「加古川『知』を結ぶプロジェクト」とは、加古川市が抱える社会問題について学生が課題解決策を企画し、加古川市に提案するという問題解決型プロジェクトです。2021年度に加古川市から提案されたテーマは「ごみ減量」でした。そこで私たちは、いま注目されているコンポストを通じた生ごみの堆肥化活動に着目しました。コンポストとは、堆肥をつくる容器のことで、家庭から出る生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させるものです。私たちのチームは「生ごみから始まる循環型社会~コンポストタウン加古川育成プロジェクト~」という企画を提案するために、現在調査を進めています。
◆フィールドワーク(現地調査)の内容
私たちは、生ごみ減量の重要性やコンポスト普及活動の留意点について文献調査を行いました。次に、今回の企画の実現性やコンポストにおける堆肥促進剤としての竹パウダーの可能性を探るために、様々な文献調査とともに、下記の二つの団体に聞き取り調査を行いました。竹パウダーとは、竹を粉状にしたもので、コンポストの活動を助ける働きをするほか、臭いを抑える効果があります。
ひとつは、竹パウダーを使ったコンポストの普及活動に取り組んでいる「三田市シルバー人材センター竹炭研究会」(プロジェクト代表:佐藤匡昭氏)をたずねました。豊富な資料とともに、竹パウダーの特徴や可能性、コンポスト普及の課題などを教えていただきました(写真1)。
(写真1)感染症対策のため十分に距離を取った上で、代表の佐藤氏にお話を伺う
(2021年12月6日、大西撮影)
次に、加古川市で高齢者大学を運営する「兵庫県いなみ野学園」園芸学科の皆さんに、私たちが検討している中高年や高校生が一緒にコンポストの普及に取り組む企画案について、感想や実現に向けた課題について聞き取りを実施しました。土壌改良剤としての竹パウダーに関心を示された一方で、コンポストに対しては臭いや虫の発生などネガティブなイメージがあるとの率直な意見もいただきました(写真2)。
(写真2)兵庫県いなみ野学園でも、発生した作物残渣の再利用が課題であることがわかった
(2021年12月7日、福谷撮影)
◆最終報告会に向けて
フィールドワークを通して、私たちが検討している企画は小さな取り組みかもしれないですが、あらためて社会的にとても大きな影響を与え得ることを実感しました。今後は、企画案で活動の中心メンバーとして想定している兵庫県立農業高等学校や、全国のコンポスト事例のアドバイザーを務めておられる専門家等にもインタビュー調査を予定しています。ここまでの調査で様々な課題が見つかっています。課題を解決できる企画になるよう、メンバーで議論を重ねています。
(甲南大学 マネジメント創造学部2年次生 鉄本 啓太)
【参加者】
経済学部4年次生 高良 椎菜
法学部4年次生 永野 美幸
マネジメント創造学部3年次生 阿蘇 由城
マネジメント創造学部3年次生 鉄本 啓太
マネジメント創造学部3年次生 中田 悠那
経営学部3年次生 福谷 奈々
文学部人間科学科3年次生 岩橋 潤奈
法学部3年次生 逸見 瞭
経済学部2年次生 片山 幹太
知能情報学部2年次生 水田 将大
文学部歴史文化学科2年次生 大西 哲平
理工学部機能分子学科2年次生 高木 香里
指導教員:甲南大学 共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵