
甲南大学では SDGs 実践プロジェクトの一環として放置竹林問題の解決に取り組んでいます。
放置竹林問題とは、放置されて竹林が引き起こす社会問題・環境問題のことです。
伐採する人手が不足していることや、竹の利活用先が昔と比べて減っているということが原因として挙げられます。
そこで私たちは、①竹の定期的な伐採、②竹の利活用先を増やす、③問題の認知拡大を行うという三つを軸に、これまで様々な活動を行ってきました。
今回は2026年6月21日(日)に神戸市北区に位置する一般社団法人一十土で行った現地活動についてご報告いたします。
開催場所:一般社団法人一十土
開催日時:2026年6月21日(日)
参加人数:学生6名 教員1名(協力者:石光商事株式会社)
今回の活動の目的
1)神戸市立王子動物園様およびiCommonsのトイレに設置させていただく竹炭の置き炭と、竹炭土壌改良剤の製作、2)アグロガーデン様に納品させていただく竹炭、竹チップおよび、「こうべコンポスト」に使用する竹チップの梱包、3)7月6日よりiCommons1階にて開催する七夕イベントで使用する竹灯籠および恋みくじ用の入れ物と中身の製作する目的で現地活動を行いました。
また、プロジェクトでは、今後、農地での竹炭土壌改良剤の活用について、石光商事株式会社さんと連携して取り組む予定にしています。今回、石光商事さんが活動にご参加くださり、一緒に竹炭づくりを行いました。
活動内容
1)まず、竹炭の置き炭の製作に取り組みました。
初めに竹を約40cmの長さに切断し、専用の道具を用いて四割にしました。その後、節を取り除くことで、炭焼き釜の中にできるだけ多くの竹を敷き詰められるようにしました。
竹を炭焼き釜に隙間なく並べた後、焚き口から点火しました。竹炭を作る際は、炭焼き釜をしっかり密閉し、無酸素状態で竹を炭化させることで炭素を多く含む竹炭を作ることが可能となります。炭化の進行状況は煙の量を観察して判断します。煙が多く出始めると竹が燃焼している合図となり、その後煙が少なくなることで炭化の完了を確認します。また、温度が高くなりすぎると竹炭ではなく灰になってしまうため、適切な温度管理を行う必要があります。さらに、炭化の過程で発生した煙を液化することで竹酢液も採取しました。竹酢液からは竹炭と同様に、土壌改良や害虫対策、消臭などの効果を得られます。

次に、土壌改良剤用の竹炭を製作しました。
置き炭づくりで余った竹を無煙炭火器に投入し、点火しました。今回は十分に乾燥した竹を使用したため、比較的短時間で大きな炎が上がり、燃焼が進みました。竹が十分に燃えた後は水をかけて鎮火させます。火種が少しでも残ってしまっていると再び燃え広がり、せっかくできた竹炭が灰になってしまうため、完全に消火できるよう十分な量の水をかけました。

2)また、竹炭が完成するまでの時間を利用して梱包作業も行いました。アグロガーデン様へ納品する竹炭と竹チップをそれぞれ5袋ずつ袋詰めし、さらに「こうべコンポスト」で使用する竹チップ100袋の梱包を行いました。
(神戸市「こうべコンポスト」HP:こうべコンポストプロジェクト – 微生物の力で生ごみを「資源」に!神戸市内の協力菜園で講習会を受講すると、あなたのライフスタイルに合うコンポストと放置竹林から生まれた竹チップをプレゼント!こうべコンポストは生ごみを有効活用する神戸市の資源循環プロジェクトです!)
その後、竹の利活用として竹を燃料とするボイラーについて説明していただきました。このボイラーは一般的なボイラーとは異なり、竹を燃やして熱を得る構造となっているため、焚き口が上部に設置されています。燃焼によって発生した熱がボイラー中心部に集まり、その周囲の水を約80℃まで加熱します。その後、中継設備を経由することで温度を40~50℃程度まで下げ、安全かつ利用しやすい温度のお湯として供給されます。このお湯はお風呂や床暖房などに活用されており、竹3~4本程度でお湯を沸かすことができると説明を受けました。放置竹林対策だけでなく、再生可能なエネルギー資源として竹を活用する取り組みについて学ぶことができました。

3)最後に、七夕イベントで使用する竹灯籠および恋みくじ用の入れ物と中身の製作を行いました。まず、必要な竹を伐採し、用途に応じた長さに切断しました。その後、電動丸ノコやノコギリを使用して形を整え、竹灯籠や恋みくじの入れ物として利用できるよう加工しました。
活動を通して
今回の活動では、竹の利活用について多角的に学ぶことができました。特に竹炭づくりでは、竹を切断して加工する作業から炭化の工程まで実際に体験し、質の良い竹炭を作るためには煙の状態や温度管理が重要であることを学びました。炭焼き釜を密閉して無酸素状態を保つことで竹炭ができる仕組みや、炭化の際に発生する煙から竹酢液が作られることを知り、竹が無駄なく活用できることに驚きました。また、土壌改良剤用の竹炭づくりでは、火が消えたように見えても火種が残っている可能性があり、最後まで注意深く作業することの大切さを実感しました。
さらに、竹を燃料として利用するボイラーの説明を受けたことで、放置竹林の問題解決だけでなく、エネルギー資源としても竹が活用できることを知りました。少量の竹でお湯を沸かすことができる仕組みは非常に興味深く、環境に配慮した取り組みであると感じました。
今回の活動を通して、竹はただ厄介な存在ではなく、竹炭や竹酢液、エネルギー資源、などさまざまな形で活用できる貴重な資源であることを学びました。今後も竹の利活用についてより理解を深めていきたいと思いました。
経営学部 二回生 厚見咲恵