「未分類」カテゴリーアーカイブ

Best Paper Award (Web 2025)

先日,ポルトガルのリスボンで開催されたThe Thirteenth International Conference on Building and Exploring Web Based Environments (WEB 2025) で発表した論文「How to Interpret an Economic Index? Generating Reports with Topic Sentiment Analysis」が,Best Paper Award に選出されました.


この論文では,トピック分析を用いてある期間のニュース記事の潜在トピックを同定したあと,センチメント分析を用いて各トピックの重要文を抽出し,それを基にLLMで経済レポートを生成する手法を提案しました.

ニュース記事からの経済指標の推定は以前の研究で可能になっていましたが,経済指標は単に数値で表現されるため,そこで実際に何が起こっているのかは分かりませんでした.今回の提案手法で経済レポートを自動生成することによって,ある期間の経済状況に影響を与えている具体的な要因が分かるようになりました.

2024年度卒論発表会

いつも写真を撮り忘れてしまうのですが,今回は忘れなかったので久しぶりの投稿です...昨日,2024年度の卒論発表会が行われました.質疑の時間は昨年まで2分だったのですが,今年から3分になり,より活発な議論が交わされました.

最初の発表は,画像から年齢推定を行う研究です.学習データの品質とデータ量,データ拡張が予測精度に与える影響を実験的に考察しました.

次の研究は,株価時系列データの予測です.ChatGPTなどでも使われている Transformer に基づく PatchTST というモデルの有効性を検証しました.PatchTST では複数時系列の同時予測が行えるのですが,実は複数時系列間の依存関係は考慮していません(実装による).それでも個別の時系列を予測するモデルを学習したときよりも性能が高くなることが報告されており,株価時系列でも同じ結果となりました.

次は,花の種類を予測する子供向けモバイル(アンドロイド)アプリの開発です.子供向けのUIを細部までしっかり考えて実装してくれました.デザインを含めて完成度が高く,予測精度が向上すればそのままリリースできそうです.

次はちょっと変わった応用で,蝶の羽化の前兆を検出して通知してくれるアプリの開発です.蝶の羽化は早朝が多いそうですが,必ずしも時間が決まっているわけではなく,羽化自体も2〜3分で終わってしまうので,ちょうど羽化の瞬間をリアルに観察するのは難しいという問題があります.これを解決するためのアプリで,聴衆の反応も良かったように思います.

次が,ヒット曲の歌詞と経済状況との間の関係に関する分析です.ネガティブな歌詞の曲の割合は,完全失業率が上がると下がり,実質賃金指数が上がると上がるという結果になりました.(景気が良いときはネガティブな曲が増え,悪いときはポジティブな曲が増える.)直感に反すると思うかもしれませんが,先行研究で,洋楽でも同じ傾向が報告されています.

最後に,YouTube視聴者に訴求する動画の特徴分析です.ただし,動画自体の特徴ではなく,動画の投稿時間やコメント数,タイトル,サムネイルなどの分析です.いろいろと,ジャンルごとに特徴的なパターンが見つかりました.

質疑のときは指導教員は話してはいけないので,質問にうまく答えられないときなど,もどかしいところもありましたが,なんとか全員終了しました.

みなさん1年間お疲れ様でした.

2021年新ゼミ生顔合わせ

今年もコロナ禍の中の新ゼミ生配属ということで,なかなか顔合わせをする機会がありませんでしたが,緊急事態宣言も解除されたため,やっと行うことができました.

従来は居酒屋やレストランで和やかにとなるのですが,緊急事態宣言が明けたと言っても飲食しておしゃべりできる状況でもないので,13-102で自己紹介など行いました.

その後は,小グループに別れて歓談しました.

多少は打ち解けたでしょうか? これからも何度かB3とB4で交流する機会を設けたいと思います.

特選論文

先日、情報処理学会で発表した論文「経済ニュースによる景況感指数の足元予測」が、情報処理学会論文誌ジャーナルの特選論文に選出されました。

景況感指数は、通常、個人事業主などを対象にした大規模なアンケートから算出されます。この研究は、代替データとしてニュース記事を用いて景況感指数の足元予測を高精度に行ったもので、低コストかつ速報性が高く、景気変動の要因分析も行えることから、今後の実利用が期待されます。

卒研成果発表会

1月30日に卒研の成果発表会が行われました.今年の4年生の卒論のテーマは以下の通りです.

  • 田中翔梧:擬似ラベルを用いたプライバシーポリシーの重要文識別
  • 野津智哉:言語表現モデルを用いた年代ごとのヒット曲の感情分析
  • 林咲希:多言語文埋め込みを利用した英語論文の検索
  • 黒木翔太:レビューサイトの評価とTwitter上の評判の分析
  • 中岸晴:入力文書に適した画像レコメンドシステムの開発
  • 土本雄大:PU学習を用いた新型コロナウイルスに関するデマの識別
  • 髙田祥平:「参考になった数」に着目したレビューの有用性予測

今年はかなりイレギュラーで,初めてのオンライン開催となりました.学生も戸惑うことが多かったかもしれませんが,幸い大きな問題はなく,無事に全員が発表を終了することができました.(むしろ例年のように聴衆の前に立って発表しなかったので,気持ち的にはずっと楽だったかもしれませんね.)

例年は3セッション並列で行うのですが,今回はオンラインだということで,トラブルがあっても大丈夫なように,余裕を持たせて6セッションで行うことになりました.余裕を持たせた分,質疑が例年2分から3分となり,少しだけ多く質問を受け付けることができるようになりました.それでもちょっと短いので,個人的には5分ぐらいに出来ればなと思っています.

あと,ちょっと気になったのは,オンラインだと原稿を手元に持って読むことができてしまうことです.学生は楽ですが,プレゼンテーションは本来(原稿やスクリーンではなく)聴衆を見て,反応を見ながら話をしないといけないので,みんなが今後社会に出て,あるいは進学してから行うプレゼンテーションのための経験としては,不十分なものになってしまいました.

何度も何度も修正して,繰り返し発表練習をすることで,ロジカルで説得力のあるプレゼン資料を作り,それに基づいて分かりやすい説明するという練習にはなったと思いますが,やっぱり対面での発表とオンラインでは緊張感が違うので,体験してほしかったような気はします.来年は状況が改善していることを祈りましょう!

2020年度卒論進捗報告会(第1回)

今年はコロナで研究がかなり遅れていますが,4年生の進捗報告会を行いました.
新しいB3メンバーもだいたい見に来てくれました.

人数は十数名と少ないのですが,現在の状況ではゼミ室の定員を超えてしまうので,広々した13-103で発表です.

卒論発表会でも使う部屋なので,慣れるのにはいいかも? ^^;

サバティカル

2018年3月から1年間、ノースカロライナ大学(UNC)に在外研究で滞在していました。本当は滞在中に少し記事を書こうかと思ったのですが、すでに帰国して3ヶ月が過ぎてしまいました。。。雰囲気だけでも伝わるよう、写真を少しだけあげておきます。

ちなみに、UNCはマイケル・ジョーダンの出身校として有名で、隣のデューク大学(今年ドラフト1位のザイオンがいたところ)とのバスケの試合は異常に盛り上がります。一度生で見てみたかったのですが、チケットが高すぎて諦めました。^^;

所属先のSILS (School of Information and Library Science)。ここの3階のオフィスで研究していました。

大学キャンパス内の道。緑がいっぱいです。リスもいっぱいいます。

UNCのシンボル「Old Well」。大学のロゴに使われています。

SILSの前の中庭(quad)。朝なのであまり人がいませんが、昼にはたくさんの人が芝生でくつろいでいて、ピクニックのようです。

2017年度卒論発表会!

いよいよ今年も卒論発表会の日になりました.終わるかどうか心配な人も少数いましたが,終盤の追い込みで何とか全員そろって発表の日を迎えることができました! 本当によかったです.

ところで,うちの研究室に限らずですが,4年生だと発表後の質疑があまり噛み合わないことがよくあります.あがってしまって質問が理解できないこと,自分の研究を自分自身で理解できていないことが原因ですが,これが修士まで行くと成長著しく,かなり改善されます.卒研は良い経験だとは思いますが,単なるエクセサイズで終わりがちなので,きちんと力を身につけるには修士も考えてみると良いかもしれません.

****

基本,卒論発表会の晩は打ち上げ(追いコン)なのですが,今年はちょっと都合が悪く,翌日の晩に三宮の「きんいち」という店で打ち上げをしました.ちなみに,来年は私が在外研究で不在で,追い出してくれる新ゼミ生(3年生)がいないので,今年は追いコンではなく単なる打ち上げです..後輩がいないというのは結構寂しかったかもしれません(4年生の皆さん,すみません).

そんな少しかわいそうな4年生ですが,みんなからプレゼントまでいただいてしまいました.大切に使わせていただきます.

毎年学生さんに恵まれてありがたいかぎりです.

 

卒論進捗報告会

今日は毎年恒例の年末の卒論進捗報告会(中間発表会)を行いました。今回の会場はiCommonsです!今の4年生は入ったときから(かな?)学生会館が工事中で、いろいろと不便な学生生活を送った世代なので、少しでもiCommonsを活用しようということで、今回の会場になりました。

報告会の理想というか位置付けとしては、ほぼすべての実験が終わって、これから最終発表会に向けてどのようにまとめていくか、ということを議論する場にしたいのですが、現実には、だいたいの人はなんとか終わりまでの道筋だけは決めておこう、という感じになります。。

ここからの追い上げに期待していますね!


発表会のあとは、三宮の居酒屋「満天」で忘年会です。普段は研究の話しかしませんが、飲み会だと学生の個性が少し分かって面白いです。

全員で卒業できるように頑張っていきましょう!

卒論合同中間発表会

10月5日に,小出研究室と山中研究室と合同で中間発表会を行いました.場所は,御影の平生セミナーハウスです.ちなみにセミナーハウスには初めて行きましたが,思っていたよりも立派な施設で,これからもゼミの活動などで利用していきたいと思います!

発表会の方は,1人発表5分,質疑3分と短時間ですが,3研究室の学生が全員発表するので,午後1〜5時までみっちりとやりました.学生の皆さんは発表準備が大変だったと思いますが,今,研究の背景や目的,研究のゴールまでの道筋などをしっかり考えたこと自体が大きな成果になったと思います.質疑も,自分が聞かれる側になるとなかなか難しく,特に最初は質問とかみ合わない答えになったりしがちです.回数をこなすことで上手になりますので,最終発表会に向けて良い経験になったのではないでしょうか.

さて,発表会が終わった後は,懇親会で大変盛り上がりました(幹事の3人のお陰です!).盛り上がり過ぎ,警備員さんにも注意されました.