ゼミの紹介
かつて白人男性支配層の視点で描かれていたアメリカの歴史は、社会の周縁部に位置していた人々の視座から書き足され、書き直され、多元的なものへと変容してきました。このセミナーは、多様な文化的背景を持つアメリカの人々の歴史的体験を、様々な視点で見つめてみようとするものです。
ゼミの進め方
4年次の終わりに提出する卒業論文は、このセミナーの目的をふまえながら、各自が自由に選んだテーマについて書くことになります。
前期は、人種、ジェンダー、階級をテーマとする論文を皆で精読、ディスカッションした後、レポートを書くことが課題となります。同時に、4回生は、卒論テーマを決定できるよう文献資料の検索・収集を進め、3回生は、文献・資料の見つけ方を学んだ後、各自、卒論のテーマ探しを始めます。
後期は、学生の発表が中心です。4回生は、卒論執筆を念頭においての発表で、1)卒論の中で答えようとする問い、2)その問いに答えるために必要な情報、3)集めた情報から論理的に導きだした自分なりの答え、この3点がどこまでできているかの途中経過報告となります。
3回生は、卒論テーマの選択や情報収集をどのように行えば良いのか、先輩の発表を良く聞いて参考にして下さい。後期の後半に、各自、興味のあるテーマに関する本1冊のブックレポートをしてもらいます。
卒論のテーマの選択は、何に興味があるのか、何が面白いと思うのかをよく考えてみる必要がありますが、同時に、それに関する充分な文献資料を集められるかどうかを見極めながら進めなくてはなりません。従って、テーマを決める前に、インターネットでの検索、また学内および近隣の図書館にも度々足を運ぶことが求められます。
これまでの卒論テーマ
- 「アメリカ黒人女性と北部の女性像 ―ハリエット・ウィルソンの『われらが黒んぼう』を通して―
- 「リトルロック危機 ―セントラル高校における人種統合―」
- 「アメリカ大衆文化―『ウエストサイド・ストーリー』に見るアメリカ社会―」
- 「『アラバマ物語』から見る黒人差別と偏見」
- 「公民権運動と女性」
- 「ベトナム系移民母娘の葛藤と愛情」
- 「第二次大戦中、第442部隊にみられた日本人の伝統的価値観」
- 「アメリカ先住民の過去と現在-先住民と居留地の関係性-」
その他
担当者の関心
アメリカ史・女性史。アメリカの社会・権力構造を考察する。
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