました。
Contents
・プルデンシャル生命保険株式会社の寄附講座とは
・営業を科学する
・営業において大切なこと
・キャリア選択の幅を広げよう
1982年生まれ、京都市在住。妻と3人の子供、猫1匹と暮らす。製造業のセールスエンジニアを経て、2011年にプルデンシャル生命保険へ入社。2014年に営業所長、2021年に支社長に就任し、現在は約40名のメンバーとともに業界の変革に取り組む。2023年、一般社団法人日本認知症資産相談士協会を設立し理事に就任。認知症による資産凍結問題の啓発活動を推進し、社会貢献活動にも積極的に取り組む。2024年からは甲南大学への寄附講座を担当。趣味はバスケットボール観戦。
広島県出身。甲南大学経営学部入学を機に神戸へ。在学中はイベントサークル立ち上げや甲南キャンプにチューター、上級生として参加。経営学部学生協議会にも所属。大学卒業後、商社、就職情報会社勤務を経て40代で大阪大学大学院に進学。日本企業の採用課題が研究テーマ。大学院修了後2015年から甲南大学にて勤務。現在は高校、大学、社会の連携もテーマに加わる。教育方針は「一生付き合える人間を育てる」。時間をみつけては、学生とともに創立者 平生釟三郎先生のお墓参りを行い、学園のいまを伝えている。
プルデンシャル生命保険株式会社の寄附講座とは
KONAN-PLANET 記者
まず、寄附講座について教えてください。
湊さん:私たちプルデンシャル生命保険では、「営業という仕事の醍醐味」を大学生のうちに正しく理解いただくために、2015年度より「営業」をテーマとした寄附講座を全国の大学で開講してきました。これまでは本社主導だったのですが、2024年度から支社主導で各エリアの大学と連携できることになり、私たち神戸第四支社は、ぜひとも甲南大学で開講したいとこちらから申し出ました。神戸支社にはライフプランナーと呼ばれる営業職の社員が130名在籍しており、甲南大学の卒業生たちも多く活躍しています。地域に貢献したいという使命感を持つプランナーも多かったことから、今回、甲南大学での開講が実現しました。
武田先生:「人物教育の率先」を掲げる本学では、各学部・学環による専門教育とは別に、全学的に行う「共通教育」にも力を注いでいます。学生が学部等を超えてともに学び交流する機会が重要だと考え、さまざまな「全学共通科目」を用意しています。2023年に、貴社から寄附講座のお話をいただき、昨年の後期に「キャリア創生共通科目」のキャリアデザイン系科目のひとつとして「プラクティカル・キャリアデザインⅡ(4クラス)※」を開講することになりました。
※2024年度「プラクティカル・キャリアデザインⅡ」は1から4クラスまで開講し、4クラスが寄附講座として開講
「キャリア創生共通科目」とは・・・
「全学共通科目」のひとつとして、法律や会計、情報技術に関する実務知識を学ぶ科目から、地域課題への取り組みや異文化理解を促進する科目まで、全学生が自分の所属する学部・学環と関係なく学ぶことができる科目です。文学部で学びながら公務員を目指したり、理工学部に所属しながら金融機関を目指したりといった学生の多様な進路実現に応え、社会で活躍するフィールドを広げていくことができます。
湊さん:この寄附講座では「営業を科学する」をテーマとしています。支社長である私をはじめ、当社のライフプランナーが講師となり、自らのセールス経験に基づいた実践的な講義を行います。営業に必要なスキルや意思決定のメカニズム、セールスプロセスといった基本的なノウハウに加えて、営業職の醍醐味や心構え、人間的成長といった面についても体系的に学べるよう講義しています。
営業を科学する
KONAN-PLANET 記者
「営業を科学する」とは?詳しく教えてください!
営業は誰もが再現できる「科学」である
湊さん:まず、全15回の講義の最初に「営業とは」というオリエンテーションを行います。営業職についてネガティブに捉えている学生さんも多く、実際に営業職で入社したけれど、やっぱり合わないということで営業職を離れていったり、嫌々仕事をしたりする人も少なくありません。 ところで、みなさん、「営業は気合や根性」と思っていませんか?
ーたしかに!根性で乗り切る、というイメージもありますね。
湊さん:弊社では、営業は再現性のある「科学」だと捉えています。では、具体的にどうするのか。本講義では、それぞれのセールスプロセスについて単元ごとに分けて授業を行いました。 また、それぞれの講義の間にワークショップでの実践も行いました。ロールプレイングでは、「自分の持っているものを何か一つ売り込む」という課題で自分のペンや服を相手にプレゼンします。そうして、「営業って実際にやってみると難しいな」、ということを実感してもらいました。
営業は「マネジメント」も重要課題
湊さん:後半は「マネジメント」についての講義です。営業は言われた仕事だけをするのではなく、自分自身で創造性を持ってやらなければならないことも多く、個人のセルフマネジメントも必要です。また、ある程度業績を上げていくと、部下がついてチームをまとめる立場になったりします。プレイングマネージャーとして活躍する場面も出てきますので、チームマネジメントの方法も学びます。さらに、弊社の入社1~3年目の若手のライフプランナーを呼んでパネルディスカッションを行うなど、営業の現場のリアルな声を届ける機会もつくりました。
ーどれくらいの人数が受講したのでしょう
武田先生:全学部の3年次が対象でしたが、履修したのは94名で、聴講を希望する学生を合わせると約100名の学生が受講しました。この講義は火曜日の1限目にありましたが、出席率も非常に高く、真剣に受講している姿が印象的でした。
湊さん:そうなんですよ。1限目なのに皆さんとても頑張っていましたね!
武田先生:学問をインプットしていく授業とは違い、実際に働いていていらっしゃる方々のお話を聞きながら進んでいくわけですから、リアル感がとても高かったように思います。会社で長年やってきたことやキャリアの選択など、その人のストーリーも見えてくる。学生にとって貴重な時間だったのではないでしょうか。
湊さん:営業に限らず、どんな職業でもコミュニケーションが発生します。自分の考えを相手に売り込む、わかってもらうスキルは、社会で必ず役立ちます。それこそ、就職活動ともリンクしていて、就活のアドバイスを求めて話をしにきてくれる熱心な学生さんもいましたね。
営業において大切なこと
KONAN-PLANET 記者
講義を通じて特に印象的だったことはありますか
湊さん:営業は話すことやプレゼンテーションが上手であることが大切と思っている人が多いと思うのですが、実は聞く力や質問する力が結構大事だったりします。しゃべることよりも、傾聴の仕方を磨けば営業のスキルが上がるんだよ、という話をしたら、「営業って私にもできるんだ」と感じた学生が多かったようで、営業に対する認識が変わってくれたことが嬉しかったですね。
湊さん:また、講義後の懇親会では、学生さんたちが授業の感想や、この寄附講座がいかに自分に役立ったかを情熱的に語ってくれて、本当にやってよかったなと思いました。学生さんがアルバイトで傾聴することを意識したら、よりお客さんの話を聞くことができて、ニーズを引き出せたという話もあって・・・甲南の学生さんはそうやって、すぐ実践してみる素直な方が多い印象です。次回は、こうしたコミュニケーションの機会を多く作り、対話を増やすなど、学習の成果を高められるようにステップアップしていきたいと考えています。
ー営業で大切なことは、どのようなことでしょう
まずは一旦やってみる「素直さ」が大切
湊さん:営業で一番大事なことは、私は「素直さ」だと思っています。生きている中でいろんな人からアドバイスを受けたり、学んだりすることがありますが、そういうときは、まずは一旦やってみる。素直に聞き入れることができる人は成長曲線が伸びていきますが、どうしても穿った見方をしてしまう人は、最初ちょっと伸び悩んでしまったり、自分流でやってしまったりしてうまくいかないことがあります。喋ったり、聞いたり、空気を読んだりするスキルは後付けでカスタムしていけるので、まずは、素直に受け入れる姿勢が大切だと思います。
ーちなみに湊さんは、ずっと営業をされてきたのですか
湊さん:私は理系の大学を卒業し、金属メーカーに就職しました。そこで、セールスエンジニアとしてやっていく中で、営業の楽しみが分かってきて今の会社に転職しました。そこで一番感じたのは、自分がやってきたことが属人的だった、ということです。私だからできた、と思っていたんですね。弊社では、生命保険業界での経験がある人は採用しません。生命保険を売ったことがない人が大勢入社してくる中で、独自の営業教育が行われるわけですが、誰もがそのプロセスに沿って進んでいけば、ある程度成果が出るんですね。一定レベルに成長するような体系立った教育が行われていて、その再現性に私自身、相当驚きました。
ーそんな貴重なノウハウを、学生たちに伝えているんですね!
うらやましいです・・・
武田先生:今回は貴重なお話もご提供いただいたというところで、学生たちも真剣に向き合っていたようです。私も以前は営業職をしていた時期がありましたので、今更ながら勉強になりました。
キャリア選択の幅を広げよう
KONAN-PLANET 記者
この寄附講座は引き続き開講されるのでしょうか
武田先生:2025年度も後期に開講する予定です。今回の内容が完成形とは考えていなくて、湊さんもおっしゃられたように、学生さんにもう少し参加させる時間があってもいい。そういうところもを一緒に工夫しながら、ぜひ続けていければと思っています。
ー湊さん、最後にメッセージをお願いします。
営業はすべてのコミュニケーションに通じる
湊さん:我々が伝えている営業というのは、すべてのコミュニケーションに通じますし、将来どこかで役立つ。だからこそ、営業志望ではない方や、営業をネガティブに捉えている方にもこの授業を受けてほしいと思っています。また、学生時代で学んだ専門性や、就職して一社目に学んだ専門性などありますが、長い人生の中で、たった数年間だけの経験で自分のキャリアの幅を狭めるのはすごくもったいない。固定観念に捉われることなく、さまざまなことを吸収してキャリア選択の幅をどんどん広げていってほしいなと思います。
■受講前と受講後のモチベーションの変化があれば教えてください。
受講前は受け身の意識がありましたが、授業が始まった当初からその楽しさ、奥深さに気づき、授業に行くことが楽しみになっていました。毎授業違う講師の方が自身の経験や考えをもとにお話をされたので毎回新鮮で、授業を受けるごとに心が揺さぶられる気持ちでした。この授業を受けるモチベーションだけでなく、他授業や活動へのモチベーションにも火をつけてくれました。
■就職活動をするうえでの影響があれば教えてください
営業という職業に対して苦手意識がありましたが、この授業で営業に対する考えや定義が大きく変わりました。営業とは私生活や働く場においてごく自然に存在するもので、自分もこれまで無意識的に行ってきたものだと気づけたからです。今では、就職活動においてどう営業と向き合いながら働くのか、働くうえでどう営業学の知識が活用できるのかを考えるようになりました。
■授業として営業の方から直接話を聞いた感想を教えてください。
これほど貴重で豪華な授業はない、というほど、素晴らしい授業を履修したなと感じています。毎回の授業が、有名な方の講演会に参加するような気分でとてもワクワクした気持ちで受講することができました。また、登壇される営業の方が授業ごとに代わるため、さまざまな年齢層の方の経験談と、それによって形成された人生観に触れることができました。
■どういった学生さんにこの授業をおすすめしたいですか。
可能ならば、全学部必修科目にしていただきたいほど、甲南大生全員に受講してほしいです。人生観が大きく変化したり、日頃の生活や就職活動、将来像など全てにおいてプラスの効果を与えてくれる授業だと感じました。「かっこいい大人になりたい甲南大生」は、ぜひとも受講してください。