◆地元高校生のメンバーの意見で「場」が動いた
和歌山市立高校と私達甲南大学とのユニット「チーム 貴志快晴(きしかいせい)」は、前回の報告に引き続き『和歌山電鐵貴志川(きしがわ)線の乗降者数の増加』に取り組んでいます。フィールドワーク(現地調査)で得た情報をもとに、住民の貴志川線の利用率向上を考えるにあたり、ブレインストーミングというアイデアを整理する手法を使って、具体的なターゲットを洗い出しました。ゼミの時間だけではとても間に合わないということで、時間外にもメンバーで集まり話し合いました。しかし、初めはどこかで聞いたような企画しか思いつかず、ようやく出た案も貴志川線沿線の実態に即していないということで棄却されました。論議が煮詰まってどうしようもなくなったとき、「観光客に焦点が当てられて、住民が蔑(ないがし)ろにされたら寂しい」という高校生メンバーの声がヒントになって、企画をもう一度見直すことにしました。
◆最終プレゼンテーション
貴志川線沿線には142もの病院があり、また医療・リハビリ関連の大学が予定も含めて多数あること、和歌山県は非常に栄養価が高い柿の生産量が日本一であることなどをSWOT(スウォット)分析で明らかにしました。何度も検討を重ねた結果、「『駅』に『健康』という付加価値を」というコンセプトのもと、次の3つのアイデアにまとめました。①「駅と病院の連携」、②「駅を健康コミュニティ拠点に~和歌電ヘルス」、③「健康食としての和歌山柿の活用」(図1)。締め切りギリギリまで発表資料の手直しをして、全員が最後まで研鑽し続けました。その結果、なんと最優秀賞をいただくことができました(図2)。企画が決まるまでは本当に苦しかったですが、このプロジェクトからとても多くのことを学べたので、参加できて良かったです。
(図1)和歌山市立高校のメンバー作「夏期電車」のイメージ図 (図2)チャレンジアカデミーでの最終プ
(最終プレゼンテーション資料より) レゼンテーション(2020年12月20日、
岡村撮影)
(甲南大学 経営学部1年生 玉井 萌菜弥)
【参加者】
甲南大学 マネジメント創造学部3年生 鎌田 基寛、香山 遥希/2年生 阿蘇 由城
経営学部1年生 玉井 萌菜弥
和歌山市立和歌山高校 2年生 八木 莉純、上田 ひかり、山本 遥菜、室 有華
指導教員:甲南大学 共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵