ゼミの紹介

シェイクスピアの劇作品を扱う。一作品をシェイクスピアの原文でしっかり読む作業(2017年度は『マクベス』Macbeth )を基軸としながら、様々な劇作品のストーリーとテーマ、および映画版・舞台上映版について幅広い知見をえることも同時並行で行う。

シェイクスピアの英語は、現代英語と違い、なかなか“ひとりで電車の中で気軽に読める”ようなものではありません。初期近代英語についての多少の知識と辞書を引く根気が要りますが、ある程度の読み方を習得すれば、時代を超えて語りかけるシェイクスピアの台詞の醍醐味を味わうことがでます。また、劇作品であるため、舞台や映画における演技や演出を見るのも大きな楽しみです。

『マクベス』は、シェイクスピアの四大悲劇の一つで、スコットランドを舞台に、魔女と夫人にそそのかされて野心を抱き最後は破滅する主人公を描く。野心、男らしさ、二枚舌、罪の意識、夫婦関係といった作品中のテーマに加え、この作品が執筆・上演された歴史背景(James I世の即位、Gunpowder plotなど)も含めてアプローチの材料が豊富にある。また、ロマン・ポランスキー監督(1971)、黒澤明監督『蜘蛛の巣城』(1957)、最新のジャスティン・カーゼル監督(2015)などの映画版に加え、野村萬斎の舞台版『マクベス』も国内・海外で再演を繰り返している。

[テキスト]
Cambridge School Shakespeare: Macbeth Ed. Linzy Brady et al., Cambridge: Cambridge UP, 2014.

ゼミの進め方

毎週、授業の冒頭はプレゼンテーションにあてます。最初の一周りは、発表者が好きなシェイクスピア劇を選んで事前に訳本を読み、ストーリーや人物について発表して下さい。次の一周りは映画版や舞台版について発表して下さい。詳しくはゼミが始まってから指示します。

授業のメインは、『マクベス』の講読です。全員の予習が前提です。その上で、1)筋 2)登場人物の性格付け 3)詩的表現・文体・キーワード 4)主題  の4点について発表・討議してもらいます。また、自分で読んで理解できなかった箇所については積極的に質問して下さい。

3回生の時にシェイクスピアを原文で読む力と、ある程度幅広い劇作品についての知見を得た上で、4回生の初めまでに卒論で扱う作品を決めてもらいます。必ずしもシェイクスピア作品でなければいけないというわけではありません。4回生は、授業の中で卒論のテーマを随時発表してもらうと同時に、折々の個別指導も入れながら卒論を書き進めてもらいます。

これまでの卒論テーマ

その他

ゼミ合宿の様子です。


担当者の関心

イギリス文学。シェイクスピアを中心としたエリザベス朝演劇。

研究者情報