甲南大学地域連携センター

KONAN INFINITY

学生からの活動報告No.121

2024年8月21日(水)に「多文化共生センターひょうご」主催の食料・生活用品配布会に参加した。私にとって初めてのボランティア活動となり、たいへん有意義な時間を過ごすことができた。主な活動内容は配布会の会場設営、配布会に来られた方々の案内・誘導、配布物の説明など多岐にわたっていた。中でも私に大きな気づきを与えたのは受付窓口での対応業務だった。

この配布会には日本人だけでなく多くの文化圏から、支援を必要としている人々が訪れる。受付では訪れた人に名前や住所などの個人情報をはじめ、どこでこの配布会を知ったのかなどを事前に用意された紙に記載してもらう。中には日本語を書くのが難しい人や、質問の内容が分からない人、一人で来ている子供などがいる。はじめはどう対応するべきか分からず、他の担当者の方に任せてしまうことが多々あった。しかし、簡単で簡潔な日本語とジェスチャーにより相手に伝わりやすい表現を模索することができた。これは自分自身のあたりまえが相手にとってはあたりまえでないことを身をもって実感する体験となった。

記入してもらった用紙に漏れがないか確認する作業を通して気が付いたことがある。それは配布会を知るきっかけの回答として人づてに聞いた人や、市役所などの行政による広告によって知った人が多いことだ。そこで私はインターネットで情報を集めることが主流になっている現代において、アナログな情報伝達の必要性を強く感じた。情報格差という言葉があるように、すべての人に必要な情報がいきわたる社会の実現を進めることが大切だと思った。

このボランティア活動を通して普段は直接関わらないような人々と交流することができた。普段は気も留めないようなことを考えるきっかけにもなり、多くのことを学ぶことができた。

 

経済学部経済学科一年 加納李稔