「ボランティア活動ってどんな活動があるんだろう」、「ボランティア活動に参加したいけど不安だな」と思ったことはありませんか? 私たち「なんティア」はそんな学生のボランティア活動に対する悩みや不安を解決するため、地域連携センター(KOREC)にて学生のボランティア活動の相談に応じる「学生ピア相談活動(以下ピア相談)」に取り組んでいます【図1】。今年度はこのピア相談を活用した企画「イベント型ピア相談」を開催しました。また、ピア相談の円滑な運用と知名度向上のための取り組みも2つ実施しました。今年度の3つの企画について詳しくご紹介します。
【図1】学生ピア相談を実施している様子
◆甲南大生と学生コーディネーターの双方にとって良い企画を目指して
今年度メイン企画として開催した「イベント型ピア相談」は、二つの目的で実施しました。ひとつは、ボランティア活動に関心があるが参加したことがない甲南大生に参加しやすい機会を提供すること、もうひとつは、私たち学生コーディネーターのコーディネーション力の向上です。具体的には、ボランティアに関心はあるが参加したことがない甲南大生を対象に学生コーディネーターが相談に応じ、夏休みのボランティア活動先を一緒に探しました。また一人でボランティアに参加することに不安を感じている学生のうち希望者には、学生コーディネーターが活動に同行しました。結果、15人の学生から応募があり、ピア相談参加者は9人、同行を実施したのは1人でした。1人の不安を感じる学生に同行できたこと、また、学生コーディネーターにピア相談を通してコーディネーション力を高める場所を提供できたことが、成果であったと捉えています。
◆初めての挑戦から得たもの
「イベント型ピア相談」はコーディネーションチームにとって初めての取り組みであり、得たものが多くありました。プラスの成果は、イベントへの申し込み者数が想定の3倍に当たる15人だったことです。このことから甲南大生の需要に合わせた企画であったと考えられ、甲南大生のニーズを知ることができました。また、「イベント型ピア相談」を企画した時点で想定した評価基準を達成できたことも高く評価できると考えています。具体的な評価基準は、参加学生への事後アンケートにおいて、「イベント型ピア相談に参加して良かったか」、「学生コーディネーターと共にボランティア活動に参加したことで、ボランティア活動に参加しやすいと感じたか」、「今後ボランティア活動に参加するきっかけとなったか」の設問において5段階中4以上の満足度を得ること、学生コーディネーターへの事後アンケートで「ピア相談の経験が、自身のコーディネーション力向上につながったと感じたか」の設問において、5段階中4以上を得ることとしました。結果としてどの項目も5段階中4以上の評価を得ることができました。一方で、改善が求められる点は、当日欠席の多さがあげられます。15人からの応募に対して9人の参加しかありませんでした。また、イベント時間内に日程調整が間に合わず、同行する予定がキャンセルになったことや、それにともなって参加者のアンケート回収ができませんでした。これらの原因は、そもそも時間内に対応が終わるように設計していなかったことや、対応が終わらなかったときどうするかを明確に定めていなかったことが考えられます。
◆新たに進化した「イベント型ピア相談」の開催を願って
初めての企画で多くの改善点がありましたが、甲南大生の需要にあった企画を実施できて、学生コーディネーターも経験を積める企画が開催できたと評価しています。来年度は参加者の当日欠席を防ぐため直前連絡を撤退すること、事前にボランティ活動の情報について念入りに把握して時間内の日程調整が間に合うように工夫すること、日程調整が終わらなかった場合を想定してイベント型ピア相談開催時はコーディネーションチームが全日程に参加するようにする等の改善を予定しています。そして新たに進化した「イベント型ピア相談」の開催を実現したいです。
◆ピア相談の円滑な実施と知名度向上
今年度はメイン企画の「イベント型ピア相談」以外にもピア相談に関する企画を2つ行いました。まずは円滑なピア相談の実現に向けて「フェイスシート」を作成しました。これはピア相談に参加した学生の相談情報や学生コーディネーターの対応記録が1枚の紙で把握できるようにしたもので、学生一人ひとりの情報を把握しやくすることを目的に作成しました。2024年11月から運用を始めています。次にピア相談の知名度向上に向けて、「ピア相談宣伝チラシ」を作成しました。これはピア相談の開催日時や開催場所、ピア相談とは何なのかといったことをチラシにし学内に掲示することで、ピア相談の知名度を向上させることを目的にしています。1年生が中心になって作成しました【図2】。
【図2】学生ピア相談活動を紹介する宣伝ポスター
今年度はコーディネーションチームとしては様々な企画に挑戦し、大きく成長できた1年だったと感じています。来年度も内外に向けて企画を考案し、チームとして成長することで、なんティアの発展に繋げたいです。
チームを代表して
甲南大学法学部3年生 藤本 心菜
KOREC学生コーディネーター「なんティア」
コーディネーションチーム
経営学部3年生 酒井菜緒
法学部2年生 阪上優志
法学部2年生 御手洗由璃菜
文学部1年生 大橋夏芽
グローバル教養学環1年生 永茂いぶき
経済学部1年生 野田彩菜