BambooにThank you Projectは、放置竹林問題の解決に取り組むSDGs実践プロジェクトです。
放置竹林問題とは、放置された竹林が引き起こす社会問題・環境問題のことです。伐採する人手が不足していることや、竹の利活用先が昔と比べて減っているということが原因として挙げられます。そこで私たちは、竹の定期的な伐採、②竹の利活用先を増やす、③問題の認知拡大を行うという三つを軸に、これまで様々な活動を行ってきました。
今回は、御影クラッセの「育てる! 味わう! 再利用する! おいしく野菜を食べよう」において、神戸市の『こうベキエーロ』(土の中の微生物により生ごみを分解するコンポストの一種) とコラボして、 ワークショップや放置竹林問題への取り組み紹介を行いましたので報告します。
開催場所:御影クラッセ
開催日時:2025年4月26日、27日
参加学生の人数:9名
1.イベント参加目的
私たちのブースでは、『BambooにThank you Project』の活動内容(これまで取り組んできた竹林整備や関連イベントなど)をご紹介するとともに、ポスターやチラシを用いて放置竹林が抱える問題点や課題について皆様への認知拡大、並びに竹ペレット製品の販売を行いました。さらに、イベント参加を通じて、他団体様(神戸市や「こうべキエーロ」の取組みを受託している一般社団法人オンド様など)との連携強化も目指しました。
2.実施内容
・ブースを設置し、対面でのご説明やパネル展示を通じて、放置竹林問題やプロジェクトの認知拡大を図りました。
(対面での説明) (ブースの設置)
・『こうべキエーロ』のワークショップにおいて、放置竹林が地域環境や生態系にもたらす深刻な悪影響について解説するとともに、キエーロ(コンポスト)における竹炭・竹チップの有用性についてご説明させていただきました。
(こうべキエーロでの放置竹林問題の認知拡大)
・展示ブースでは、私たちが伐採した竹を原料とした竹ペレット製品『こうべ竹太郎』の販売を行いました。この製品は、放置竹林の有効活用という課題解決への貢献を目指しており、イベント期間中には多くのお客様にご関心をいただきました。(イベントを通してお箸・スプーン・フォークセットを1点、マグカップを2点お買い上げいただくことができました。)
(竹ペレット製品「こうべ竹太郎」の販売)
3.感想
今回の御影クラッセでのイベントは、準備期間が限られていたものの、ワークショップを実施しない形式としたため、過去のイベントと比較してメンバーへの負担を軽減し、余裕をもって当日を迎えることができた。このシフト制の導入により、これまでメンバー全員が終日参加し疲労の色が濃かったこれまでのイベントと比較して、各メンバーがより精力的に活動できたことは大きな収穫だった。今回の経験を踏まえ、今後のイベント規模や目的に応じて、より効果的な人員配置を検討していく必要があると考えさせられた。
さらに、『こうべキエーロ』のワークショップにおいて、プロジェクトのメンバーが、放置竹林の現状と課題、そしてコンポストにおける竹炭の有効性について、参加者の皆様に向けて説明する機会を得られたことも重要な成果と言える。参加者は子供からご年配の方まで多岐にわたる世代に及び、幅広い層へ問題提起ができたことは今後の活動にとって大きな意義を持つだろう。
しかしながら、今回のイベントを通じて明確になった課題も存在する。それは、竹ペレット製品の販売における伸び悩みだ。製品については多くの方に興味をお持ちいただけるものの、購入という具体的な行動に繋げることができていない。その主な要因として考えられるのは、やはり価格設定だろう。製品の価値に対して、費用に見合うだけの満足感が十分に伝わっていない可能性がある。価格設定は容易に変更できない現状を踏まえ、今後は竹ペレット製品の製造過程におけるこだわりや、放置竹林問題への私たちの真摯な想い、そして製品に込めた価値などを積極的に発信することで、製品の購買意欲を高めることができるだろう。この課題をミーティングなどで議論し、次のイベントまでに改善したい。
(文責:法学部2年池田康太)