甲南大学地域連携センター

KONAN INFINITY
23.12.8

「甲南生と参加する『児童館のイベントボランティア』」を実施 ~単なる体験会で終わ らないために~

        

イベントを運営する甲南生とこどもたちの顔合わせの様子。(2023 年 10 月 28 日撮影)

 

           

           こどもたちが受付を行っています。
            (2023 年 10 月 28 日撮影)

 

 2023 年 10 月 28 日に「甲南生と参加する『児童館のイベントボランティア』」というボランティアプログラムを実施しました。 このイベントの目的は、参加学生にボランティアのことを知ってもらい今後の参加を促すこと、ボランティア団体の情報提供を行い、安心して参加してもらうことです。自分たちだけで知らない団体の活動に参加することに抵抗のある学生も、同じ甲南生と活動に参加できることで、少しでもボランティア活動のハードルを下げることにつながればと考えました。神戸市立なぎさ児童館の全面的な協力のもと、主に学生の参加の部分を地域連携センター学生コーディネーター「なんティア」で企画し、児童館の「こども秋まつり」の運営をボランティアとして参加しました。

 

●単なる体験会で終わらないために

 事前説明会では、自己紹介などを通して「なんティア」メンバーと知り合いながら、参加する際の注意点や、なぎさ児童館の概要、活動する際に意識してほしいことを伝えました。たとえば、児童館の主役はこどもたちであって、先回りしてアドバイスするようなことは避けること、一見すると単に「こどもと遊ぶ活動」に感じるかもしれないけれど、家に帰っても出迎える家族がいないなど、様々な事情を抱えているこどもや保護者がいる現状にも思いを馳せてほしいことなどです。この事前説明会が、参加学生に安心して参加できるきっかけになるとともに、活動するだけで終わらない体験会になるように努めました。

 

●当日は予想以上の賑わい

 「こども秋まつり」では、射的 、シュート・アタック 、千本引き 、箱の中身当て、プラバン制作の5つのブースを、「なんティア」1 人、参加学生1人、児童 5 人が一組になって運営しました。参加学生は、ブースで運営する児童の見回り、困っている際の声掛けを担い、「なんティア」は、参加学生が困っている際のサポートや、全体の見回りを行いました。各ブースでは、お客さんが来ると、受付でもらうカードにスタンプを押して、遊んでもらい、終わると折り紙やシールなどの景品を渡し、「ありがとうございました」と感謝を伝えます。多くの親子連れや友達同士でお祭りに来ており、どのブースも賑わい、あっという間に終了時刻がきてしまいました。

 

      

 [お祭りブース]参加学生がこどもをサポートしています。(2023 年10 月 28 日撮影)

 

      

    [振り返り]ボランティアに参加して抱いた気持ちを共有しています。
           (2023 年 10 月 28 日撮影)

 

●しっかりと振り返る

 事後研修では、プログラムに参加して、ボランティアについてどのような気持ちを抱いたか、どのような気づきを得たかをグループごとに話し合った後、全体で共有しました。思いを話していくうちに盛り上がり、どのグループも活発に意見が出て、有意義な時間になりました。全体共有では、「当初抱いていた不安な気持ちが、時間が経つにつれて楽しい気持ちに変わった」や、「こどもとの関わり方やボランティア活動の特徴について知ることができた」といった前向きなコメントをいただきました。また、改善を求める意見は今後の対策を考えることができ、気づきや学びに満ちた時間になりました。

 

 今回のボランティアプログラムには、甲南生 6 人の参加がありました。短い告知期間にもかかわらず想定以上の応募があり、喜ばしく感じています。参加学生にとって、こどもたちは活発で積極性があったため、こどもとの距離が近く参加学生にとって新鮮な経験になったようです。参加者(1 年生:4 人、2 年生:1 人、3 年生:1 人)に実施したアンケートでは、すべての参加学生から満足との回答を得ました。「気になることを教えてもらい、笑顔で接してくれ安心できた」、「わからないことも親切に答えてくれた」等の意見をいただき、これからの私たちの活動の励みになりました。多くの参加学生は今後のボランティア参加に前向きな回答をしており、事後研修でも自己目標に対する評価が上がっていたことから、このプログラムの目的は概ね達成できたと評価しています。

 また、私達「なんティア」においても、児童館からのアドバイス、参加者の声により、ボランティアプログラムを企画するにあたって、多くの学びを得ることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。 今後も引き続き、地域のボランティア団体と連携して、より多くの甲南大学生がボランティアに参加できる機会を提供していきます。

 

KOREC 学生コーディネーター 弘中美緒(甲南大学 経済学部 経済学科 2年次生)
森川遥菜(甲南大学 文学部 社会学科 2年次生)