甲南大学地域連携センター

KONAN INFINITY
21.3.8

歴史を振り返り、甲南大学と岡本地域の関係を掘り起こす「まちゼミ」

まちゼミ 2020年度 活動内容

 2019年4月に甲南学園は創立100周年を迎えた。これを記念して、地域連携センターでは2018年9月より、甲南大学と地元である岡本地域とが、100年にわたってどのような関係を築いてきたのかを探る「岡本・原風景調査プロジェクト」を開始した。

 第1年度は、1980~90年に焦点を当て、甲南大生が岡本商店街を居場所のように頻繁に利用していた様子を調査した。また、1960~70年を取り上げた第2年度では、学生と商店街との関係が充実し始める過程を明らかにした。最終年度である2020年度は、1950年代を中心に取り上げつつ、3年間のまとめとして1900~現代までの甲南大生と商店街との関わりの変化について調査した。

 

 

「原風景調査」とは

 まず初めに原風景調査とは、個人の人生の中で深く刻まれている風景や体験を、絵や回顧文等で表現された内容から掘り起こし、人とまちとのつながりの歴史を可視化することで、人々が大切にしてきたまちの在り様や特徴を明らかにする研究手法である。

 まず、事前学習として岡本・神戸の歴史年表、人口と駅の関わり、岡本商店街・神戸の商業、まちづくり関連の行政施策、大学の歴史、流行の変遷等を文献・資料をもとに調査した。また、岡本商店街振興組合の協力を得て、現在の岡本商店街のフィールドワークを行い、現在の商店街の業種や商店街の成り立ちなどについてお話を伺った(図1)。

(図1)岡本商店街フィールドワークの様子(2020年10月20日、岡村撮影)

 

 

ヒアリング調査

 次に、歴史を探る一環として1970(昭和45)年に、甲南大学を卒業した男女1名ずつにヒアリング調査を行なった。資料として、当時と住宅地図や写真を用意して、記憶を思い出せるような環境づくりに努めた(図2)。

 主に、当時よく通った店舗との関わり方や大学生活の様子、印象に残っているエピソード等を伺う。話題になる店舗を地図や史実で確認できると、より一層話が弾んだ(図3)。

 これらをもとに、甲南大生と岡本商店街との関わり方の変化を考察し、12月のリサーチフェスタ、および1月の商店街での成果報告会に向けてプレゼンテーションの準備を進めている。このプロジェクトは甲南大学100周年を記念したプロジェクトであり、今年度は最終年度でもあるため、残りの時間を無駄にせず、良い記録を残したい。

    

     (図2)ヒアリング調査の様子。今とは違う当時の     (図3)当時の住宅地図を見ながら、記憶をたどる。

      学生生活を伺う。(2020年11月24日、岡村撮影)    (2020年12月1日、岡村撮影)

 

(甲南大学 マネジメント創造学部1年生 菊橋 璃慧)

 

 

【プロジェクト参加者】

 文学部 歴史文化学科3年生 中越 悠斗/1年生 前田 彩花

 経営学部2年生 岸田 康平

 経済学部1年生 上村 優以花、橋本 東奈

 マネジメント創造学部1年生 河村 日向子、菊橋 璃慧

 指導教員:甲南大学 共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵