甲南大学地域連携センター

KONAN INFINITY
23.1.19

子ども達が気軽に立ち寄れる場所を目指して ―はぐねっと♡ひがしなだ

       

             自習室の様子1 (写真:「はぐねっと♡ひがしなだ」提供)

 

<団体プロフィール>———————————————————————————————–

 2016(平成28)年8月、支援を求める声を受けて、児童を対象とした学習支援の活動を始める。活動場所である東灘区の本庄児童館(本庄地域福祉センター2階)は、児童だけでなく地域の方々が集まる憩いの場である。この場所を活動の中心として、自習室とカフェを月に一回、開設している。

 自習室では、ボランティアの学生が児童達の学習のサポートを行っており、お昼にはカフェで学生ボランティアと子ども達、地域の方々が昼食を共にする。多くの甲南大学の学生がこの活動に参加している。

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―地域で自習室とカフェを開設されています。活動のきっかけは何でしたか。

 さまざまな事情を抱えている子どもがいるので、地域で見守る仕組みを考えてくれないかと公的機関より連合自治会長に相談があったんです。そこで、最初は、夏休みの宿題をサポートすることからスタートしました。2016(平成28)年開始なので、もう6年前になります。

最初は、主に配慮が求められる子どもにかかわっていましたが、翌年度には地域全体にアナウンスして、誰でも来てもらえるスタイルにしました。きっかけは受動的でしたが、途中からは自分たちで仕組みを考えて、今の形になりました。

 

―活動の様子を拝見して、子ども達が多いという印象を受けました。

 自習室は平均15人の子ども達が来ていました。でも、新型コロナウイルス感染症が流行っていたときは、2人のときもありましたね。今は、7~8人くらい来てくれているかな。コロナをきっかけに人数は減ってしまいましたね。

カフェの方は、子ども達だけでなく、様々な世代の方が来られて、毎月楽しみにされている方もいらっしゃいます。ただ、今は、コロナの影響で黙食になっています。子ども達とも交流してほしいんですけど。ただ、子ども達が側で食べているのを見るということだけでも喜んでおられます。それを見るとうれしくなります。

 

          

              自習室担当の井上典子さん(左)

                カフェ担当の井指徳信哲さん(右)

 

―地域との交流の場としての役割もあるのですね。子ども達と学生ボランティアの間の交流も深そうですね。

 子ども達は……それはもう喜ぶよね。自分より年齢が上のお姉ちゃん、お兄ちゃんとやりとりできると、子ども達はとても喜びます。私たちが目指しているのは、子ども達が大きくなって、お姉ちゃん、お兄ちゃんとして、手伝いに来てくれるということです。また来てくれるということは、子ども達の目指す存在に学生さん達が見えたということでしょうから。まだ活動年数が浅いので、まだまだだけど、いつかそうなればいいなと思います。

 あと、学生ボランティアのみなさんに子どもたちはとても懐いていますよ。学生さんが帰ってしまった後も、「どこいったん?」、「なんで帰ったん?」って、聞いてくることがあります。学生さんは、子ども達の人気者です。子ども達の中には、大学生との接点がない子もいるからね。

 

―ここに来る子ども達は学生ボランティアとの交流が楽しいのですね。それは、ここが子ども達の“居場所”になるということと繋がるのでしょうか。

 ……最初に、「この場所は、最終的になくなるのが理想ですよね」というお話がありました。皆、それぞれ“居場所”があって、ここに来る必要がないのがいいって。確かに支援が日常になるのは、それはどうなんやろうという思いがあります。また、最初は地域の一部の子にだけ声をかけていましたが、もっと広く地域の人たちにも使ってもらえた方がよいのではという思いもあります。色々な考えがあって今のスタイルになっています。“居場所”というよりは、気軽に行こうかなと思ってもらえるような場所にしたいです。いずれはなくなったほうがいいということと矛盾しますが、細く長く活動を続けていきたいと思っています。

 

         

                自習室の様子2

            (写真:「はぐねっと♡ひがしなだ」提供)

 

―甲南生に一言お願いします。

 本当に感謝しかないです。いつも積極的に関わってくれて、複数回来てくれる学生さんも多いです。月一回だし、来てくれたら子どもは喜ぶから、初めてボランティアに挑戦しようという人には、うってつけの場所だと思います。

 地元の活動を調べてみて、何か参加できることがあれば、是非行ってみてください。学生の皆さんの力が、求められていると思います。

 

話・井上典子氏(はぐねっと♡ひがしなだ自習室担当)

井指徳信哲氏(はぐねっと♡ひがしなだカフェ担当)

文・甲南大学 文学部 3年次 加堂生織

(2022年5月取材)