
1.プロジェクトの概要と目的
本プロジェクトは、2019年に甲南大学が鳥取県と締結した就職支援協定に基づき、2022年度から継続されているキャリア教育プロジェクトです。学生が鳥取県への移住者や新しい働き方の実践者にインタビューを行い、その魅力や課題を社会に発信することで、自身のキャリア形成に生かすとともに、同年代の大学生に多様な生き方の選択肢を提示することを目的としています。2025年度は、計9名の学生が参加しました。
2.2024年度から2025年度へ
2024年度は「マルチワーカー」を主なテーマとして設定し、現代の地方における新しい働き方のあり方について調査を行いました。これを踏まえ、2025年度は、多様なスタイルでキャリアを構築している人々に焦点を当て、調査を実施しました。地方へのUターンや地方での起業、仕事と子育ての両立、地域おこし協力隊としての活動など、さまざまな実践を通じてキャリアを形成している方々を対象とし、学生が自身の将来像やキャリアの可能性を具体的に考える契機となることを意図して選定した点に、本年度調査の特徴があります。
3.フィールドワークと成果報告会の実施内容(2025年9月17日〜18日、12月12日)
鳥取県内にて1泊2日の実地調査を行い、4名の方々にインタビューを実施しました。
・山川様(大山乳業農業協同組合):
鳥取県にUターンし、大山乳業農業協同組合に勤務されている山川様からは、地元の「白バ
ラ牛乳」ブランドへの強い愛着や、製品開発にかける思いについてお話を伺いました。
・池本様(湯梨浜町・地域おこし協力隊):
湯梨浜町で地域おこし協力隊として活動されている池本様からは、空き家活用の取り組みを
はじめ、ヨガインストラクターなどご自身のスキルを地域で活かす、「点ではなく線」とし
てのキャリア形成について学びました。
・奥田様(損保ジャパンパートナーズ):
大阪から鳥取県へ移住された奥田様(損保ジャパンパートナーズ)からは、地方ならでは
の暮らしの快適さや、子育てと仕事を両立する生活の実際についてお話を伺いました。
・宮内様(ONESTRUCTION株式会社):
鳥取県で起業されている宮内様からは、地方におけるビジネスチャンスや、起業に伴う現実
的な課題と可能性について学びました。
プロジェクトの締めくくりとして、12月12日に関係者の方々に向け、成果報告会を開催しました。この報告会は、9月のフィールドワークで得た知見を整理し、自らの体験を客観的にまとめて外部へ伝える重要な機会となりました。
4.成果と学生の学び
学生たちはインタビューを通じて、以下のような深い気づきを得ました。
・キャリアの柔軟性:
2024年度の「マルチワーカー」の知見と同様に、「一つの仕事や場所にこだわる必要はな
い」という確信を深めました。
・地方の可能性:
「地方にはないものが多いからこそ、無限の可能性がある」という視点や、都会と地方の差
が人口ほどには大きくないという現実を体感しました。
・能動的な姿勢:
自ら質問を考え、社会人と対話することで、客観的に物事をまとめ伝える力が向上しまし
た。
5.情報発信と今後の展開
本プロジェクトの成果は、以下のメディアを通じて広く社会に発信されます。
・鳥取県移住ポータルサイト「鳥取来楽暮(とっとりこらぼ)」:大学生の目線で綴る移住者イ
ンタビュー記事を掲載。
・甲南大学キャリアセンターウェブサイト:プロジェクト実施報告イラストレポートの公開。
・SNS発信:地域連携センター(KOREC)の公式アカウント等を通じた、活動のリアルタイム
発信。
今後は、参加学生から寄せられた「事前準備期間の確保」や「より深い地域課題へのアプローチ」といった要望を反映し、さらに実践的な地域連携プロジェクトへと発展させていく予定です。
文・文学部社会学科 教授 阿部 真大
<プロジェクト参加メンバー>
山口 紗耶・永田 天音・山田 彩姫(文学部社会学科2年生)
竹池 心杏・安井 優奈(経済学部2年生)
山田 諒(マネジメント創造学部2年生)
向井 あやね(文学部日本語日本文学科1年生)
矢野 平礼(文学部社会学科1年生)
田畑 葵子(マネジメント創造学部1年生)
【指導教員】
文学部社会学科
教授 阿部 真大
