甲南大学地域連携センター

KONAN INFINITY
21.3.9

「まちゼミ2020」成果報告

「まちゼミ2020」とは

 甲南大学と岡本地域の関係性の変遷を探る「岡本・原風景調査プロジェクト」は、2018年度から3か年のプロジェクトで、本年度が最終年度である。年表、地図、商業動向、人口動向、写真資料等から、地域の大きな変化をもとに(図1)時代区分の仮説を立て、それに基づいて文献・ヒアリング調査を実施した(図2)。詳細は、前回の報告を参照いただきたい。

 

                       (図1)地形図から読み解く土地利用の変容     

 

                       (図2)岡本地域の時代区分の仮説

 

 今回は2020年12月20日に実施された、研修発表の場である「リサーチフェスタ」、2021年1月11日に実施した商店街関係者や調査協力者向けの成果報告会とその成果を中心に報告する。

 

 

リサーチフェスタにて成果発表

 「リサーチフェスタ」とは、高校生・大学生・大学院生が研究成果を発表、また議論する甲南大学のイベントである。2017年度から3年間で累計2,329人が参加する年に1回の大規模な集会であるが、2020年度は新型コロナウイルス感染予防対策のため、オンラインソフトZoomを活用して開催された。

 私たちは3年間の集大成として結果を残したいと思い挑んだが、残念ながら賞の獲得には及ばなかった。緊張したうえ、想定外の質問に十分こたえられず、悔しい思いをした。しかし、自分たちの発表だけでなく、他の参加者の発表を見る・聞くことによる学びも大きかった。プレゼンテーションにおいて、準備量や練習量、そして話し方が重要であると高校生の発表から学んだ。自分たちの中だけで研究を終わらせずに、他者に向けて発表したことによって、多くの気づきを得た。

 

 

まちゼミから学んだこと

 数多くの文献やヒアリング調査から、甲南生と岡本商店街との関わりが時代とともに大きく変遷してきたことが読み取れた。しかし、関わり方は異なっても、商店街の方々の岡本や甲南生を見守る姿勢は変わらず、甲南大学の卒業生も岡本商店街を大切な思い出の場所として記憶していることがわかった。また、現在では学生の顧客としての関わりは減少傾向にあるが、授業やボランティアなど新たな面で関係性を築いている動向も明らかになった。これらのことから、商店街関係者向けの成果報告会では、地域連携・ボランティア系科目の充実や、商店街にアンテナショップを開設し、近隣の甲南女子大学や神戸薬科大学とも共同で商店街との交流機能を持たせる案などを提案した。甲南学園創立者の平尾釟三郎氏の言葉である「共働互助」の伝統を、今後も続けていきたい。

 

(甲南大学 マネジメント創造学部1年生 菊橋 璃慧)

 

 

【プロジェクト参加者】

 文学部 歴史文化学科3年生 中越 悠斗/1年生 前田 彩花

 経営学部2年生 岸田 康平

 経済学部1年生 上村 優以花、橋本 東奈

 マネジメント創造学部1年生 河村 日向子、菊橋 璃慧

 指導教員:甲南大学 共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵